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顔面核爆弾さん のコメント

十数もの天幕が岩山の中腹に点在していた。朝げの煙があがるのを恐れてか、食事は簡素なものを取っていた。
「こっちだよ、キモオタ殿」
振り向いた先に、男の娘メイドの姿があった。
「デュフフwwwキモオタ殿はちょっとwww顔面核爆弾と呼ぶでござるwwwコポォwww」
「顔面核爆弾とか長過ぎwww じゃあ、顔弾(ガンダン)って呼ぶことにするよ。ボクはアンチフェミ介。ほら、ガンダンの分の食事を持ってきたよ」
「ガンダンとかwwwガンダムみたいでカッコイイでござるなww俺がガンダンだwwwなんちゃってwwwコポォwww」
「何言ってんだ?」
アンチフェミ介はきらめく蒼い瞳でガンダンを見つめた。キュートなフリフリレースとリボン付きの女子用スクール水着を着ており、足元はレース付きの黒ニーソに低いヒールの黒い靴をはいていて、フリル付きの黒いウェディンググローブを身に付けていた。頭には白地に黒ドット柄のリボンがついたカチューシャをしており、美しい白い肌はまるで陶器のように滑らかで、目鼻立ちはくっきりとし、その体躯は、見るからに華奢で、強く抱きしめたら折れてしまいそうな繊細さが感じられた。ふっくらとした瑞々しい唇はむしゃぶりつきたくなるほど愛らしい。
「似合ってるでしょ♡ みんな、ボクの可愛いさにメロメロだよ☆」
「オウフwwwでは拙者に君のチンポをしゃぶらせてもらうでござるwww」
「ふぇぇッッッ!」
のけぞるようにアンチフェミ介は悲鳴を上げた。
「可愛い男の子のチンポをしゃぶるのは拙者の日常でござるwww良いではないか、良いではないかwww拙者は弱者男性を救った勇者ですぞwww」
ガンダンは頬を赤く染めながらアンチフェミ介に尋ねる。
「わかったよ♡ たっぷりとボクのチンポを舐めさせてあげるからね☆」
ガンダンは起き上がって、アンチフェミ介が身に付けているスク水の股間部分に顔を持っていった。
そこはもうこんもりと肉棒の形に盛り上がっている。
スク水をずらして、アンチフェミ介はゆっくりとチンポを露出させていくと、ぼよよ〜んと彼のムスコが揺れた。
「さあ、咥えて……♡」
ガンダンは目を伏せがちに小さくうなずいて、顔を近づける。
勢いよく、はむっと硬く勃起した肉棒を頬ばった。
「んんぅwww」
ちゅぱ、じゅる、ちゅぱぁ、じゅるぅ……。
ガンダンはシワシワの玉袋に手を添え、唾液に濡れた唇でゆっくり顔をグラインドさせる。
「吸い込みが足りないよぉ〜。フェラするなら、もっと強く吸ってくれなきゃッ!」
ガンダンは丸ごと頬ばった肉棒を思いきりすすり上げた。
アンチフェミ介はガンダンの頭を鷲掴みにして揺さぶった。
じゅぷ、じぶぁ……。
じゅる、じゅる、じゅるぅ!
アンチフェミ介はガンダンの頭をよしよしと撫でた。
いきりたった肉棒は、どくどくと血管の脈動をガンダンの唇に伝える。
ガンダンの口内いっぱいにアンチフェミ介のモノが怒張している。
暖かい舌が先端をクルリクルリと優しく舐めあげ、ガンダンの指がアンチフェミ介のモノを握って動いている。唾液で濡れた唇が、アンチフェミ介のモノを圧迫しながら上下する……。
「はああああああああん……♡」
(この言葉では言い表せない未知の感覚……。ボクは今、ガンダンの口を犯しているの⁉︎)
初めて経験する男によるフェラの快感にアンチフェミ介は雄叫びをあげ、背中はゾクゾクと震えて延髄がしびれる。
「ああッ……ガンダン、しゅごい気持ちいいぉ……‼︎」
グイと、ガンダンの頭を摑んで股間に引き寄せる。興奮でパンパンに膨らんだモノを、もっともっと奥まで、しっかり押し込みたかったのだ!
