• このエントリーをはてなブックマークに追加

今なら、継続入会で月額会員費が1ヶ月分無料!

「だから、言わんこっちゃない!」2月5日号
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

「だから、言わんこっちゃない!」2月5日号

2013-02-05 16:47
    【ブロマガ月別アーカイヴ: 2012-12 / 2013-1 / 2013-2生放送はこちら 】


    「この国のかたち」を「改国」するのではなく、「この国のあり方」を「改国」せねば、“日出ずる国”に未来は訪れない、と口を酸っぱくする程に繰り返し述べてきました(苦笑)。

    以下は、2月3日号
    をアップ後の昨日4日(月)に「時事通信」が配信した記事です。

    「東電への支援、3兆円超に=賠償増加で7千億円追加-政府」

    政府は4日、東京電力と原子力損害賠償支援機構が申請した東電の経営再建策「総合特別事業計画」の変更を認めた。東電福島第1原発事故の被災者に対して東電が支払う賠償金が増加しており、同社は原賠機構から6968億円の追加支援を受け、賠償に対応する。追加支援は3回目で、支援総額は計3兆2430億円に膨らむ。
     東電は2012年5月に認定された総合特別事業計画で、賠償金の総額を2兆5462億円と見積もっていた。今後、土地や建物に対する賠償が本格化し、支払額が想定を上回るとみられることなどから、1月に追加支援を申請していた。
     東電は原賠機構を通じて国から資金の交付を受け、賠償に充てる仕組み。交付された資金は、東電が将来の利益の中から返していく必要がある。
    (2013/02/04-18:11)

    「だから、言わんこっちゃない!」ですね。
    御存知のように「フクイチ」に関して僕は、
    「メルトダウンを超えた東京電力福島第1原子力発電所の周囲は、「放射能に占領された領土」と冷徹に捉えるべき。原発から少なくとも30km圏内は居住禁止区域に設定し、愛着を抱く郷里から離れる当該住民には、国家が新たな住居と職業を保証・提供すべき。それが「国民の生命と財産を護る」政治=立法府の責務です」
    と提言し続けてきました。
    (2011年12月8日 国会事故調・映像)
    (陳述原稿)

    「賠償」は必要です。基本です。
    が、それは当該住民が職業と住居を得て、勇気と希望を抱いて新しい生活へと踏み出すベクトルでなくてはなりません。
    生活設計が出来ないのに、「金銭」だけ貰っても、それは再興へは繋がらないと誰もが判っています。取り分け、当事者の住民は。

    「国の除染目標達成でも7割弱は帰還せず 飯舘村住民アンケート」と題する1月11日付「東京新聞」1面記事が活写するように、
    「行政は除染と帰村を基本方針に掲げるが、調査結果からは帰村についての住民の自己決定権や、除染以上に生活再建支援を望む思いが伝わってくる」
    のは当然です。

    だって「国の除染目標」は年間20m㏜以下の状態に「戻す」ですからね。基準値の年間1mSvの20倍。安心・安全とは程遠い。
    しかも、昨年4月に「週刊金曜日」!に掲載された僕のインタヴューでも述べたように、人口6千人弱の飯舘村に投ずる除染費用は3200億円。住民1人当たり5千万円。4人家族で2億円。
    PDF

    既に2011年12月6日付「ニューヨーク・タイムズ」が「最大の浪費事業」と看破しています。

    2012年1月27日の本会議代表質問で僕も、「『ニューヨーク・タイムズ』も『フクシマ』の除染作業は日本最大・最悪の『有り難迷惑な公共事業』『無用の長物』と批判。除染は、放射能汚染を他の場所に移す『移染』に過ぎず、作業に当たる人々の内部被曝の悲劇を更に生み出します」と当該記事に言及しました。

    (2012年1月27日 本会議代表質問・映像)
    (質問原稿)


    冒頭の記事に戻れば、

    「東電は2012年5月に認定された総合特別事業計画で、賠償金の総額を2兆5462億円と見積もっていた」が、早くも今回で追加支援は3回目で、支援総額は計3兆2430億円に膨ら」み、更に「今後、土地や建物に対する賠償が本格化し、支払額が想定を上回るとみられる」。

    「東電は原賠機構を通じて国から資金の交付を受け、賠償に充てる仕組み。交付された資金は、東電が将来の利益の中から返していく必要がある」。

    あのね、「将来の利益の中から返していく」なら電気料金は半永久的に高止まりとなる訳でしょ(苦笑)。
    「発送電分離」すれば「競争原理」が働いて電気料金が下がる、という言説の嘘は明々白々でしょ。
    郵政民営化さえ実現すれば日本の経済と社会は再生する、と“魔法の杖”論を高言していた“なあんちゃって小泉・竹中へなちょこ改革”と一緒ですね。

