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なぜ今、平和安全法制が必要なのか。
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なぜ今、平和安全法制が必要なのか。

2015-08-07 16:28

    【なぜ今、平和安全法制が必要なのか】

    現在国会では、参議院に舞台を移して「平和安全法制」の議論が続いています。また地元でも、「必要だ」、「いや、反対だ」、「憲法違反じゃないのか」、「よくわからない」といった様々なご意見をいただいています。私も街頭演説やミニ集会等で、できるだけわかり易くご説明させていただいているつもりですが、世論調査等の結果を見るとまだまだご理解頂けていないというのが実情です。そこで、今回は「なぜ今、平和安全法制が必要なのか」をできるだけわかり易くご説明したいと思います。少し長くなりますが、最後までお付き合いください。

    【そもそも集団的自衛権とは】

    まずは、集団的自衛権が国連憲章51条で全ての国連加盟国に認められている権利であるということを確認したいと思います。にもかかわらず、これまでの日本政府は「保有すれども行使できない」という解釈をしてきました。これは日本国内でしか通用しない価値観です。今回の法整備は、国際情勢の変化に伴って発生しうる危険な状況に対処するため、「我が国を防衛するためにやむを得ない場合」にのみ、限定的に集団的自衛権の行使を認めるものであり、あくまでも憲法9条の専守防衛、平和主義の範囲内の変更です。

    【憲法違反なのか】

    次に、集団的自衛権は憲法違反だという議論があります。これは衆議院憲法調査会の参考人として自民党が推薦した護憲派の憲法学者が違憲だという意見を述べたことに端を発しています。では、改めて日本国憲法第9条を見てみましょう。

    1、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

    2、前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

    戦力も交戦権も否定している第2項を素直に読めば、自衛隊も違憲だという事になってしまいます。実際に、今回の集団的自衛権の限定容認が違憲だといっている憲法学者の多くは、現在でも自衛隊そのものが違憲だといっています。これは、「魚は嫌いだ」と言っている人に、「刺身は好きか」と聞いたようなもので、答えは聞く前から明らかだったのです。憲法学者の主張を錦の御旗にして大騒ぎしている野党も、自衛隊は合憲だと自分に都合のいいところだけ引用しているのですから、明らかにご都合主義で、何としても国民の生命と財産を守るという国会議員としての意識が欠如しているといわざるを得ません。

    【解釈変更ではなく、憲法改正すべきなのか】

    また、解釈による集団的自衛権の一部容認は姑息な手段なので、正々堂々と憲法を改正すべきだという議論もあります。しかし、今回の解釈変更はあくまでも「憲法の範囲内の変更」であり、過去にも憲法の解釈が変更された事実はあるのです。例えば、1946年(昭和21年)の帝国議会では、自衛権すら認められないのは独立国としておかしいと共産党の野坂参三議員の主張に対し、当時の吉田茂総理(当時の日本自由党、後の自由民主党)は、日本国憲法9条は自衛権すら放棄するのだと明言したのです。信じられないかもしれませんが、自民党が放棄するといった自衛権を共産党がそれはおかしいと主張した時代もあったのです。

    その後、1954年に平和を守るためには外交努力と共に、一定の抑止力が必要だという考えのもと憲法の解釈が変更され、自衛隊ができました。それに対して、抑止力など持つから戦争になる、非武装中立が正しいという人たちがいて国論を2分しました。翌55年に非武装中立派が合同して日本社会党を作り、その直後に、抑止力が必要だという人たちで自由民主党が結成され、いわゆる55年体制が始まりました。その後、日米安保条約を改定した時にも、戦争に巻き込まれるといった批判が噴出しましたが、そうした批判が全く的外れなものであったことは、既に歴史が証明しています。

    【徴兵制につながるってほんと】

    また、民主党は集団的自衛権を認めると徴兵制につながる、といったとんでもないパンフレットを配布しているようです。これも、永世中立国のスイスは世界でも数少ない集団的自衛権を行使しない国ですが徴兵制を採用していますし、一方で、集団的自衛権を行使したことのある米国、英国、ドイツ、フランス、カナダは志願制なので、民主党の主張は全くのナンセンスだという事がわかります。

    【では、わが国を取り巻く安全保障環境は】

    では、今日、我が国を取り巻く安全保障環境は安心できる状況なのでしょうか。北朝鮮は拉致問題に真剣に向き合うことなく、核兵器の開発を継続し、日本海に向けて弾道弾ミサイルを幾度となく発射しています。また、中国は南沙諸島の岩礁を埋め立て、尖閣諸島を自国の領土だと主張しています。危機管理に「想定外」は許されません。今回の集団的自衛権限定容認について、中国、韓国以外の多くの国が賛同のコメントを出しています。このような現実を見れば、なぜ今、「平和安全法制が必要なのか」は自ずとご理解いただけるのはないでしょうか。

    【日本と世界の平和と安全に必要なのが平和安全法制】

    70年前、私たち日本人は「もう二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。」という誓いを立てました。この不戦の誓いを将来にわたって守り続け、国民の命と平和な暮らしを守り抜く決意のもと、日本と世界の平和と安全を確かなものとするために必要なのが今回の「平和安全法制」なのです。いうまでもなく、戦争を望んでいる日本人は一人もいません。誰もが平和を願っています。しかし、平和は単に願うだけでは実現できないのです。「平和安全法制」に関して、まだまだ説明不足で十分にご理解いただけていないという現実を謙虚に受け止め、さらに丁寧に説明して理解を深めていただけるよう全力を尽くします。

     

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