「あwwwうぐッwwwあぐうう!www」
苦しそうな声を出されると、何故か、感じてしまう。つい加虐的になってしまうのは男の本能なのだろうか……。
「うぐッwwwうぷッ、あぷッwww」
アンチフェミ介の脚にしがみついて、必死にフェラしているガンダンの口はペニスで目一杯に広げられ、口内に溢れた唾液がジュプジュプとスゴイ音を立てている。
「い……いい!……もっと!」
アンチフェミ介の命令にガンダンは素直に従い、指を口を、その前後運動を、さらに早めた!
ジュプッ、ジュプッ!
ジュプッ、ジュプッ!
密着していた唇は、激しい動きでめくれ、口端から唾液がつたった。
アンチフェミ介のモノも、それを握るガンダンの指も唾液まみれになって、指を動かすヌチャヌチャという音と、口内を出入りするジュプジュプいう音が、周囲に猥褻に響いた。
「あああ、きっと、ガンダンの中もこんなで……」
「ハァハァwwwんッwwwくッ!」
興奮したアンチフェミ介は最長になったモノを根元まで一気に押し込んだ!
「あぐううううッwww」
はちきれんばかりのモノが口内いっぱいに納められ、大きく膨らんだ先端が、ガンダンの細い喉の奥深くまでグイグイとめり込んだ!
「入れたい! コレをガンダンの中に……深く、ああ、もっと深く‼︎」
太いモノを咥えこんで嬉しそうにするガンダンの頭を、きつく押さえつけた瞬間、アンチフェミ介は爆発した‼︎
「ンッ、アアアッ、ガンダーーーーンッ‼︎」
ドクッ、ドクドクドクッ‼︎‼︎
「はッ……はぁぁ……はぁはぁ……」
すぐに果ててしまったが、初めての『男』によるフェラは目眩がするほど気持ち良かった。震えるような快感に襲われて、アンチフェミ介は放心状態になっている。
ガンダンの薄い唇の端からは、アンチフェミ介の乳液が溢れてドロリと垂たれていた……。

◇◆◇

石造りの都の奥に、赤木智弘の城があった。城というより、それ自体が砦のような館だ。
GUY FAWKESとガンダン、そしてアンチフェミ介と先の戦で生き残った弱者男性たちが館の奥へと入っていく。
映画のような光景だ、とガンダンは妙に興奮して周囲を見まわした。
赤い絨毯が前方へと敷かれていて、その向こうに赤木智弘が玉座に座していた。
「よくぞ参った、GUY FAWKES殿。突然のフェミ軍による奇襲で仲間を殺され、さぞ無念であったろう。あの時は我々も助太刀することができず、遺憾に思っておる。GUY FAWKES殿とは過去の大戦の折に同盟を結んだ間柄であるしな」
赤木智弘はGUY FAWKESと並ぶほどの力を持った弱者男性三大勢力の一角だ。
「赤木智弘よ。我々と共にフェミの軍勢と戦ってほしい‼︎ 奴らと対等に渡り合うには、お主らの力が必要だ‼︎ 今こそ、魔界にいる弱者男性たちが一つに結集する時ではないか⁉︎ 我々弱者男性が左派によって奪われた自由を取り返す時ではないか⁉︎ お主らが平和主義を貫き通したい気持ちは痛いほど分かる。何故なら、我ら自身も本当は平和を心から愛しているからだ‼︎ だが左派は平和を愛する我らを奴隷にし、挙句の果てには悪者のレッテルを貼り付け、仲間を殺した‼︎ 左派は我らから『可能性』を奪っていく! 『夢』を奪っていく! 『希望』を奪っていく! 『勇気』を奪っていく! 『自信』を奪っていく! 『意思』を奪っていく! 『自由』を奪っていく! 『人生』を奪っていく! だが、それでも我らは決して『自分』を見失うことはないだろう‼︎ 何故なら、我らにはまだ『仲間』という名の≪光≫があるからだ‼︎ 我らの仲間が、まだ魔界のどこかで奴らに虐げられ、苦しめられ、殺されている。これは自身の痛み、弱者男性たちが流した血は我が身体より流れた血と同じ‼︎ この痛みを、苦しみを、闘志と変えて敵を討て‼︎ 我らは正義ではない、我らは意志で動く‼︎ 今こそ、我らが絆と誇りにかけて弱者男性の敵を駆逐しようではないか‼︎」
