Dropkick
試合で一時死亡していたMMAファイター、彼を救ったカットマン、それぞれの再生物語■MMA Unleashed
Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム「MMA Unleashed」――今回のテーマは「試合で一時死亡していたMMAファイター、彼を救ったカットマン、それぞれの再生物語」です!
CJハンコック(32)は、何発かの打撃を受けて、よろめくように後方に倒れ込んだことは覚えている。
次の記憶は、覚醒してみると病院にいた、ということだった。周りでは家族が自分のことをのぞき込んでいた。
11月3日、米国ヒューストンで開催された『LFA(レガシー・ファイティング・アライアンス) 26』で、ハンコック(MMA戦績2勝3敗)はチャーリー・オンティヴェロス(MMA戦績9勝5敗)と対戦した。
LFAはUFCの登竜門的な団体であり、ハンコックもUFC入りを目指して試合を重ねていた。元々ライトヘビー級だったハンコックは、ミドル級を経て、この試合はウェルター級転向2戦目だった。ただ、ショートノーティスのオファーを受け、試合前3日間で215パウンドから170パウンドまで、急激な減量を行っていた。
「相手の方が3倍もキャリアが豊富だったが、レスリングと柔術は自分の方が上だと踏んだんだ」とハンコックは語っている。
高校生時代からレスリングをしていたハンコックは、減量には慣れていた。だから減量中にサウナや塩水風呂で吐き気を催した時にも、とにかく根性で乗り切った。
「気分は良くなかったが、押し切れると思った。減量が身体に良くないことは知っていたが、まさかこんなことが自分に起きるとは思わなかった。こんな目に遭っている人も知っているが、自分はタフだから大丈夫だと思ったんだ」
ハンコックは前日計量には合格した。驚いたことに、その段階では体調は爽快だった。もちろん完調ではないが、これなら十分に戦えると感じた。彼がこれほど急な減量をしていたことは、試合前には彼の陣営以外は誰も知らなかったし、州のコミッションによる確認もなかった。
ところがケージに足を踏み入れた途端、ハンコックは自分の心拍数が急上昇していることを自覚した。試合が始まると、よく練習していたはずのテクニックをうまく出すことができなかった。
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