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ブロマガ

  • 台獣物語27(2,328字)

    27  その日の夜、夕食を終えたエミ子は、一人でお風呂に入っていた。  宿泊棟にある女性用の共同浴場は、銭湯ほどの広さとまではいかないが、それでも一度に五人くらいは入れそうな大きさがあった。しかも驚いたことに、お湯は温泉なのだという。昔、この近くに旅館があって、そこで使っていたものを引いてきているらしい。  その広いお風呂にエミ子が一人で浸かっていると、後から一人の女の子が入ってきた。彼女の名前は朽木碧。少し明るめに染めた長い髪の毛の、派手な顔立ちをした、胸の大きな女の子だ。 朽木碧 「あら、こんばんは」  と碧は、エミ子を見るとニッコリ微笑んで、それから洗い場で体を洗い始めた。  その碧に、エミ子は浴槽から身を乗り出して声をかけた。 「こんばんは! 確か……朽木さんですよね?」 「『碧』でいいよ。私も中三だから、同い年のはず」 「そうなんですね! 私は、大宮エミ子といいます」 「知ってるよ。さっき自己紹介してくれたでしょ」 「あ、はい――それで、鳥取の米子から来ました」 「あら、この近くなのね。私は愛媛の今治からなの」 「愛媛ですか!」 「そう! でも、四国は私だ...

    1日前

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  • 人々は今「出版残酷物語」を求めている(1,714字)

    最近、出版界を舞台にしたコンテンツが目につく。 ドラマになった『重版出来』もそうだし、ネットで連載されているそれをパロディにした『重版未定』というマンガも面白かった。 重版未定 - DOTPLACE それに最近、『小説王』という小説を読んだ。これは、大手出版社(小学館がモデル)の文芸の編集部、及びそこに勤める編集者と、彼の担当する小説家の物語だ。 小説王 - Amazon なぜそういう作品が目につくかといえば、ぼく自身が、出版界に興味があるからだろう。 ぼくは今、作家をしながら編集者を始めた。だから、出版界と関わりが深く、興味があるのは当然といえば当然だ。 ただ、それとは関係なく、「出版界が急激に縮小している」ということに、強い興味がある。その激変に、自分とのかかわりを超えた関心を抱いているのだ。 その意味で、『小説王』は興味深い内容だった。なぜなら、これは「出版界の縮小」がメインテーマだからだ。特に、小説の売れなさについて詳しく描かれていた。 今、日本の小説はほとんど死滅してしまった。もちろん、純文学はずいぶん前から見る影もないが、最近ではエンタメ小説も元気がない社会的な興...

    2日前

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  • あしたの編集者:その6「『プロの興味』と『アマの興味』」(2,037字)

    人間は、「自分と関係がある」と思えると、その事象に興味を持てる。 そして、編集者は「人間の興味をひもとく」というのがだいじな仕事の一つだから、「人間の興味の本質」について知っておく必要がある。 「人間の興味の本質」について知るためには、ある事象に興味を持っている人を観察して、「なぜこの人はこの事象に興味を持っているのだろう」と考えてみるといい。 例えば、長嶋茂雄を観察して「なぜこの人は野球が好きなのだろう」と考える。 あるいは、羽生善治を観察して「なぜこの人は将棋が好きなのだろう」と考える。 考える対象は、何も有名人でなくともよい。例えば親戚の男の子が昆虫好きだったら「なぜ彼は昆虫が好きなのだろう」と考えてみる。そうすることで、「人間の興味の本質」が見えてくる。今日は、そのことについて見ていきたい。 例えば、あなたが編集者だとして、「素数」の本を作ることになったとする。 そうしたら、まずはあなた自身が素数に興味を持たなければならない。あなた自身が素数に興味を持っていなければ、その本は興味深い本には絶対にならないからだ。そして興味深い本になっていなければ、その本は売れないの...

    3日前

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  • [Q&A]知能を鍛えるためにはどうすればいいか?(1,786字)

    [質問] 僕は、今年、32になりましたが他人から「失礼ですが、○○さんはおいくつですか?」と言われて実際の年齢より2、3歳若くサバをよみ例えば「30歳です。」と言ってしまう自分がいますひどい時期は30歳の時に「25」です。と言ってました。必ず自己嫌悪になります。僕の経験上、社会に飛び出す18歳~25歳、26歳ぐらいまでは、ある程度若さに誇りを持つのか何なのか「25歳です。」と胸を張って年齢を言えました。しかし、27歳位から年齢に対して卑下するようになりました。まだ20代だが、そこまで、言うほど若くないと。もう、いい年だと。大した能力もないのに体力や気力、肌の艶で「若者」が「無敵、正義」と思われ30歳近辺に差し掛かると世間的にその人個人の人生が終わったようなもう、可能性が無いと「何か罪を犯したかのように歳を言うのを後ろめたく感じます。」これからは「あなたの」じゃなく「次世代の」「社会の」「国のため」に生きろ!と歯車だと。「自由や遊びは終わった」「落ち目これから先は」「あなたの人生は終わったのよ!」と無言の幕切れをかけられるような感じが個人的にします。圧力が。しかし、人生は30過ぎからの...

    4日前

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  • 世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その28(1,783字)

    戦後初の本格的な長編アニメ映画『白蛇伝』は、一九五八年に上映された。 一九五八年といえば、戦後一三年が経過して、復興はほぼ完了し、そろそろ日本の高度経済成長が始まる頃合いだ。 一方、テレビの勃興に伴って、映画産業そのものは衰退を始めていた。そうしたタイミングで、東映は満を持して長編アニメ映画を制作した。それはまだ、当時「漫画映画」と呼ばれていた。 この『白蛇伝』は、日本のアニメ産業にとって一つの大きなエポックメイキングとなった。 まず、これを見た手塚治虫が大いに刺激され、その後アニメ制作に乗り出すきっかけとなる。 また、当時一七歳だった宮崎駿を筆頭に、後世のアニメ作家たちにも、アニメ業界に参入するきっかけを与える。この頃、アニメといえば外国製のものばかりだったので、ほとんどの人が日本でもアニメが制作できるということを想像していなかった。この映画は、そうした常識を覆したのである。 ちなみに、高畑勲はこの頃、ちょうど東映動画に入社した頃で、『白蛇伝』の制作には携わっていない。彼は、『やぶにらみの暴君』という一九五二年に制作されたフランスのアニメーションに刺激され、アニメ作家の道...

    5日前

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2014/01/30 11:01

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