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【第445号】忠臣蔵シンドローム
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【第445号】忠臣蔵シンドローム

2024-02-29 07:00
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    山田玲司のヤングサンデー 第445号 2024/2/29

    忠臣蔵シンドローム

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    「2.17土曜18時からは💃


    山田玲司のヤングサンデー・全編無料公開特別編

    『「セクシー田中さん」事件と芦原妃名子さんの無念を繰り返さないために〜里中満智子、森川ジョージ、湊よりこと考える「原作漫画家不遇問題」と再発防止策』



    いつもより1時間早いスタートです😌


    今回は特別編として、番組初登場となる里中満智子さん、湊よりこさん、そしてすっかりお世話になりっぱなしの森川ジョージさんをお迎えし、お三方に自身の体験や今回の悲劇に対する思いをお聞きしつつ、今後の再発防止策までじっくり語り合っていただく予定です


    個人的には未だ真相が明かされていないデリケートな問題で軽々に扱うことなどできず、便乗とも取られかねないのが嫌なので正直迷いましたが、これまで様々な漫画作品と漫画家さんにお世話になってきた番組だからこそ、しっかりと語るべき課題であり責任でもあると思い、玲司さんとこの回を企画しました


    この悲劇に心痛めている方、怒りが納まらない方、様々な想いを抱えている方がおられると思います


    もちろん我々ごときが犯人探しや恒久解決策を提示できるなど思ってもおりませんが、せめて語り合うことで気持ちを整理し、今後の漫画家さんやメディアミックス形式への何かしらの礎となれればと願います


    とはいえちゃんと語るとなるとどうしても犯人探し、業界の体質や批判、解決策の模索などが具体的事柄として上がることは避けられません


    それ故不本意ながらも誰かを傷つけてしまう場合もあるかとは思いますが、何ひとつ裁量権を持たない者達の相対的意見として、冷静にお聞きくださることを期待します


    ただ、何よりも守らなければならないのは芦原妃名子さんの名誉と、遺された作品の素晴らしさ、そして彼女と作品を愛しているファンの心です


    「ご冥福をお祈りします」「寂しいです」「再発防止に努めます」なんて陳腐な言葉で片付けられてたまるかという雪恨の情は痛いほどわかっているつもりです


    玲司さん含めて今回登壇される漫画家さんはみなキャリアも長く、それらをすべて踏まえた上で、なるべく冷静に、丁寧に、建設的に話を進めてくれるはず


    もちろん同業者の無念にどうしても感情的になってしまう場合もありますが、それも含めて“漫画家の生の声のひとつ”として受け取って頂ければ幸いです


    もし議論が生ぬるいと感じたら、俺がちゃんとぶっ込みますのでご安心ください

    この中で誰よりもしがらみも忖度もキャリアもないのは俺だけなので


    長い前説になりましたが、今回のヤンサンはなるべく誤解を招かないよう、恣意的な編集がされないよう、切り出しNGの全編無料公開と致します


    長い時間の語り合いでしか見えないこともあります

    ぜひ皆さん、揚げ足取りや条件反射で感情的になるのもそこそこにして、じっくり見て聞いて考えていただければ嬉しいです


    何度も言いますが非常に繊細な事案だからこそ、我々もより真摯に臨むことを約束します


    それでもなるべく、ごきげんを忘れずに」



    以上の声明は先日17日放送のニコ生チャンネル『山田玲司のヤングサンデー 』(以下「ヤンサン」)特別編「セクシー田中さん」事件と芦原妃名子さんの無念をくりかえさないために〜(タイトル以下略)」の放送数日前に、番組MCであるゴーストライターの奥野晴信が自身のX(旧Twitter)に出していたものである。(誤解のないようすべてのツリーを引用した)


    こんにちわ。

    81號立会人・覇志堕素雅音(ハシダスガオ)です。

    今回は「山田玲司のヤングサンデー」というニコ生・YouTubeチャンネルの立会レポートをお届けします。



    【いつもと違うヤンサン】


    2024.2.17のこの放送は、我が組織の会員弁護士から何かあるといけないということで依頼を受け、組織の中でもたまたま超古参ヤンサンファミリーである私が願ってもないことだと立ち会った。

    私はその生放送をスタジオの、もちろんオンエアに映らない位置で持参のラップトップを開いてコメントもチェックしながらずっと見守っていたが、時節柄もあり大変な反響があったようだ。

