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RIZINバンタム級GP1回戦で堀口恭司戦が電撃決定した所英男インタビュー。この試合が30代最後の試合となるが、仲間や家族など周囲の反対を押し切って強敵とのオファーを受け入れた胸中を語ってくれた(聞き手/松下ミワ)



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――RIZINバンタム級GP1回戦から所英男vs堀口恭司というビッグカードが決定しました! 所選手がこのオファーを受けた心境をぜひ知りたいのですが、まず最初にこの話が入ったのはいつ頃だったんですか?

 一番最初は、4月16日のRIZIN横浜大会の前だったと思うんですけど、「バンタム級GPを開催するので、出てください」というような連絡をいただきまして。KID選手との対戦を希望していたんですが、すぐに実現するのは難しそうというのもあって「あ、わかりました。出ます」と答えたんですね。DREAMのジャパングランプリで優勝してから、もうグランプリには出場しないつもりだったんですが、RIZINがやるというなら出ようと。

――4月の大会前ということは、まだ堀口選手のGP参戦も決定していない段階ですね。

 そのときは、バンタム級で選手をいろいろ想像したときに、正直RIZINではアンソニー・バーチャック選手と自分しかいない状態だったんで、「出ることになるんだろうなあ」という感じはあって。そのほかの選手としては、DEEPとか他の団体のチャンピオンに声をかけるんだろうと思ってはいましたけど。

――じゃあ、出場にもあまりためらいはなく。

 最初はGPと聞いて、「一階級上のフェザー級じゃないですよね?」という感じでビビっていたところがあったんですけど、バンタム級ということだったので、安心しちゃって。だから「わかりました」という感じで簡単な返事をしたのが最初です。

――そうしたら、4月の大会の翌日にバンタム級GPの開催が発表され、しかもそこには堀口選手が出場する、と。

 そのときは、本当に「えっ……!?」という感じで。もう、これは大変なことになったな……って。

――「出ます」と返事している所選手からすると、「大変」どころの騒ぎじゃないですよねえ。

 そんなときに、あらためて榊原代表が会いたいということで連絡があったので、「いや、これはただ事ではないなあ……」と。

――うわあ~! わざわざ「会いたい」と言われた時点で堀口戦の予感は抱きますよね(笑)。

 いやー、ありましたねえ。で、実際にそう言われたときは、「あー、やっぱり来たかー……」という。

――良くも悪くも、勘が当たってしまった(笑)。その榊原代表との対面時は、どういう返事をしたんですか?

 いや、さすがに「ちょっと一回考えさせてください」と言いました。自分だけじゃなくて、練習仲間とか、セコンドに付いてもらっている勝村(周一朗)さんとか、家族とか、そういう人たちに反対されながら試合をするのもよくないし、勢いで決めるような歳でもないので「話し合ってきます」という感じで一回持ち帰って。

――持ち帰ってみんなに話したら、やっぱり大反対というか。

 まあ……。最初、勝村さんに話をしたんですけど、そのときは「作戦の立てようもないし、事故になるかもしれないぞ」と言われて。あとは、家族ですよね。ちょうど、ゴールデンウィークに子供を連れて実家に帰ったんですけど、そのときにGPと堀口選手の話をしたら、とくに母親がもの凄く反対して。

――へえ~、お母さんが!

 もう、恥ずかしいぐらい反対してて。

――恥ずかしいくらいの反対って!

 あれは、ちょっと恥ずかしかったですね。

――所選手のお母さんって、普段からそういうことを言われる方だったんですか?

 いや、言わないんですけど、やっぱり4月の堀口選手の試合をたぶん見たんだと思います。だから「やらなくていいでしょ!」って。そういう感じで言われましたね。

――それでも、今回のオファーにOKしたということは、だんだん自分の中でも「やるしかない」という気持ちが芽生えてきていたということですよね?

 そうなんですよねぇ。やっぱり、RIZINという大きな大会で開催されるGPですし、その1回戦をトップ選手の堀口選手と戦えるという凄いことをやらせてもらえるわけですし。

――なるほど。

 それを、こんなボクなんかにオファーしてくれたというのもありますし。榊原代表がボクのジムがある武蔵小杉まで来てくれたりとか、そういう熱い気持ちも伝わりましたし。

――どんどん気持ちが傾いていったんですね。

 そうなったときに「どうせやるなら一番強い人とやったほうがいいんだろうなあ……」とか、だんだんそういう気持ちが沸いてきたのもありましたね。

――でも「一番強い人とやったほうがいい」という発想が、やっぱり凄いですよね。

 あとは、まあ、なんて言うんですかね。いつか子供も格闘技のことやボクのキャリアを知ることになると思うんですけど、そういうときに立ち向かっていく格闘家だったというところも、自分の実績として残しておきたいなあと思ったりもしました。そういうのもあって、あらためて勝村さんに「やりたいです!」と言ったんです。そしたら「じゃあ、最後まで付き合うよ」と言ってくれたのでホッとしたんですけどね。

――そういう決断した中に家族の存在があるというのは、結婚してお子さんが産まれた所選手ならではの感じがありますね。

 そうかもしれないですね。家族の存在は、うん、おっきいですね(しみじみと)。

――お子さんにもカッコいいところを見せたいし。

 まあでも、まだ0歳なので、何も覚えていないとは思うんですけど(苦笑)。でも、将来自分の歴史をしゃべったりするときのために、いい映像が残ればいいなという。「そういうこともあったんだよ」と胸を張って言えたらいいなあと思っています。



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