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山田玲司のヤングサンデー 第434号 2023/8/14

高校野球の正解

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仕事の合間になんとなく高校野球を見ていた。

夏休みの午後「昔の歌謡曲を演奏するブラスバンドの応援」なんかを遠くで聞きながらうたた寝するのが幸せだったなぁ・・なんて。

そんな昔を思い出していた。


ところが今見ると甲子園の高校野球は全然違うものに見える。

多くの選手にとってそれは「人生初の見せ場」だし「人生最後の見せ場」になるかもしれない瞬間だ。

負けが見えてきた試合の最後で1度も出場してなかった選手が代打で出てきたりする。


子供の頃から野球だけに打ち込んできたけどレギュラーになれなかった人の「たった1打席の晴れ舞台」というわけだ。

スタンドにはベンチにすら入れなかったチームメイトが汗だくになって応援している。


今の僕にはそれら全てが「残酷ショー」に見える。

「そういう舞台」も必要だ、というのもわからなくもないけど、高校野球の美学には共感できない「自己犠牲の強要」を感じてしまう。


とはいえ、そんな残酷ショーだからこそ、プロ野球のペナントレースにはない緊張感があり、ついつい見てしまう。


「あと1つストライクを取られたら負け」

「ここでフォアボールを出したら負け」

「このフライを落としたら負け」

負けたら「次」はない3年生。

それがわかるとつい「がんばれ」と思ってしまう僕も、ある意味この残酷ショーを消費している「加害者」だ。


もちろん人生は長いし、高校野球で挫折しても終わりではない。

その殆どが「武勇伝」に変わり「人生の宝物」みたいに思うのかもしれない。

そうなると「高校野球などいらない」というのも少々乱暴に思えてくるから困る。



【この酷暑で?】


しかし何と言っても問題はこの「殺人的な酷暑」での試合だろう。

もはや異常事態と言われるほどの暑さの中で「いつものように」試合が行われている。