    リアルタイムでのチャットやコメント、また放送後のアーカイブ勢のコメントやSNSなど、今なおさまざまな意見が寄せられている。


    小学館で長年描いてきたこの番組のホストである山田玲司と、番組に時には辛過ぎるアクセントをもたらすアシスタントMCの奥野晴信に加えて、作品数800作以上とも目される漫画界のレジェンド・里中満智子先生、総発行部数1億部突破のまごうことなきチャンピオン・森川ジョージ先生、芦原先生と同世代の漫画家でメディアミックス経験もある湊よりこ先生という、これ以上ない説得力のある布陣で始まった放送は、ヤンサンという番組を長年追いかけてきたヘヴィウォッチャーである私ですら胃がもたれる程、濃密で意義深いものだった。


    しかしながら普段ヤンサンを見ていない新規リスナーの方々には、MCでありながら自己主張が激しい奥野晴信という存在の免疫がなく、まことに聞き苦しい思いをさせてしまっていたようで、ヤンサンファミリーとして誠に申し訳ない。

    私も番組を見ながら途中で気がついたのだが、進行、ツッコミ、主張、コメントチェック、ボケの5つを彼1人でこなすのは、いつものように冗談が通じるような議題ならまだしも、今回のようなシリアスなケースを扱うには、ちょっとタスクが多すぎたのではないかと思う。


    思えばタモリも、みのもんたも、宮根誠司も、山田邦子も、ホラン千秋も、みんなアシスタントにアナウンサーなどが付いていて、その負担を分散させて進行している。

    普段ならヤンサンにも清ちゃんという美容師、そして昨年までは久世という詩人がいて、うまくその負担を分散させていたのだが、美容師である清ちゃんは今回のテーマに入るには少し場違いすぎるからとお休みで、久世はどうやら自分の作品づくり、世界づくりに集中したいと、元旦の放送から番組を離れていた。

    そういうタイミングも重なっていたから、なかなか難しい進行になってしまったのは否めない。

    とはいえ彼は彼なりに確たる思いがあり、考えて臨んでいたことは確かで、それは冒頭に引用した彼の書き付けを読んでもらえれば多少は理解してもらえると思う。


    放送はヤンサンらしさである“ごきげん”をなんとか保とうとギリギリのラインを探るように始まった。

    山田玲司と奥野晴信が妙なテンションだったのは、その声の出し方、間の取り方ですぐにわかった。

    2人とも初登場の里中満智子先生と湊よりこ先生をなんとか和ませようと冒頭から実にふわっとした紹介で始まったのだが、湊さんが早々に感極まって嗚咽を漏らしたことで急に場が真剣味を増した。

    これはいつものバラエティショーではないのだと、あの時リアルタイムで見ていた私を含む視聴者もみな、少し背筋がピンとなった。


    それでも本題までなんとか柔らかく進行したい奥野は強引に空気を戻し、森川ジョージ先生も交えて軽やかなやり取りを交わしつつ番組を進めるのだが(まさか途中でいきなり「嘘喰い」実写映画の話になるとは思わなかった!)、全体のプログラムなど知らない視聴者からは「早く本題に入れ」という声や「ヘラヘラするな」「真剣にやれ」という声もあった。

    特に里中先生に対しての山田玲司はもはや途中から趣旨を忘れてファントークになって、コメントでも「それは別の回でいいから早く意見を聞け」と急かされていた。

    かくいう私もそう思った。

    その難しい空気感を察知したのか森川ジョージ先生が、意味のわからないタイミングでボケを入れてくる。

    それは森川先生の優しさではあるのだが、流石に今は違うよ!ジョージ先生!と私も叫んでいた。

    特に里中先生をいじった高齢者ギャグには進行の奥野がいちばん困惑していたくらいだ。

    庇うつもりはないが、普段はざっくりと楽しくやるのがスタイルで、こういうシリアスな話題を取り上げるのは初めてなのだから、初見の方々におかれましては多少は大目に見てやってほしい。

    まぁもう少し本題に入るのが早い方が良かった気はするが、そこはこの回の構成を組んだ進行の奥野の責任だろうな。

    頼むよおっくん、今後はしっかりやってくれ。


    とはいえ漫画家先生それぞれのメディアミックスの体験談などを丁寧に聞いていったのは落ち着いていてよかったと思う。

    本題に入る前の前段階として、各出演者がメディアミックスに対してどんなスタンスなのかを視聴者ともに共有しなければ、なかなか話も深まらなかっただろう。

    森川先生はじめ、漫画家の先生方のこの事件に対する受け止め方は相当に重いということがこちらにも静かに伝わり、先生方が意見を口にするたびに、ずしりずしりと番組が重くなっていった。

    そして徐々に番組は本題に迫り、時系列をまとめて総括していく中で、いよいよ議論は白熱し始めた。



    【白熱と不安】


    『この事件の責任は何処にあるのか』


    という議題で番組が展開したとき、あくまで漫画家としての立場を崩さず、これからのために何ができるかを考えている漫画家先生たちに対し、いつの間にかファン代表のような立場になって、その目線を崩さない奥野がぶつかった。