    毎日新聞社も文藝春秋社も、限りなく「経営破綻」に近い「経営危機」に陥った際、新社・旧社に分離しました。
    経営幹部を一新し、社員待遇も改変し、であればこそ金融機関も納得し、新社で再興を目指し、旧社が残務処理を担当した訳です。
    東京電力も、関東電力という新社と東京電力という旧社に分離したなら、「責任の所在」も明確となった上で、再スタート可能だったのです。
    (因みに9電力会社の中で東電だけでしょ、独占的営業区域は関東一円なのに、東京と限定的名称を冠しているのは。10電力会社の1つの沖縄電力も那覇電力ではないし、大阪電力や福岡電力も存在しないw。関東電力と名称も経営も体質も一新する好機だったのにね)

    ところが、「Too big to fail=大き過ぎて潰せない」と奇妙な責任回避論で、誰も責任を取らず(退任はしたけどエネルギー村の中で天下っておりますw)、東京電力は社員給与のベースアップも実施して、金融機関も政府が「保証」してくれるので黙して語らず。ツケは税金と電気料金で国民が負担する訳ですね。

    「Too big to fail=大き過ぎて潰せない」論は、2009年の日本航空の際にも「口先番長」前原誠司氏が唱えました。しかも、JALが1日でも飛ばないと、飛べないと国民生活に甚大な影響を与える、と(爆)。
    あのね、他の航空会社も運航しているし、新幹線も高速バスも自家用車も物流トラックもフェリーも“矢切の渡し”wも代替交通機関は百万と存在するでしょうに、と国土交通委員会で「口先番長」に申し上げた記憶が甦ります。
    あの時、日本航空も新社・旧社にすれば、大量の早期退職者を出して、技能の伝承が途切れずに、運航乗務員を含めて皆が給与体系を下げて新社で心機一転奮闘し、それを「触媒」として、日本航空よりも高給を食んでいた全日本空輸の経営状況も筋肉質化した訳です。無論、社員読者からは反発を食らいそうですが(苦笑)。

    そもそも、高速バスや宅配業者という代替交通機関が整備されていなかった1987年4月1日に日本国有鉄道を分割民営化して、約10年後の1998年に解散するまで日本国有鉄道清算事業団が「旧社」=清算会社として残務整理を行った訳でしょ。
    競合他社が存在する航空と違って、新幹線に象徴される鉄道は半ば独占企業体だったにも拘らず、継ぎ目の無い=混乱の無い=シームレスな移行が可能だった訳で、じゃあ、それが出来ないと東電に関して思い込んでいる・思い込まされている日本人は劣化したのか鈍感になったのか、って話でしょ。

    国鉄民営化議論の当初、鉄路を管理する会社と、運行を担当する会社に「上下分離」する話がありました。
    1987年から1991年まで存在した新幹線鉄道保有機構は、その“思想”に基づくと言えます
    が、この失敗作が前号でも少し触れたイギリスの鉄道民営化でした。

    イギリスでは、国鉄(British Rail) 改革に際して、上下分離と大々的なオープンアクセスを導入したが、線路の保有・管理会社と運行会社とで管理をバラバラに行なったために整備が行き届かず、1999年10月5日、ロンドン近郊パディントンでの大事故をはじめ、数々のトラブルを招いた

    まあ、イギリスの鉄道の接客が良いかどうかは甚だ疑問ですが(苦笑)、運行という「上」の経営努力は数字としての成果に結び付きやすいのに対し、鉄路という「下」を維持管理するのは地味な仕事という以前に、これ単体では採算が取りにくい。
    結果、保線が滞り、信号の故障といったトラブルから大事故が生起していった訳です。
    これまた余談ながら、引用文中ではパディントンをロンドン近郊としるしていますが、「くまのパディントン」がブラウン一家と邂逅したパディントン駅は、グレイター・ロンドンではなく、ロンドン市内の北東部に位置するのですが。

    日本では聡明にも「上下一体」で6つの旅客鉄道会社に分割し、唯一、日本貨物鉄道(JR貨物)のみ、「下」を保有する旅客6社に使用料を支払って「上」を運行する形態を選択しました。

    ところで、前号の冒頭で引用した1月31日付「朝日新聞」
    の図表を
    御覧下さい。
    「電力自由化と発送電分離でこう変わる」とバラ色の惹句が記されていますが、不思議に思いませんか?

