(C)RIZIN FF/Sachiko Hotaka
大晦日RIZINのMMAデビュー戦を見事な飛びつき腕十字で勝利したRENA。その大一番に向けてトレーニングを協力したのがInvicta FCアトム級王者・浜崎朱加だった。シュートボクシングの女王として立技の頂点に君臨するRENAと、日本人MMAファイターとして唯一の北米王者である浜崎朱加の女王対談をお送りします!(聞き手/松下ミワ)
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──大晦日RIZINのMMAデビュー戦で見事な勝利を挙げたRENA選手ですが、一緒にMMAのトレーニングをされてセコンドにもついた浜崎(朱加)選手もビックリな勝ち方だったんじゃないですか?
浜崎 いや、あの大舞台で飛びつき腕十字を極められるというのは、いまでもしみじみと凄いなと思いますね。
RENA あとで聞いたんですけど、浜崎さん、試合が終わったときに涙でウルウルしてたらしいんですよね。
浜崎 フフフフフ。
RENA 森谷(吉博、シュートボクシング広報)さんがセコンド陣の近くにいたらしいんですけど、「森谷さん、私、ヤバいです! ヤバいですっ!!」って泣いてたらしいです。
浜崎 そうそうそう(笑)。腕十字が極まった瞬間に「ワーーッ!!」みたいな。私もあんなの興奮したのは初めてですよ。セコンドの阿部(裕幸/AACC主宰)さんが「飛べ! 飛べ!!」とは指示は出してたんですけど、まさか本当に飛んで極まるとは思わなかったんで。本当に奇跡のタイミングだったよね。
RENA いや、私にとっても、あれはまさかの展開でした。極められると思ってなかったけど、「あ、できちゃった!! マジか!?」みたいな。
──RENA選手が浜崎選手が所属するAACCで練習することになったのはどういう理由だったんですか?
RENA 一番は、やっぱりMMAで活躍されてる女子選手が多いというのが決め手でしたね。その中でも、私は浜崎さんが一番、上の選手だと思っているので、浜崎さんがいるAACCで練習したいなあ、と。
――浜崎選手は日本人男女含めて唯一の北米MMA王者ですね。
RENA そこで、お互いにお世話になっているINSPIRITの社長さんにつないでいただいたんです。それまでは、浜崎さんとはしゃべったことなかったですし、お互いに人見知りやし……。
浜崎 たしかに(笑)。
RENA 「あ、浜崎さん、いるわ」とわかっているけど、挨拶していいのかダメなのかわからない……みたいな。最初はなんか微妙な雰囲気でしたもんね?
浜崎 だから、なんとなく距離があったけど、練習しながら仲良くなれたらいいなって感じでしたね。でも、私はRENAがAACCで練習すると聞いたときは、単純にうれしかったんですよ。最初はホントに「有名人に会えた!」という感じで。テレビとかでもよく観てたので、へんな感覚だったというか。
RENA 私は、浜崎選手のことは「男前だな」という印象でした。
浜崎 男前(笑)。
RENA だから、なおさらしゃべりかけづらくて(苦笑)。最初は浜崎さんがしゃべりかけてくれたんですよ。
浜崎 あ、そうやったっけ?
RENA 「こうやって話すの、初めてやんね」みたいな感じで。
──格闘技の話以外にも盛り上がることってありました?
浜崎 うーん、どんな話したかな。ネコの話とか?
RENA ネコの話、しましたね。浜崎さん、ネコ飼ってて。私も最近、イヌ飼いだしたんですよ。
浜崎 そのイヌが、チョー可愛いんですよ!
RENA 私、実家でもイヌを飼ってたんですけど、中型犬のおじいちゃんなので、東京には連れて来れなくて。だから今回は、小型犬の家タイプのイヌを飼い始めたばっかりなんです。
浜崎 私も最初はイヌかネコか迷ってたんだけどね。でも、イヌって鳴き声を出しちゃうじゃないですか。だからネコにしたら、ネコがどんどん大好きになっちゃって。里親とかになってたら、いつのまにか3匹に増えちゃいました。
RENA 私は昔からイヌ派ですね。ネコはたまにでいいというか。
浜崎 なんでよ?