全身から強さと気高さを放つGUY FAWKESの姿に、ガンダンはほれぼれと見いってしまう。
一糸纏わぬ姿でありながら、全ての弱者男性を魅了するカリスマ性にガンダンも心から惹かれていったのであった。
この裸の背中を守りたい、ガンダンはそう思うようになっていた。自分のような低スペックなキモオタが、こんな風に思うのはおこがましい事なのかもしれない。それでも、この人を自分の出来る範囲で支えてあげたいとガンダンは心から強く思った。
「うむ! GUY FAWKES殿の心意気に心底感服した‼︎ 確かに、奴らの蛮行をこれ以上許すことは出来ぬ‼︎ いずれ右派左派と弱者男性の最終戦争『ハルマゲドン』が勃発するのも時間の問題だろう。だが、『マジンヒョードーG』は諸刃の剣だ。強力な武器ではあるが、使う者の精神が弱ければ、その者自身がヒョードーGに取りこまれてしまう。そうでなくとも、もしパイロットがよこしまな野望を一度でも抱いた時には、それこそ魔界だけではなく、この大宇宙が一瞬にして無に帰すほどの災厄を起こすであろう。あれは弱者男性ひとりを神の域に達しさせ得る、恐るべきものなのだ」
居合わせた弱者男性たちは、皆一様に息を呑んだ。
『マジンヒョードーG』を意のままに操れば、宇宙に存在する全てのものを滅ぼしかねないのだ。そう思うと、ガンダンはぞっとしてきた。
「ガンダンは左派や右派のような醜い心の持ち主ではないぞ。外見は醜いが、誰よりも平和を愛する優しい心を持っている。この美しい心だけが、こやつの唯一の取り柄だ。まあ、それ以外はてんでダメだがな。ふわーっはっはっはっはっはっはっ‼︎」
「この世のものとは思えないほど醜い外見だが、こやつからは確かに内に秘めた優しさを感じる。その外見で、よく歪まなかったな、ガンダンとやら。これからお前にはいろいろと世話をかけるが、よろしく頼むぞ」
そう言うと赤木智弘はにこやかに笑う。
GUY FAWKESはガンダンに目配せをすると、いつもとはちょっと違った優しい微笑みを浮かべる。思わず、ガンダンはその微笑みに頬を赤く染めて気持ち悪い笑顔を返した。

◇◆◇

不気味な音響とともに、窓の外が赤く染めあがり、衝撃が部屋を揺らす。
ドコオオオ!
「な、何事でござる⁉︎www」
寝台からずり落ちそうになって、ガンダンは叫んだ。
GUY FAWKESの方は颯爽と素早く動いた。窓から外の光景を見降ろす。
「フェミ軍を率いる序列一位の上野千鶴子の恐ろしい殺気を感じるのだ‼︎」
炎が渦となって逆巻く中央に、巨影が揺れていた。
「フェミ軍の最終兵器でござる︎www 敵の機体が襲ってきたでありますか︎wwwコポォ︎www」
弱者男性の悲鳴が辺りにこだまする。
「あれは過去の対戦において、誰も乗りこなす事が出来なかったゆえ、そのまま日の目を見る事がなかった『ジェンダーフリージングZZ』ではないか‼︎ まさか、上野千鶴子があの機体を動かすほどの力を手にしていたとは!」
ジェンダーフリージングZZ。その名を冠した機体は、炎の照りかえしのせいだけではなく、全身が光り輝いており、真っ白な美しい機体を持っていた。
全体的に丸みを帯びた体のラインは女性的で、発せられる気配はまぎれもなく神々しいが、どこか恐ろしい狂気を感じさせる。
天使を思わせる面が兜の奥で双眸を光らせている。兜自体、聖なるドラゴンが口を開いているような形で、面は開け放たれた口の辺りにあった。
弱者男性軍の『マジンヒョードーG』に比べれば小柄だが、肩の付け根から6本の腕が突き出ていて、それぞれの手には形状の異なる剣が握られている。さらに、がっしりと大地を踏みしめる太く長い脚が、戦闘能力において、『マジンヒョードーG』の機体に劣らない事を表していた。