    「新規参入が増え、価格競争が生まれる」として、太陽光の「自然エネ発電会社」と風力の「自然エネ発電会社」が2つ、「大手電力会社」が1つ記され、「大手電力会社」を「法的分離」した「送配電会社(電力会社の子会社)が発電所から「家庭・企業」への送配電を担当する仕組みです。「自然エネ発電会社」は「送配電網を使いやすくなる」と説明が付記させています。
    でもね、送配電ではなく発電段階で、「大手電力会社」を脅かす程の規模と価格の「自然エネ発電会社」が数年で出現しますか? 太陽光や風力、更には波力で?
    大きな可能性を秘めたオーランチオキトリウムへの開発資金援助に経済産業省も文部科学省も及び腰、と言うよりも、殆ど関心を示していない状況を顧みれば猶の事。

    仮に大手商社や、竹中平蔵氏が大好きなw外資系の企業が「自然エネ」以外の「火力」で発電部門に本格的に参入しても、「大手電力会社」を脅かす迄には相当の年月を要します。何せ巨額投資を必要とする超~巨大な装置産業ですからね。
    電力と比べたら横綱と小結みたいな存在の航空会社だって、日本航空と全日空を脅かす存在にスカイマークが到達しているかと言えば、仮にエアバス380で国際線へと大々的に進出したとしても、国内線という国内市場では夢遙かでしょう。何れかの会社をM&Aでもしない限り、半永久的に無理です。

    電話事業=通信業界はどうでしょう。
    NTTドコモ、NTTデータ、NTTコミュニケーションズには、それぞれ他社との競争が存在しますが、移動通信の携帯電話等と比べて時代遅れで垢抜けない固定電話のイメージが強い東日本電信電話と西日本電信電話は、持ち株会社NTT傘下で「地域電気通信業務」を現在も一手に担う独占企業です。
    「発送電分離」が敢行されたとしても、電力10社がNTTドコモのような競争に晒されるかどうか、保証の限りではないのです。だって、「法的分離」で誕生する送配電会社は(電力会社の子会社)と但し書きされているではありませんか(苦笑)。

    と述べていると、田中康夫は電力会社を国営企業化しろと抗言する時代錯誤な言説の持ち主か、などと言い出す向きが、洞察力=リテラシーに富んだw諸兄諸姉の中には居られるかも知れませんデスね。呵々(かか)。
    引き続き地域独占で電力会社に胡座(あぐら)をかかせなさい、と奨励しているのではありません。当たり前でしょ。
    だけど、中途半端な発送電分離を行っても、価格決定権は既存の電力会社の手中でしょ、って話です。しかも、許認可官庁の経済産業省は既存の電力会社と蜜月でしょw。原発推進DNAの旧科学技術庁を合体した文部科学省も「原子力ムラ」と同衾でしょw。高笑いが聞こえてきませんか!
    前号の”啖呵”を再録しましょう。

    「電力システム改革専門委員会」という名の『有識者委員会』は、経済産業省が設置したんでっせ」
    「委員会開催時の資料作成も会場設営も経産省が担当。委員への日当支払も経産省の予算。おっと、その前に委員人選も」
    「電力業界へ自分達の先輩がワンサカ天下っている経産省が事務局を務める『委員会』が“暴走”して『発送電分離』を打ち出す訳がないザンショ」

    「社会的共通資本」を担う組織=企業には安定供給という責務が伴います。
    上下分離と一体運営で明暗を分けたブリティッシュ・レイルBRと「ジャパン・レイルJR」を例に挙げた理由です。
    (無論、JRも“走る不動産屋”として駅ビルにブチックやスーパーやホテルを詰め込んで、駅前商店街というコミュニティを溶解させてしまった功罪は、それはそれで冷静冷徹に認識する必要は有りますが)

    映画「エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?」
    DVD「エンロン」
    のカスタマーレビュー
    も含めて前号で紹介した「エンロン」の
    倫理観を持ち合わせぬ投機的心智が、カリフォルニアの大停電と大混乱を招いた訳です。
    「色々な発電会社から選ぶことができる」と「朝日」は図表
    で記していますが、繰り返し申し上げれば、色々な電話会社から消費者自身が選択可能な携帯電話と同様の変化が生まれる為には、「自然エネ発電会社」が「大手電力会社」と伍するだけの存在にならなくては、依然として価格決定権は、蜜月関係な大手電力会社と経済産業省の手中なのです。
    自然エネ発電会社とて、商社やファンドwが資本家ですから、ほんのチョビッと価格が下がる程度で留まってくれた方が、ほぉ~らね、我々の参入でハッピーな価格になったでしょ、と契約者に胸を張る一方、投下資本を資金回収せねばならない我が方としても、この程度で高止まりしてくれてハッピーと呟いているかも知れません。みぃんな、経産省とはお友達関係ですからね(苦笑)。

