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  • 庭について:その75(1,655字)

    2024-04-26 06:00
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    大名庭園は徳川家康が江戸に幕府を置いたことによって始まった。

    家康は、もともと駿府(静岡市)に本拠地を置いていたが、豊臣秀吉が1590年に小田原を本拠地とする北条氏を滅ぼしたため、北条氏が管轄していた関東の土地を家康が管理しなければならなくなった。

    そこで家康は、太田道灌が1457年に築いた「江戸城」に本拠を構え、部下たちを周囲に住まわせた。そうして「大名屋敷」が、江戸城下にいくつも作られたのだ。

    ところが、後に江戸幕府が開闢し、しばらく経った1657年、明暦の大火という大火事が江戸で起こり、多くの大名屋敷が燃えてしまった。これをきっかけに、幕府は大名たちに「第二第三の屋敷」を持つことを許可した。再び火事が起きたときの避難場所として使うためだ。

    そうして、江戸城に近い屋敷を「本屋敷」、第二の屋敷を「中屋敷」、第三の屋敷を「下屋敷」と呼ぶようになった。江戸城から近い順に「上・中・下」で、下に
  • 1994:その13(1,737字)

    2024-04-25 06:00
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    1994年を語る上では1980年代がだいじになってくる。

    ところで、ぼくは1980年に12歳になり、1989年に21歳になっているから、ティーンエイジャーの青春時代を丸々80年代で費やした。そして、当時は分からなかったが、そのときも歴史は動いていたのだ。抗いがたい力が社会に作用して、人々を右往左往させていた。

    当時ティーンエイジャーだったぼくには、そういう意識は全くなかった。自分が時代の流れに翻弄されている意識すらなく、ただ毎日をがむしゃらに乗り越えようとしていた。日々をどうにか耐えしのぐことで精一杯だった。

    だから、極めて近視眼的だった。俯瞰できていなかった。メタ的な視点がなかった。自分が今どこにいて、どこに向かおうとしているのか、分からないだけではなく、そういう考え方が存在するということすら知らなかった。

    井の中の蛙とはこのことだ。周囲を壁のようなもので目隠しされているので、そこが「時
  • [Q&A]なぜ新NISAはブームになったのか?(2,163字)

    2024-04-24 06:00
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    [質問]
    noteの『これからの資産形成』という記事を読みました。「安い畑があったら買い取っておくこと」と書かれていましたが、以前から、農地(地目が田畑)が欲しいと思っても、農業従事者でないと買うことができないので仕方がなく山林を購入して自分で開拓して農地を作りました。自治体によっては空き家バンク制度で、狭いですが農地付きの家を購入する事ができます。ハックルさんは農業従事者の資格は持っていないと思われますが、何か農地を購入する手段をお持ちでしょうか? それと、もし農地をお持ちでしたら、効率的な農地の維持管理方法など知っていれば教えて下さい。

    [回答]
    実はぼくも知らなかったのですが、去年に農地法の一部が改正されて、取得条件が大幅に緩和されたんです。


    上のリンクには明記されていませんが、実は「専業農家」でなくとも、「兼業農家」あるい