    それは4対1の構図にも見え、少数派となってますます燃えたのか、大御所先生方を相手に一歩も引き下がろうとしないMCに、コメントは沸いた。

    「おっくんいけ!」「声がデカい」「喋りすぎ」「もっと言ってくれ」「MCがでしゃばるな」など、様々な毀誉褒貶の中で私は思った。

    これは番組として大丈夫なのか……と。

    スタジオで放送開始から見守っていた私は、立会人としてここで仲裁に入るべきかと固唾を飲んだ。

    議論をコントロールする、いわば私と同じ立会人の立場の奥野が、感情の昂りに言語が追いつかない感じで言葉を探しながら、詰まりながら、その圧力だけで話す。

    当然、進行役どころではない。

    まぁいつものことといえばそれまでなのだが、こういう時にそれを出してしまうことが、果たしてどういう結果を生むのか、私は一抹の不安を覚えた。

    というか彼はこの議論を何処に持って行きたいのだろうか。

    まさかノープラン、ということはあるまい。


    ……いや、ある。

    往々にしてありうる。

    むしろそれしかない。


    「山田玲司のヤングサンデー」という場は、本人たち曰く台本などは滅多に用意せず、基本的に山田玲司に乗っかる形だけが決まっていて、内容の打ち合わせもほとんどしないで臨むという。

    つまり何よりもライヴ感を重視する構成だからこそスリリングでおもしろいのだ。

    しかしそのおもしろさは、慣れた我々には構わないが新規リスナーにはどう映るのか……。

    ちなみにこの日は流石に構成台本が用意されていた。

    私も放送前にチェックさせて貰ったが、ここまでは概ね予定通りに進行していた。

    しかしここに来て台本を作った本人の奥野が暴走し始めている。

    その予定調和を許さない進行は、いつも通りと言えばその通りなのだが、まさかこの大事な回でもやるとはね。

    彼のあの、感情が乗った時は普段よりワンオクターブ上がった声で捲し立てるその生意気さに面食らって、ボリュームを下げたりチャンネルを変えたりする人もいただろう。

    申し訳ない、そういうガサツな男なんですよ、奴は。

    少しだけフォローすると、今回の彼はおそらく進行役として回しや経緯の説明、先生方の意見の要約、ツッコミなど、裁かなければいけない幾つものタスクに加え、いつの間にかあの場にひとりだけ読者代表のように振る舞ってしまったことで、感情の混乱が起こっていたのだろう。

    冒頭に挙げた彼のステイトメントにも書いていたが、特にコメントをチェックしながら、その向こうにいる芦原さんの真摯な読者たちの想いを絶対に蔑ろにしないという決意と、だからこそ下手な事は言えないという迷いが、そのまま感情を増幅させていた。

    言葉を探しながら感情は昂るので次第に声が大きくなる。

    そこに4対1の少数派であるからこそ余計に燃えてしまう悪い癖が重なって、熱量と圧力でねじ伏せようとする彼の熱情論法に拍車をかけた。

    悲しいかな彼は大陸を旅した経験から、声が大きいやつが勝つと何処かで刷り込まれているのだ。

    もうとっくに旅は終わり、ここは日本だというのに。


    そんな彼に対してやはり「もっと前もって言語化してこい」というようなコメントもあった。

    私もそれに同意する。

    いかに混乱していようが、MCが礼節を忘れるのはまるで田原総一郎である。

    いっそショーとしてやるならば、もっとやった方がよかった。

    森川ジョージにつかみかかって返り討ちに合うとか、湊よりこさんを差し置いて号泣するだとか、某24Hテレビのようにわざとらしくやればよかったのに。(皮肉です)

    ともあれそういう粗暴な輩もいることで議論は盛り上がるもので、番組としていちばんヒートアップしたのもこの辺りなのは間違いない。

    何をそんなに揉めたのかは自分の耳目で確認してほしいが、要はこういうことである。


    先生方:「犯人探し」は当たり前、それは我々の仕事ではない、我々漫画家はもう2度とこのような事を繰り返さないために漫画業界として、個人としては何ができるかを考え、示すことが大事。


    奥野:それはわかるけれど、これからの話をするその前に、この芦原先生に起きた悲劇を総括すべきだ、でないとファンの行き場のない気持ちが浮かばれない。


    文字にするとこんなことをなぜ冷静に話し合えないのかとも思えるが、なぜか議論は白熱していた。

    その熱に当てられたのか、終始冷静だった森川ジョージ先生も少し興奮気味に言い放った。


    「そうやって犯人探しがヒートアップして、また誰かに何かあったらどうするんだ」(意訳)


    それを受けて奥野は、こんな言葉をモニターに出した。



    『忠臣蔵シンドローム』

     
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