「出てこい! 弱者男性軍の機体よ。この上野千鶴子の駆る『ジェンダーフリージングZZ』が一刀のもとに斬り伏せてくれるわ‼︎」
コクピットの中で上野千鶴子は不気味に笑う。ここで勝てば、誰よりもリベラル君に深く愛してもらえる。
ジェンダーフリージングZZはふいに後方へ跳んだ。その眼前を巨大な岩が落下する。
「赤木軍か。味な真似を……」
空をいく赤木軍の編隊を指揮しているのは、アンチフェミ介だ。
上野千鶴子はジェンダーフリージングZZの腕に精神を集中させた。すると、ジェンダーフリージングZZの上方にある二本の腕が天を向く。手に握られた剣に黄金の光輝が満ち始めた。ヴ、ヴヴヴと、エネルギーが集中していく音が近くの建物をも震動させる。
轟音とともに、黄金の雷撃が宙を裂いた。光り輝くエネルギー波に呑みこまれる前に、赤木軍は急いで全員退却した。
「なんて機体なんだ! 飛び道具を持ってるなんてッ⁉︎」
愕然として、アンチフェミ介は一瞬にして焼き尽くされた空間から離れると、赤木軍を指揮し、彼らを引き連れて宙を旋回する。
「ふふん、まだ挑む気かい」
上野千鶴子は不敵に笑う。
「ガンダン、相手は危険過ぎて誰も手をつけれなかった『ジェンダーフリージングZZ』だ‼︎ ヒョードーGの力でも勝てるとは限らんぞッ‼︎」
窓の外に『ジェンダーフリージングZZ』の姿を認めて走り出そうとしたガンダンに、GUY FAWKESは怒鳴った。
「確かに勝てないかもしれんですな︎wwwでも、今は行動に移す時ですぞ︎www弱者男性たちが全員撤退するまでの時間を拙者が稼ぐでござる︎wwwその間にGUY FAWKES殿は全員に撤退命令を出すでありんすwwwコポォ」
再び『ジェンダーフリージングZZ』が剣を天に掲げ、エネルギーを蓄えようとする。
ところが、上野千鶴子の顔に影が落ちた。眼前に、ジェンダーフリージングZZに引けをとらない大きな暗黒の巨人が立ちはだかっていた。魔界の最終兵器『マジンヒョードーG』だ。
「来たか。弱者男性軍の最終兵器!」
「絶対に仲間は誰一人として死なせないッ‼︎」
コクピットの中でガンダンは叫んだ。だが初めての機体同士の戦いを前に、心は震え、しかも、機体の動きが重い。
ただでさえガンダンは人一倍体力がなく、尚且つ今は体力が十分に回復されていないため、足を一歩踏み出すだけでも、額に汗を浮かばせるほどの労力だった。
ジェンダーフリージングZZが動くと同時に、6本の剣がそれぞれ違う生き物のように、別々の角度からヒョードーGに降りかかってきた。
「ふぇッ!……」
ガンダンはヒョードーGを後退させる。しかし完全には逃げだせず、二本の剣に胸部を叩かれてしまう。
「ガンダンッ‼︎」
窓からGUY FAWKESが身を乗り出していた。やはり止めるべきだった、と慙愧の念に駆られてその場を動けなかった。
「どうした、どうした? 弱者男性軍の機体よ、貴様の実力はその程度か? それだけの力でよくもまあ『リベラル』に刃向かおうなどと愚かな蛮行に至ったなあ。貴様のような下品で下劣、無知無能、愚昧にて愚鈍な愚者は我が剣の錆にしてくれるわッ‼︎」
上野千鶴子の残忍な笑いがガンダンの耳を突き抜ける。
ガンダンは激震に揺らぐ頭を振り、なんとか正常な意識を保とうとした。ボクサーがかかるドランカー症状に似ている。脳の揺れが体の動作に異常をきたすのだ。
さらに迫り来る敵に距離を詰められ、6本の剣が叩きつけられていく。装甲の一部分が弾け飛び、ガンダンは機体を徐々に退かせていった。
「‼︎」
GUY FAWKESの視界に、ヒョードーGの背中が大きく映った。二機の究極ロボットはGUY FAWKESの所に近づいている。それでもGUY FAWKESはその場を動かなかった。
「弱者男性たちを全員無事撤退させた‼︎ だが、我はここから一歩も動かん‼︎ ガンダンよ、お前の戦いは最後までこの大司教GUY FAWKESが見届けよう‼︎」