    今後も「最大最悪な公共事業」としての除染=移染に加えて、被災者・被爆者に対する補償という名の、本質的解決には繋がらぬ公金投入が続くのですから、責任の所在を明確にする上でも「発送電分離」の前に東京電力の新社・旧社分離、総括原価方式の全廃を実施するのが大前提でしょ。

    これも前号で触れましたが、「本記」という符丁で呼ばれる記事本文の最後に、
    「一方、発送電分離や小売り自由化を進めると、電力の安定供給にだれが責任を持つのかがはっきりしなくなるとの批判もある。電力供給が不安定になれば、逆に電気料金値上げにつながるとの見方もある」
    と「朝日」が記した“深意”を洞察しないと、消費者にとってのハッピーは獲得出来ませんね。

    「暴力団新法」=「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」
    で考えてみましょう。
    縁日の夜店の出店に関して許認可を仕切る経産省という胴元が、東電という夜店に適切な指導・運営を行ってこなかったから、2012年7月の改正前の「3・11」の際、津波が襲来する前の激震の段階で送電線を始めとする「フクイチ」の施設が倒壊・崩壊し、冷却が不可能となった訳です。
    にも拘らず、昨日4日に報じられた
    「前福島第1原発所長の聴取書を押収 事故巡り検察当局」
    って全然ズレていると思いません?


     東京電力福島第1原発事故を巡り、東京地検など検察当局が、業務上過失致死傷容疑などでの差し押さえ令状に基づき、政府の事故調査委員会が吉田昌郎・前同原発所長を参考人聴取した際に作成した聴取書を押収していたことが4日、関係者の話で分かった。
     吉田前所長の体調不良が続いているため任意での事情聴取を断念。原発の安全対策などに関する本人の認識などを確認するため押収したとみられる。
     前所長は、東電が福島第1原発に襲来する可能性のある津波の高さを最大15.7メートルと試算した2008年当時、原子力設備管理部長として原発の津波対策の立案などを担当。試算後に具体的な対策をとらなかったなどとして福島県の被災者らが同容疑などで告訴・告発していた。
     事故の原因究明を目指す政府事故調は、刑事責任追及に使用しない前提で聴取書を作成しているが、関係者の話によると、前所長の聴取書は本人の同意を得たうえで国会事故調にも提供されていることなどから、検察当局は押収に問題はないと判断したもようだ。
    ツイッター上では、次は斑目某氏だ、前政権の面々だ、と単純に盛り上がっていますが、
    この手の記事は基本的に検察からの“お貸し下げ情報”ですから、
    前所長は、東電が福島第1原発に襲来する可能性のある津波の高さを最大15.7メートルと試算した2008年当時、原子力設備管理部長として原発の津波対策の立案などを担当。試算後に具体的な対策をとらなかったなどとして福島県の被災者らが同容疑などで告訴・告発していた
    という箇所も検察の認識な訳です。
    即ち、
    「津波が襲来する前の激震の段階で送電線を始めとする「フクイチ」の施設が倒壊・崩壊し、冷却が不可能となった」とは認識していない訳です。
    勝俣某氏へは及ぶ筈もない。
    まさに、「悪い奴ほどよく眠る」
    ですね。
    う~む、意味が反転してしまった「流れに棹さす」や「鳥肌が立つ」同様、その内に「悪い奴は永遠の眠りについてしまう=直ぐに殺される」と誤訳する面々も現れそうですね(苦笑)。

    という訳で、「発送電分離」に関しては、ヒューッ、これでお仕舞い(苦笑)。
    明日6日(水)の無料生放送は通常よりも30分遅く16時30分からです。
    タイムシフト予約も可能だよ。

    はてさて、当ブロマガは長文の分析の回と、短文で数多くの事象に関して言及する回の2パターンを構築しようかと考えています。
    この辺りに関しても、どうぞ御意見を。

    チャンネル会員ならもっと楽しめる!
    • 会員限定の新着記事が読み放題!※1
    • 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
      • ※1、入会月以降の記事が対象になります。
      • ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。
    ブログイメージ
    田中康夫公式ブロマガ「だから言わんこっちゃない!」
    更新頻度: 毎週水曜日
    最終更新日:
    チャンネル月額: ¥550 (税込)

    チャンネルに入会して購読

    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。