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  • これからのぼくの生きる道(2,194字)

    2016-12-03 13:00
    ぼくはしらばらく前から自分の役割が少しずつ変わってきていることに気づいていました。ドラッカーのエヴァンジェリストとしての役割が、少しずつ小さくなっているなと。
    それは、コミュニケーションは結局野球の打率のようなものだからなんです。上手くいかないことの方が当たり前。上手くいったらすごいことです。

    『もしドラ』では、ドラッカーのことを上手く伝えられたかもしれないですけれど、それはたまたまだった。ピッチャーが絶好球を投げたし、ぼくも良いスイングをした。だから、ホームランにすることができました。しかし今は、ピッチャーも交代してしまったし、ぼくも変化している。以前とはスイングの在り方が違うようになってしまった。

    ですが、ぼくにはいまだにホームランを期待されるところがある。それは、以前に打ったホームランがあまりにも素晴らしかったから。でも、ぼくはもうホームランを打つような状況にない。どちらかというと、バッティングコーチだったり、あるいは球団経営だったりの方に、興味や適性が向かっている。
    だから、あの素晴らしいホームランをもう一度と言われても、少し困るところがあったんです。またそれを、ぼく自身も少し寂しく思っていた。

    ところが、ぼくがホームランを打てなくても、ホームランの映像は残っていた。そのバッティング理論は残っていました。今度、そのバッティングフォームを真似、理論を踏襲してくれる人が現れました。吉田麻子さんで、同じドラッカー学会に所属しています。
    その吉田さんが、ドラッカーの『経営者の条件』を伝える小説を書いた。つまり、ぼくと同じバッティングフォームで打席に立ち、見事なスイングをしてくれたのです。

    そのボールがどこまで飛んでいくかは、これからです。しなしながら、素晴らしいスイングをしてくれたことは間違いありません。それはぼくがこの目で確認しました。この本を読めば、ドラッカーの『経営者の条件』の神髄と、その真の効用が感じられるはずです。
    もし『経営者の条件』のことを知りたいのなら、吉田麻子さんの本『人生を変えるドラッカー』を読まれることをおすすめします。そして、今のぼくが伝えるより、何倍も的確にこの本のことが受け取られることも保証します。

    ぼくは、ぼくのバッティングフォーム、バッティング理論を踏襲してくれる人が現れて、少し、いやとてもホッとしました。吉田さん、ありがとうございます。ぼくもまた、もしかしたら打席に立つことがあるかもしれませんが、そのときはこれまでのように気負わずに済みそうです。それから、これまで以上にバッティングコーチや球団運営の仕事に、心置きなく取り組くむことができそうです。本当にありがとうございました。

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    ついでといってはなんですが、今のぼくの興味は「人々が社会に貢献するための武器である知識や教養を身につけるためのお手伝いができないか?」ということです。人々に魚(知識・教養)を授けるのではなく、魚の捕り方(知識・教養の身に付け方)を伝えたい。
    そのために最も必要なものは何か?

    ぼくは、それを「勉強するためのモチベーション」だと結論づけました。そして、ぼくがこれまでの人生の中で最も勉強するためのモチベーションを得たのは何かということを考えたときに、思い出されたのは「偉人の伝記」だったのです。ぼくは、とにかく偉人の伝記を読むとやる気が出た。いろいろとインスパイアもされ、創造力が湧いてきた。

    高校生の頃、偉人の伝記を飽くことなく読んでいた時期がありました。図書館に芸術史に残るような画家たちの画集があったのですが、ぼくはなぜかそこに載っている絵よりも、巻末に記されているその画家の生涯を記した文章に興味が向かって読みふけっていました。それを読むと、ぼくには俄然とやる気が生まれ、受験勉強をはじめさまざまな勉強を頑張ることができたのです。

    ぼくは、これからの少なくない時間をかけて、人々が武器を手に入れるための方法を伝えていくことに、大きな精力を捧げていきたいと考えています。そして、早速それを伝えるための本を、一冊編集しました。それが『もんだい』という絵本です。

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    この本には、ぼくがこれまで見てきた中でも最もインスパイアを受けた15人の偉人の「肖像画」と、彼らが人生をかけて問うた「もんだい」が載っています。その肖像画は、偉人の内面を奥深いところまで描くことのできる現代を代表するイラストレーターの一人、井筒啓之さんが描かれています。

    これは、ぼくが高校生の頃に読みたかった。なぜなら、この15人の肖像画を見ていると、自然と「勉強したい」という気持ちが心の奥底からむらむらと湧き上がってくるからです。
    ですから、この本は「勉強したいけどなかなかやる気が出ない」という悩みをお抱えの方にこそ、最も貢献できると自負しております。そういう人にお買い上げいただいたら、必ずやお役に立てると自信があります。

    また、12月13日に東京の青山ブックセンター本店で開かれるトークショーでも、必ず「やる気が出ない」という方々のやる気を引き出せるようなお話ができると考えております。
    そういうお悩みの方々がもしいらっしゃれば、ぜひともこの本を買っていただき、またトークショーもいらっしゃって、井筒さんとぼくのお話をお聞きいただければと思います。よろしくお願いします。

  • 台獣物語45(2,387字)

    2016-12-03 06:00
    108pt

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    第一二章「伝説のチャンピオン」

    45

     エミ子が着替えるのを待ってから、ぼくらは小屋を出た。
     エミ子もそうだけど、ぼくらはネイティブ・アメリカンの民族衣装のような服を着せられた。それはアイヌの服のようでもあった。とにかく、そういう古い民族衣装だ。
     その服は、小屋にいた女の子も着ていた。どうやらそれが、クリヤビトの一般的な格好らしい。
     小屋を出ると、すぐ前が広場のようになっていて、そこには子供も含め何人かの村人たちが行き来していた。どうやら、ここは集落の真ん中辺りにあるらしい。

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     それから、ぼくたちは北に向かって歩いた。これから行く会長の家は、この集落の北の外れにあるらしい。
     歩きながら、ぼくは前を歩く女の子に向かって尋ねた。
    「きみの名前、聞いてもいい?」
     すると彼女は、間髪を入れず「タカコよ」と答えた。「――年齢は15歳」
     すると、エミ子が目を丸くして言った。
    「私たちと一緒
  • 『この世界の片隅に』と嫉妬心について(1,836字)

    2016-12-02 06:00
    108pt

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    『この世界の片隅に』を見た。
    以下にネタバレを含みます。

    まだ1回しか見られてないなので細部まではチェックしていないが、見ながらぼくが思ったのは「ずるい映画だ」ということだ。まず主人公が広島出身で、映画の最初の方に原爆ドームの絵を描いているシーンが出てくる。戦前のまだ原爆ドームになる前の原爆ドームだ。それと、昭和12年というテロップを見て、「あ、これは原爆の話なんだ」というのが、見ている全ての人に分かる。

    そこから、カウントダウンが始まる。昭和20年8月6日に向かって、主人公の日常生活が、淡々と、しかし興味深く、山あり谷ありに描かれていく。
    これがとてもずるい。

    本来、物語において面白いのは登場人物のこういう日常描写なのである。『罪と罰』も『レ・ミゼラブル』も『ハックルベリー・フィンの冒険』も、登場人物の日常が淡々と、しかし山あり谷ありに描かれているから面白い。特に、昔の話は今とは違う文化