剣の一撃が頭部をかすめ、ヒョードーGの膝が地面に折れる。
膝立ちになった暗黒の巨人に、ジェンダーフリージングZZの背筋も凍るような凶々しい邪悪なオーラが迫る。
剣を振り上げ、刀身に黄金の雷撃を生じさせる。
「ガンダーーーーンッ‼︎」
その瞬間、GUY FAWKESの声がガンダンの脳髄を叩いていた。はっ、と我に返り、ガンダンは後ろを振りかえる。そこには、小さくGUY FAWKESの姿が見えた。
「オウフwwwGUY FAWKES殿⁉︎wwwまだ逃げてなかったでありますか!」
すかさずガンダンは全身に力を集中させた。ほとんど残り火のように消えかけていた命の灯火が、ガンダンの、ヒョードーGの四肢を駆け巡る。
相手の雷撃は、ついに剣の切っ先まで達していた。間に合わないか、とガンダンが半ば死の覚悟を決めた時、ジェンダーフリージングZZの機体が揺らぎ、刀身に疾っていた黄金の光輝が消え失せる。
「ガンダン、何してるの⁉︎ 早く立ち上がらなきゃ‼︎」
声のする方を見ると、歩行型カタパルトを操作しているアンチフェミ介の姿があった。空中を赤木智弘率いる弱者男性軍が旋回して、ジェンダーフリージングZZの動きをしばし封じる。
「おのれ、こうるさい非モテどもが‼︎」
歯を嚙み合わせた上野千鶴子は、剣をひと振りさせて弱者男性軍を追い払った。それからヒョードーGに目を転じる。
「今ここで倒れるわけにはいかんでありますなwww拙者のために逃げずに戦ってくれている弱者男性を守るでござるwww」
ガンダンは、ヒョードーGが必死に戦うことを祈った。その瞬間、清涼な力が四肢にみなぎってくるのを感じた。
「これは⁉︎」
ガンダンと上野千鶴子は同時に声をあげていた。
関節のきしむ音を周囲に響かせながら、暗黒の巨人が立ち上がる。
「愛する仲間の眼差しが倒れるたび、傷つくたびに拙者を強くするでござるwwwさあ、お遊びはここまでですぞwwwフォカヌポウwww」
腰の剣を抜いたかと思うと、もう一方の腕でジェンダーフリージングZZの肩をがっちりつかんだ。
「え〜い、離せ! 愚か者めが我が機体に触れるでない‼︎」
もがこうとする上野千鶴子を、ガンダンは離さなかった。
無造作に振りあげられた6本の剣が、ヒョードーGの肩や腕を傷つける。が、体の端々を襲う衝撃に耐えて、ガンダンはジェンダーフリージングZZに隙が生じるのを待った。
「フェミ軍の長よwww今までお前たちに理不尽に殺され、辱められ、虐げられ、奴隷にされてきた弱者男性たちからの報復を受けるがいいですぞwww」
「お願いッ‼︎ どうか命だけは助けて‼︎ 私も好きで殺ったわけじゃないの! 『男社会』の価値観に洗脳されて仕方なくやらされていただけなの! ねえ、助けてあげたら何でもしてあげるから♡ だから、お願い許してぇ〜♡」
「この外道め! この期に及んで
男社会などというありもしないファンタジーに全ての責任を押し付けることで被害者を装い、弱者男性を加害者に仕立て上げる気だな‼︎ 拙者は全てを無に帰すほどの破壊的な悪魔の力を手にした……。だが、心まで『悪魔』にはならなかった‼︎ だが貴様は弱者の味方を標榜しておきながら、誰よりも『悪魔』に! 『悪魔』になったんだぞ‼︎ フェミのような畜生に生きる価値はない! 上野千鶴子よ、お前はケダモノ以下だ‼︎」
「いや……たすけ……たしゅけて……ごめんなちゃい……」
上野千鶴子は泣きべそをかきながら、恐怖のあまりその場でオシッコをもらしてしまう。
「お前らはそうやって命乞いをする弱者男性たちを何人殺してきたんだろう? 何人の弱者男性たちが命乞いをしながら無惨に死んでいったんだろう? きっと辛かったろうな……苦しかったろうな……。お前は自分たちが殺してきた弱者男性の事など、これっぽっちも思っていない。ならば、その命……もういらないでござるな?www」
