煽りVアーティストがフジテレビに帰還!! PRIDEやDREAMを煽り続けてきた佐藤大輔氏が、白鵬やヒョードルら豪華メンバーが出場する腕相撲世界一決定戦『ジャイアント・キリング』の総合・演出を担当することになった。さっそくYouTubeにアップされた番組トレイラーはさすがの煽りっぷりなのであるが、今回の腕相撲企画であの伝説のテレビ番組を思い出した方がいるのではないだろうか……? TBSの革新的バラエティ番組『クイズ☆タレント名鑑』内で行なわれていたガチ相撲である。
格闘技が地上波から姿を消しつつあった時期に計3回開催されたガチ相撲は、笑いあり涙ありの内容でPRIDEをモチーフとしていた演出もあり大好評。残念ながら視聴率は奮わず消滅してしまったが、じつは当時、佐藤大輔氏がこのガチ相撲に大大激怒しているという噂が流れていたのだ。いったい何に怒っていたのか……。その『クイズ☆タレント名鑑』プロデューサーだった藤井健太郎氏との対談であきらかにしてみよう! そして腕相撲とガチ相撲の大きな違いとは!?(聞き手/ジャン斉藤)
『ジャイアント・キリング』は12月30日18:00~23:24の放映。そして藤井氏が企画・演出・プロデューサーを務める生放送番組『クイズ☆正解は一年後』も同日30日23:55から。この番組も実験的すぎるのでチェックだ!
藤井 今日はよろしくお願いします。
佐藤 どうもどうも。こちらこそよろしくです。今日はね、ジャン斉藤とkaminogeについて話をしたいんですよ。
藤井 えっ、そういうテーマなんですか!?(笑)。
――ああ、違います違います。無視してください。
佐藤 俺は勝手にkaminogeの一員として、斉藤さんの悪口を本人に言いに来たっていう。
――あれ、大輔さんがガチ相撲の悪口を言いまくってた話じゃないんですか?
藤井 その話はボクのほうにもなんとなく伝わってます(笑)。
佐藤 その話はあとから! で、切れ味鋭かったかつての批評家ジャン斉藤が「カミプロ崩れ」としか言いようがない状況にあると、いま聞きまして。
――あのですね、「カミプロ崩れ」っていうのは、いつまでたっても自分がそこにいたことを看板してた某先輩のことやで〜!!
佐藤 てか、批評というものに足を突っ込むとなかなか抜けられないんだよ。だからkaminogeは踏み入れてないもん。そこは決めてるもんね、「アハハオホホでいく!」って。つまりあの人はあなたと違って叩かれない上品な作法を知ってる!!
――……フジテレビ崩れにこんなことを言われて……帰って麻雀打ちに行こうかなあ。
藤井 ハハハハハハハハ!
佐藤 今日はそこをとことん語りたいんですっ!! いまの業界ってたしかにニュースや話題はあるんだけど、語りたくなる大きな物語がないじゃないですか。ボールはあっても壁がない。だから批評は成立しにくいんですけど、そのチャンスが今年の大晦日だったと思うんだよね。
――新日本プロレスが大晦日さいたまスーパーアリーナでプロレスイベントをやるって話ですね。
藤井 結局、大晦日のさいたまはどうなるんですか?
佐藤 空(カラ)。
藤井 空! じゃあ来年の大晦日も予約できない?
佐藤 どうなるんだろう? ただ、加藤さん(DREAMプロデューサー)はいろんな事業をやってるから FEGの債権がなければ優良企業なんだよ。だから事業としての格闘技は一旦様子見なんだろうね。
藤井 やっぱり国内の格闘技は難しいんですか?
佐藤 というか、藤井くんはUFC観てます?
藤井 観てますよ。面白いですよね。
佐藤 でも、UFCの面白さが伝えられているかというと難しいですよね。
藤井 位置的にはNBAやMLBと一緒ですよね。海外スポーツ。視聴方法も限定されてますよね。
佐藤 で、この腕相撲(『ジャイアント・キリング』)ですよ。ようやく本題。結果的に腕相撲で現在のUFCとフジテレビの繋がりができたわけですよ。
藤井 えっ、そうなんですか?
