今の世の中は、面白いもので溢れかえっている。エンターテインメントだらけだ。
なぜそうなったかといえば、科学の進歩で人間の「余暇」が増えたからだ。自由な時間が増えた。
これは、一見喜ばしいことのようだけれども、そうでない部分もある。というのも、人間は「暇」に耐えられないからだ。暇になると気が狂ったり、悪い時には死んだりもする。「暇」というのは、人間にとって祝福であると同時に呪いでもあるのだ。
だから、暇があるからといって単純に喜べない。暇があれば、それを「潰す」必要が出てくる。
そうして、高度経済成長期以降、日本人の暇は増えるばかりだった。それを潰す必要性から、エンターテインメント産業はどんどんと成長してきたのだ。
さらに、日本人の暇は今後も増えることが予想される。だから、エンターテインメント産業も、ますます成長が見込まれているのだ。
だとすると、ラノベの未来は明るいんじゃないか?
そんなふうに思うかも知れないが、ことはそう単純ではない。
というのも、成長産業には多くの人が群がってくる。そうして、そこで必然的に競争が起きる。競争が起きると、勝者と敗者とに色分けされる。そして敗者に組み込まれてしまうと、そのジャンルごと消えてしまう可能性があるのだ。
表現のジャンルが消えたり、消えないまでも衰退することはよくある。
例えば、「写実的な絵画」というジャンルは、消えないまでも大いに衰退した。それというのも、写真機ができたからだ。
写真機ができるまで、絵画というのは「いかに写実的に描くか」ということが勝負だった。だから、多くの画家が写実的に描くことを競い合った。そのため、写実的に描く技術が発達し、写実的な絵画の傑作がいくつも生まれた。
しかし、写真機が発明されたおかげで、写実的に描く絵の価値がうんと下がった。いくら写実的に描いても、写真機には適わなかったからだ。
そうして、写実的な絵画を求める人は減り、ジャンルとしての衰退を余儀なくされた。
「小説」という表現ジャンルも、かつてと比べると衰退の憂き目にあることは疑いようがない。
19世紀、大衆娯楽というのは演劇か小説くらいしかなかった。そのため、小説という文化はおそろしく発達した。小説の傑作というのは、だいたい19世紀に集中している。
しかしその後、エンターテインメント産業に新しいジャンルが次々と参入してくる。映画、ラジオ、音楽、テレビ、マンガ、ゲーム……。そうして小説は、今ではそれら数あるジャンルの一つに過ぎなくなった。いや、他のジャンルに比べると、不利な点がいくつも見受けられる弱小ジャンルに成り下がった。
最も不利な点は、「字を読むのが面倒くさい」ということだろう。小説というジャンルは、他のジャンルに比べると、「消費するのが手間」というハンデキャップを持っているのだ。
もう一つは、「想像力を必要とする」ということである。
例えば、SF小説で異世界を説明する時、読者は、脳内でその映像を再現する必要がある。しかしこれは、なかなか骨の折れる行為だ。
それに比べると、映画やマンガは絵を伴うので、想像がとても容易である。だから、想像力の足りない人は、どんどん映画やマンガに流れていく結果となった。
ラノベも、そういう部分を補うために、挿絵などをふんだんに盛り込むことで、読者の想像力を助けようとしてきた。しかし、この方式を押し進めると、そのうち「ではマンガでいいでは?」ということになり、ラノベの存在理由が薄くなる――というかなくなる。
だから、もしラノベ(小説)が今後も生き残っていくためには、小説独自の、他にはない面白さ、他にはない強みを前面に押し出していく必要があるのだ。
ではラノベの他にはない強みとは何か?
コメント
コメントを書く議論の必要無し
要約すると、ラノベは必要ないってことですね
わかります
この記事の必要性()
必要なのかじゃなくて、なんで必要とされているのか、を語るべきだと思うけど
一部の人間がどんなに理屈をつけて見下そうが、それなりの市場規模があってファンも多く抱えているんだから。高尚な娯楽じゃないのは読者だってわかってるだろうし、ニコニコなんざ見てる人間が趣味の高尚さを盾にするなんざお笑いだ
この記事はタイトルが悪いな
小説も漫画もラノベも好きだけど、それぞれ全然違うものだから比較する意味がわからない
ラノベを異常なほど嫌ってる奴いるけど
自然と目につくものじゃなく本は買わなきゃ読めないんだから、読まなきゃいいじゃん
まあ立ち読みは論外だが
わざわざ自分の嫌いな物に金を出して買って読んで批判って、ただ批判したいだけでしょ
本当に最終学歴が東京芸術大学美術学部建築科卒なのでしょうか?
写実的な絵画・造形と言ったものは建築といったものにこそ、今なお重宝されて衰退していないと思います。
自閉症の子の中には真に写実的に描ける子がいますが、ギフテッドと呼ばれ今なお活躍してると思われます。
そして、写真機に取って代わっているとありますが、真に写実的というのは「人間の目」で見た景色です。
写真機はその「人間の目」に近づけるために非常に多くのレンズを使ってますが、未だ理論値に達した写真機はなく日々カメラメーカー各社が進化を目指しています。そして人によって多少の目の誤差はありますから、写実的な絵画は非常に参考にされています。なので写真機が取って代わっているとは到底思えません。カメラは単純に絵画よりシャッタースピードが極端に早いだけです。(そのため他の要素を犠牲にしている)
字を読むのが面倒wwwwww
そいつは小説自体嫌いなんだろ。
好きだったら文字がいくらあろうと、書き方が気に食わなかろうと読む。
そういうもんだろ
漫画の作画は大変な手間がかかるけど、ラノベの挿絵はそこまで手間はかからないから結果として画力が安定しやすくなるんじゃないかと
そこがラノベのメリットかな?
想像が大変だから(おやくそく)があるんだよ。
時代小説が娯楽として好まれるのは、時代背景によって、
ある程度の(おやくそく)が読者に認識されているから想像しやすいんだ。
自分の頭の中の江戸の町を作品毎に使いまわしているわけ。想像力の消費を抑えられるからね。
ラノベもおんなじ、SF・ラブコメ・ファンタジーはもちろん、少し王道を外した作品でさえ(お約束)が存在する。
たとえばヒロインとかね。だから読みやすい手に取りやすい。軽い小説だもの、娯楽作品ならそんなものでしょ。
看板に偽りのある記事ですね。
筆者の推す手法として読者に想像させたものをあえて裏切るというのを発表する為の布石かもしれませんが。
小説、特に紙媒体の利点は、敷居が低いという点です。
中古を含めると一冊100円程度で購入できます。
対して、動画やゲームなどは初期費用としてそれなりにお金がかかります。
この敷居の低さは間口の広さに繋がるので一定の新規層を得やすいのではないでしょうか。