「イヤァァァァァァァァァッ、死にたくないよォォォ‼︎ イヤだ‼︎ イヤだ‼︎ もっと生きて、イケメンとセックスして、たらふく美味いモノ食べて、悠々自適な暮らしがしたいよォォォ‼︎ リベラル様お助けェェェ‼︎」
「ウオオオオオオオオオオオオ‼︎」
ガンダンの咆哮は一筋の矢となり、鋼鉄の剣が隣接するジェンダーフリージングZZの胸部を疾り抜けた。
ジェンダーフリージングZZの胸から漆黒の炎が噴き上がる。
上野千鶴子の金切り声がガンダンの耳を一直線に貫いた時、愚かなる真っ白な鉄屑はマジンヒョードーGの足もとに崩れ落ちていった。

第一部完
第ニ部に続く……かもしれない
No.9
87ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
 さて、『ダンガンロンパ』です。  ファンの期待を受け、満を持して本年の初めに発売された新作ですが、その評価は大いに荒れております。  Amazonのレビューは目下のところ554なのですが、星1つが197。星5つが113ですから「賛否両論」とは言え、いかにファンの失意や怒りが大きいかわかります。  そんなわけで以下、ネタバレを含み簡単に経緯を記したいと思いますので、知りたくない方はご覧になりませんよう。  後、ヒット数を稼ぐため、○○師匠を彷彿とさせるセンスのない週刊誌のリード文風タイトルをつけてみましたが、いかがでしょうか? *     *     *  ――ちょっとネタバレの前に前フリを入れましょう。  同人誌文化華やかなりし頃――『エヴァ』放映時だったでしょうか。と言っても今がどんな感じなのか、とんと疎くなってしまい、わからないのですが――「ジジイ落ち」というのが流行っていました。ぼく自身はそこまで見た記憶はないのですが、当時の評論系同人誌でそれについてのコラムを書いている人物がいました。  エロシーンのクライマックス、美少女キャラのあられもない姿が大ゴマで描かれた一番の見せ場を読みつつ、更なる刺激を期待してページをめくると、そこにはクッソ汚いジジイのどアップが描かれている。或いは、痩せこけた飢餓地帯の子供の絵が描かれている。で、読者に冷や水を浴びせるような一言を放つ。後者であれば「君たちが無為にオナニーしている間も、世界には食べ物もなく死んでいく者たちがいるのだ、云々」など。  その同人作家氏は、これを以下のように評しました。  この落ちを一番最初にやった者はよい。先進性も批評性もあった。それなりの気概を持って描かれたのだろう。しかし、それを真似た者には、それらは全くない。単なる悪趣味な嫌がらせをやっているだけだ。  記憶で書いてるので、ぼく自身の考えも混じっているかも知れませんが、そんな主旨でした。そして、ぼくはこれに全面的に同意します――いえ、むしろ一番最初にやった者にすら、 評価すべき批評性などない と、ぼくは考えます。  これを理解するにはいくつか押さえておくべきポイントがあるでしょうが、一番大きい理由としては、当時のエロ同人作家がオタク界の花形であり、ワイドショーのコメンテーター的「ご意見番」といったスタンスにいたことが挙げられるように思います。何しろネットもそこまで普及していない時代ですし、ぼくたちは同人誌を買うと共に、フリートークページに書かれた作者のアニメ評などを貪り読んでおりました。要は彼らは「エラかった」のです。  こうしたことが許されていた背景には同人誌が「趣味だから」「商売じゃないから」といった認識があったからですが(今はもっと商業化されているでしょう)、それ以上にとにもかくにもこの業界は「クリエイター様エラい主義」が非常に濃厚で、同人作家って何やったっていいと思われていたのです、当時は。  更に、そうした心理的土壌の深層には「オタクの、オタクへの憎悪」がありました。  