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ブロマガ

  • 台獣物語23(2,293字)

    23  オーナー室に入って、ぼくはびっくりした。そこは、想像以上に広い空間だったからだ。体育館……まではいかないが、その半分はあったろう。しかも、左右正面の三面がガラス張りで、右手には日本海、左手には弓ヶ浜半島の全景を見渡すことができた。 「すごい!」  と、エミ子は思わず感嘆の声を上げた。ぼくもつい声を上げそうになったが、しかしここはぐっと堪えた。正面の窓ガラスの手前に屏風のような壁があって、さらにその手前にデスクに一人の男性が座っていたからだ。  男性は、手元のホログラムスタンドを見ているのか、顔を伏せている。  ぼくたちは、そのデスクに向かって歩み寄った。ここまで先導してきた学が、デスクの男性に声をかけた。 「お連れしました」  すると、その男性が顔を上げた。  それを見て、ぼくは意外な感じがした。それは、その男性――山神達雄が、想像していたのとは違っていたからだ。  ぼくは、もっと老齢の、恰幅があり、威厳を持って、ドスの利いた――つまりマフィアのボスのような人を想像していた。  しかし山神は、まず第一に若かった。といっても、おそらく四〇歳前後か。しかし、老人とい...

    6時間前

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  • 多くの人が貧困への想像力を欠落させてしまう理由(2,915字)

    最近、貧困についての記事がよく話題になっている。先日もこんな記事があった。 階級社会の「想像力欠如」が貧困問題の壁だ | 「貧困報道」は問題だらけだ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 この記事は、日本の多くの人が貧困に対して想像力が欠落している――ということについて書いてある。とても興味深いので、ぜひ読んでもらいたい。 そしてぼくは、この記事を読んで、「ぼく自身に貧困への想像力があるかどうか?」ということについて、あらためて考えてみた。 そうしたところ、「あるのではないか」という結論になった。同時に、そこには一つのきっかけがあったということにも気づかされた。 そして、そのきっかけがあることによって、ぼくは「多くの人が貧困に対して想像力が欠落している」ということの理由も、だいたい想像できるようになったのだ。 そこでここでは、ぼくが貧困の実相を知るようになったきっかけと、考察した「多くの人が貧困への想像力を欠落させてしまう理由」について書いてみたい。 小学1年生のとき(1975年)、比較的仲良くしていた同級生の男の子がいた。 その子は、毎日お母さんからお小遣いをもらっていた。...

    1日前

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  • あしたの編集者:その2「これからの時代に必要な編集者としての自覚」(1,754字)

    これからの編集者は、作家からお願いされる人にならなければならない。編集者がイニシアチブを握って、もらうのではなく、与える人にならなくてはならない。 そのために最も必要なのが、与える人としての「自覚」だろう。 ぼくが、作家を志していたときに知って、今でも心に残っている言葉がある。それは作家についての心構えなのだが、そのまま、今の編集者にも当てはまる。 その言葉とは、次のようなものだ。 「作家というのは、『もう読む本がなくなった』というところまで、既存の本を読み尽くさなければならない。その上で、読みたい本がなくなったから、仕方なく自分で書く。そういう心持ちがだいじである」 編集者にも、これと同じ心構えが必要だろう。まず何よりも、「もう世の中には自分が読みたい本が一冊もない」という心境を獲得することが必要となってくるのだ。その上で、「読みたい本を読むためには、他人に任せていられないから、仕方なく自分で作る」と考える。そういう心構えがないと、いい本は作れない。 実際、ぼくが本を作るときには、必ずこの心構えを持つようにしている。幸か不幸か、ぼくは既存の小説に飽き飽きしてもいる。だから、小説を書...

    2日前

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  • [Q&A]舛添都知事の退職についてどう思いますか?(1,764字)

    [質問] ネガティブな質問ばかりで申し訳ないです。これで終わりにします。僕は、「バカにされたり」「イジメにあったり」したことで、未だに「あいつらのせいで青春時代がダメになった」「あいつらのせいでいろいろ苦労するはめになった。」「神様はなんでこんなに不公平なんだ。」「あいつらも同じような苦労や不幸を味わえ」「天罰が下ればいい」などと、どす黒い感情が、まだ消えないであります。そういった「恨み」「怨み」「つらみ」 「怒り」「憎しみ」などの「負のオーラを発する」ような「感情」に対してハックルさんは、どう対処したらいいと思いますか? [回答] バカにされたりイジメにあったりしたのはあいつらだけのせいではなく自分のせいでもあるので、「あいつらのせいで」というのは公平な見方ではありません。ですので、まずは公平な見方を身につける必要があります。 「恨み」「怨み」「つらみ」はぼくにもたくさんあり、それをエネルギーにして生きているので、そうすればいいのではないでしょうか。 [質問] とうとう舛添都知事が退職することになりました。ここしばらく舛添さんの金銭問題がマスコミで集中的に取り上げられておりま...

    3日前

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  • 世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その24(1,635字)

    マンガ家というのは、本能的に「絵を写実的に描きたい」「描き込みを多くしたい」という欲望があるらしい。そのため、マンガの歴史は常に、絵がより写実的に、描き込みの多い方向へと変化してきた。 しかし、絵を写実的にしすぎたり、描き込みを多くしすぎたりすると、その記号性が失われ、読むスピードが遅くなってしまうという弊害があった。そうなると、物語が頭に入ってこなくなり、マンガとしての面白さが失われてしまう。 それゆえマンガ家たちには、物語を読むスピードを落とさずに、絵を写実的にしたり描き込みを多くしたりしなければならないという矛盾した要件が課せられていた。 その要件に、逆転の発想で解決を図ったのが大友克洋であった。 彼の絵は、そもそもキャラクターも背景もともに写実的で描き込みが多く、その分の読みにくさは否めないところがあった。ところが、そこでキャラクターを簡素化するという方法ではなく、あえて背景の描き込みを多くすることで相対的に手前のキャラクターを記号化し、すらすら読めるよう工夫したのだ。 大友克洋が、そのイノベーションを成し遂げた記念碑的な作品こそ『童夢』である。 『童夢』は、一九...

    4日前

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2014/01/30 11:01

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