RENA 私、性格がけっこう自分勝手なので、ネコとは合わないんです。ネコも自分勝手ですけど、こっちが可愛がろうとしたときにプイッとされたら、「もー!(怒)」ってなるんですよね。で、向こうが寄ってきたときは、「アンタ、さっき遊んでくれへんかったやん!」みたいな(笑)。だから、キャンキャン寄ってきてくれるイヌのほうがいいですよねえ。
浜崎 私、イヌのそういうのが苦手なんですよお。
RENA えー、そうなんですか!?
浜崎 ずーっとペロペロしてくるじゃない。そうじゃなくて、たまに寄ってきてくれるぐらいがちょうどいいなって。
──そんな対照的なお二人にも、昔はけっこう“やんちゃ”だったという共通点がありますね。
浜崎 いや私、そんなに悪いことしてたとかじゃないですよ。なんて言うんだろう。学校の非常ベルを勝手に鳴らしたり、消防車を呼ぶボタンを勝手に押したりとか。あとは、消化器ブッ放したりとか、そのぐらいです。
RENA ハハハハハ! 「そのぐらい」じゃないですよ!
浜崎 あ、でも一人でやったわけじゃないよ。友だちとかと一緒にやったんだけど、もう「やってみたい!」という好奇心から止められなくて。そしたら学校の先生から「オマエはもう、この高校に行って柔道やれ!」と言われて。それで通うようになったのが柔道の強い高校だったんですよね。そこで寮に入れられて柔道漬けの日々というか。
RENA へえ~。それを聞くと、私は“やんちゃ”ではないですね。私、人様に迷惑をかけないタイプの人間だったので。
浜崎 どういうこと?
RENA 引きこもるとか、授業出ないとか、保健室に逃げるとか。
浜崎 ああ、そういうのか(笑)。
RENA 保健室ってベッドがあるから寝られるんですよ、「しんどいー」とか言って駆け込んで。あとは学校を抜け出したりとかもしましたけど、浜崎さんみたいにアクティブな感じではないです。
──その後、お二人とも格闘技に出会って人生が変わったというわけですよね。
浜崎 私の場合、柔道に出会えてよかったとは思うんですけど、決して柔道が好きではなかったんですよ。
RENA なんか複雑ですね。
浜崎 いまでも柔道はそんなに好きではないんですけど、寮にも入ってたので辞めたくても辞められなかったというか。でも、やっぱり試合で勝つとうれしかったですし、いま総合格闘技をやっているのも柔道のおかげなので、私にとって柔道は不思議な存在というか。
RENA 練習してて浜崎さんの柔道の足払い、凄い厄介じゃないですか。足でシュッ、シュッって倒しに来て。
浜崎 それでも倒れないよね? (笑)。だからホントに体幹とかセンスが凄いんでしょうね。
――RENA選手はMMA初挑戦でしたけど、練習してみてどう思われましたか?
浜崎 RENAと練習してて感じたのは、やっぱり成長が早いということですよ。というか、もう最初から総合の動きができてましたもん。立ちの状態からスタートしても、なかなか倒れなかったですし、危ないところでしっかりディフェンスできてたり。だから、たぶんもともとの危険察知能力が凄いんだろうなと思いました。
RENA じつは、お姉ちゃんとのケンカでディフェンス力が養われてたかもしれないですね(笑)。
浜崎 ハハハハハハハハ。実際、総合の練習やってみてどうだった?
RENA いや、自分としては、やっぱり立ち技だけの競技とはぜんぜん違うなという感覚でした。もうこれは180度頭を切り替えないとダメだなって。だから本当に「ペーペーでスミマセン……」みたいな感じで、ケータイで練習の動画をいっぱい撮りまくったりして。だって、最初は“エビ”とかもできなかったですもんね。「逆! 逆! 足が逆!」とよく注意されてましたもん。
浜崎 でも、ホントに一生懸命だったよ。だからなんでもすぐに吸収できてたし。上達がやっぱり早かったですもんね。
──ちなみに当初、RENA選手は総合ルールは本当にNOだと言っていて、その一番の理由が寝技だったと聞きました。
RENA はい。寝技って凄くイヤなんですよ。だって、痛いじゃないですか。
浜崎 いやいや、打撃も痛いでしょ!
RENA 違う、違う。打撃が痛いのは一瞬じゃないですか。でも、寝技って腕とか絞られたりしたら、「痛い! 痛い! 痛い!……ボキッ!!」みたいな。もう、そんなん我慢できないですもん。
浜崎 いやいや、私は完全に逆だな。
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