酒井正和氏が代表就任後は攻めに攻めまくるパンクラス!! 日本格闘技界のリアルな現状と、佐伯繁代表率いるDEEPとの全面対抗戦の可能性について伺った!
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――Dropkickに掲載されたDEEP代表の佐伯さんインタビューをお読みになったと伺っております
酒井 読みました。面白かったですよ。
酒井 かなり誤解されてるなっていう印象がありますね。
――すいません(笑)。
酒井 でも、なんか佐伯さんは“評論家”みたいですよね。
――評論家!
酒井 興行のバッティング問題も「なるほどな」と思います。とても参考になります。でも、それは先に会場を見つければ回避できる話だとは思うんです。
――来年のパンクラスはStudio Coastを新しいホーム会場として、早くも年間スケジュールを発表してますね。
酒井 格闘技以外のコンテンツってみんなスケジュール発表が早いんですよ。アーティストなんかは来年の日程まで決まってますからね。それに対してどうプロモーションをしていくかってことで。格闘技はどちらかというと遅いほうですよね。
――どうして格闘技界は遅いんですかね?
酒井 それは格闘技業界がエンターテインメントとして成熟していないからだと思いますね。
――なるほど~。
酒井 どこかの会場を見つけてイベントをやればいいって話ではないんですね。ディファ有明閉鎖に伴って、来年のウチはStudio Coastにチェンジしてやっていくことになりますが、最初から後楽園ホールという選択はなかったんですよ。それはなぜかというと、パンクラスを引き継いだときに、後楽園ホールで行われるMMAが私の中でイメージが合わなかったんですよ。
――観戦しやすさ、試合のしやすさを考慮したんですね。
酒井 たしかに後楽園ホールは大きいですし、あのパッケージにはボクシングやプロレスが合うと思うんですよ。お客さんの湧き方もいいんですしね。でも、MMAをオシャレにかっこよく魅せようとしたときに「どうなのか?」って考えちゃったんですよね。
――たしかに古臭いイメージは拭えないですね。
酒井 「だったらライブ会場でもあるディファ有明で華やかに演出すればいいんじゃないの?」と。実際にイベントによっては後楽園以上の湧き方をしたこともあったのは事実なので。
――ディファの場合、1日中会場が借りれて試合数が多く組めるという利点も大きいですか?
酒井 その理由もありますね。ここ10年のあいだのMMAの変化でいえば、選手のチケット手売り主体になっていることです。試合が多く組まれて、選手の応援にお客さんが会場に来るようになってる。そのスタイルってこれから先も変わらないと思うんですね。
――チケット手売り主体の興行は変わらない、と。
酒井 ウチのプレイガイド(一般売り)は伸びてるほうなんですが、手売りと逆転してるかといったら、そこはなかなか難しい。まだまだメディアパワーが足りないと思ってます。
――そこは一般層に届くようなメディア展開をしないと変わらないんじゃないかという。
酒井 そこは仕込まないと難しいでしょうね。ただ、現状の数字でいえば、YouTubeの視聴数やオフィシャルサイトのアクセス数は他の団体さんより圧倒的に上なんですよ。この3年間でだいぶ差がつきました。
――酒井さん体制になってからパンクラスはそういった露出に力を入れてきましたね。
酒井 そこは公言できるんですけど、じゃあそれが一般層までに届いてるか?といえば、意外と伝わっていない。なかなか結びつかない。ということで、去年の10月にTOKYO MXで地上波生中継をやったじゃないですか。本来はこれも1年くらいやらないと効果は出てこないもんなんです。
――消滅したDREAMも地上波ゴールデンでやってましたが、なかなか浸透しなかったですね。
酒井 一般層に普及させるには地上波に露出し続けないと無理でしょうね。それにはテレビ局側の協力も必要になってくるんですよ。ただ、こちらが番組枠を買って流していてもまったく意味がない。
――いまはパンクラスが番組枠を買って放送してるんですね。RIZIN以外の地上波やBSの格闘技番組はそういったケースが多いですが……。
酒井 これまで中継した3大会はこちらが身銭を切ってるところがあるんですが、番組自体はある程度の評価をいただきまして。その中で次はどういうかたちでやるのかという協議をしてる段階で。今後はメディアパトーナーとしてやっていきたいというお話をMXさんとしてるところなんですよ。
――パンクラスとしては枠買いの次のステージに進みたいという。
酒井 なので、2月3月大会の中継はお休みしてるところなんです。
――番組枠を買うためにはけっこうなお金が必要ですよね。
酒井 相当お金がかかってます。それに普通の録画中継ではなく生中継ですから、見えないお金が何百万とかかるんですよ。ウチはUFCファイトパスでも放送していて世界中で流れますから、そこに恥じない映像を作らないとパンクラスのブランド問題になってしまうんですね。
――みすぼらしいものは世界に見せられない。
酒井 UFCやベラトールは華やかに演出してるじゃないですか。でも、ウチはあそこまで資本力があるわけではないですし、あのパッケージの中でよく魅せようとしたら映像クオリティを上げるしかないですよね。いかにそこを高めるか。なのでクレーンカメラを使ってたりしてるんです。9メートル伸びるグレーンは、3人のオペレーションが必要。もうひとつのクレーンは1人で済むんですけど、ということは計4人の人件費が必要になってくるんですよね。
――ひえ~(笑)。
酒井 でも、そのぶん映像評価は凄く高いんですよね。
――たしかにパンクラスの試合映像にはメジャー感がありますね。
酒井 そこはUFCからも評価されてますし、ファイトパスの視聴者数もけっこういいですよね。その映像自体をMXが見て「これはいい」となったことで地上波中継をやろうかという話に繋がったんです。
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