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  • 小樽ダークツーリズム紀行 一泊二日で150年の歴史を体感する

    2016-05-16 16:15  
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    小樽運河、北一硝子、金融資料館、小樽オルゴール堂、石原裕次郎記念館─
    全国にその名が知れた小樽を代表する観光スポットだ。
    しかし、小樽という街の奥深さは、決してそれら〝定番観光〟だけにとどまらない。
    ちょいと足を伸ばせば、近代の裏面史が1泊2日で体験できてしまう街なのだ。
    小樽はまぎれもない観光先進地であり、毎年700万人を超える集客力がある。ただし、観光客の滞留時間は平均して4時間ほどと言われ、メインの観光コンテンツである運河通りの散策を済ませると、そそくさと札幌に向かう旅客が多い。夕方4時を過ぎると、人影がまばらになる。果たして、小樽には4時間ほどの滞在価値しかないのだろうか。筆者は多くの共同研究者が小樽にいるため、1年に何度も小樽と関西を往復する。繰り返し訪問すればするほど、小樽の底知れぬ魅力に引きずり込まれる。それは単に名産のガラス工芸品が綺麗だとか寿司が旨いではなく、小樽が持つ近代の悲しみの記憶に核心的価値を感じるからである。
    今回は、ダークツーリズムの視点から小樽の旅を楽しみつつ、読者に街の新たな魅力を紹介してみたい。文=井出明/写真=中筋純