佐藤 まず大前提としてメジャー格闘技って興行じゃなくてじつはテレビ番組。格闘技やプロレスがテレビ番組以外で成立したのって第二次UWFだけでUFCも海外MMAもテレビ番組だからね。
――格闘技バブルでお客さんが入っていたのは地上波がついていたPRIDEとK-1だけで、90年代に勢いがあったパンクラスと修斗はどんどん客入りが悪くなっていきましたね。それはパンクラスの元社長の尾崎さんも言ってましたけど。
藤井 たしかにMMAってテレビで見るのは一番わかりやすかったりしますよね。会場に行ってもリングではなくビジョンを見ることが多いし。
佐藤 PRIDEって最初は深夜のダイジェスト放送だったんですけど、番組内容を見るとドッカンドッカン湧くシーンばっかなんだよ。それはいいところだけ編集してるから。俺は総合格闘技がそのままテレビ番組として通用するとは当時はまったく思ってなかった。
――テレビに流すだけじゃ難しい。そこはテレビが格闘技を翻訳していたってことなんですかね。
佐藤 やっぱりテレビを通して初めて成立する世界ではあるよ。今回の腕相撲はズッファからPRIDEやUFCの映像を借りれる。ということはあのマーク・ハントvsビッグフットを日本の地上波でバンバン流せるんだよ、やろうと思えば(笑)。
藤井 ハハハハハ。それは凄く趣味の世界ですね。
佐藤 で、腕相撲でもハントvsビッグフットが内定してたんだよ。ビッグフットの都合で飛んじゃったけど。
――ああ、そのカードはぜひ実現してほしかったですねぇ。友人同士であんな激闘は超えられないし、再戦が難しいから腕相撲で決着をつけるという。
佐藤 面白いでしょ? いまここにいる2人にしか喜ばないマッチメイクなんだけど(笑)。
藤井 いやいや、2000人には届くと思います(笑)。
佐藤 あー、鋭い数字ですね。で、この番組は放送が5時間半もあるじゃない。UFCの試合を流したりしてファイトスポーツの名勝負、衝撃映像をガンガン見せたいと。
藤井 生(中継)なんですか?
佐藤 途中から生。ベスト8までは撮って出しだから、まあ生みたいなもんなんだけど。だから桜庭和志のグレイシー4連戦とかも全部流そうかと。
――K-1のアーカイブもあるからゼロゼロ年代格闘技の総集編的番組にもできるというわけですね。
佐藤 ほとんどの人が観ていないヒョードルvs石井慧の試合や、今度のピーター・アーツ引退試合も地上波でいちばん最初に流せるかも。数字(視聴率)、取れる気しません?
藤井 うーん、数字はわからないですねぇ。
佐藤 数字はわからないかあ……。そりゃそうだ(笑)。
藤井 もちろん僕らや格闘技ファンは凄く楽しめますけど(笑)。
佐藤 格闘技ファンは大喜びですよねぇ。だからそういうアーカイブ勝負にしようと考えていたんだけど、フジテレビから「PRIDEの映像は使うな!」とストップが入って。
――あ、いまだPRIDEアレルギーがあるんですね。
佐藤 要は「寝た子を起こすな!」というね。“あのとき”のことにケリも何もついてないじゃん。誰も責任を取ってないし、説明もされていない中、権利を放棄したけど借りて使うのもダメという。だからフジテレビにとっては永遠に封印されるべき映像なんだけど、俺知らなくて会見で流しちゃったから。本番でいきなり流せば良かった(笑)。
藤井 いちおうガチ相撲のときもズッファからPRIDEの映像を借りて流せたんですけどね(笑)。
佐藤 だから怒りましたよ。「もうやめたるわ!(怒)」って。帰ってきてそうそう「佐藤大輔がさっそく怒ってる……」って言われましたけど(笑)。