当時はオタクの社会的地位がほとんど士農工商エタ非人申酉戌亥の、更にその下くらいに設定されておりました。近年、オタク文化が市民権を得たおかげでぼくたちは逆説的に「オタクは差別されている!」と団結するようになりましたが、当時はあまりにも地位が低いために、お互いにお互いを憎み、呪いあうことで精神の安定を得ていたのです。当時の同人誌即売会のパンフには「オタクは人間に最も近い動物なり」などと書いていた人物もおりました。そう、そもそもこの「オタクのオタクヘイト」は 上に立つ業界人連中がそそのかしていたのです 。  もちろん、エロ同人誌の売り手の気持ちを想像した時、心情はわからないでもありません。血眼で自らのエロ同人誌を求めるオタクたちを見るとどうしても、「醜い」と感じてしまう。それは無理からぬというか、当たり前のことではありましょう。  しかしそもそも最初にエロ同人誌を(他人様のキャラ人気に乗っかって)描いたのは自分です。彼ら自身が誰よりもエロ漫画に自らのリビドーをぶつけていたはずなのですが、いざそれを客観視してしまうと(漫画を描く時にもそんな自分を客観視しておいてほしかったものですが)嫌悪感を感じてしまうのでしょう。  結果、彼らは他人様のキャラ人気にあやかったエロ同人誌で稼ぐ俺様はエラいエラいクリエイター様、買う者はゴミのようなオタクどもなので 何をしてもよい 、という自意識を発達させてしまったのです(し、その弊害は今も残っているように思われます)。  ――とまあ、大体言いたいことは言っちゃいました。  上の話が本件とどう関わるのかというと、(というわけで以下からネタバレですが)本作、最終章のチャプター6で黒幕が登場し、「お前たちはゲームキャラだ」と言ってしまうのです。  メタネタです。  もっとも、今回、キャラクターたちの人形が糸で釣られているといった、それを匂わせる演出が繰り返され、ぼくも当初から「黒幕はスタッフたちそのものでは」と予測をしていました。  が、それは半分当たり、半分外れといった感じです。  この『V3』の世界では『ダンガンロンパ』というコンテンツが大人気。『1』や『2』もこの『V3』世界ではゲームとして消費されています。主人公たちにコロシアイを強いていた黒幕の正体は「チームダンガンロンパ」のスタッフたちだったのですが、そのスタッフ以上に、彼らへと作品を求める、『ダンガンロンパ』の熱心なファンたちの声の方が前面に出てきているのです。  主人公たちはしかし、そんな連中の見世物になるためにコロシアイをさせられていた事実に憤り、「ゲームを終結させる」「『ダンガンロンパ』そのものを否定する」ことを決意します。決死の覚悟で学級裁判そのものを放棄、学園を破壊、そんで、何か九死に一生を得て「ぼくらの戦いはこれからだ!」でエンド。いや、最後はどうだったか忘れちゃいましたが、 何かそんな感じだったと思います 。  このメタネタ、それほど斬新でもありません。 『勇者特急マイトガイン』の最終回でも、「主人公たちがこの作品世界がフィクションだと気づく」落ちをやっていました。悪の大首領は「オモチャを売りたい玩具メーカー」であるとの暗示がなされ、スタッフたちのホンネが透けて見えました。  そう、この種のネタってクリエイターなら誰しもがやりたくなるものなのでしょうが、なかなかスマートにまとまりません。  本作においてはそれが顕著で、『ダンガンロンパ』ファンたちがモニタに現れ、ニコ動的演出で、コロシアイを止めさせようとするキャラクターたちを延々と罵ります。「もっと楽しませろ、今までどれだけのカネを落としてきたと思っているんだ」と。  そもそも先にフィクションと書きましたが、本作の主人公たちは生身の人間です。「チームダンガンロンパ」は生身の人間の出演者を募って(或いは拉致して? 描写が曖昧で判然としません)コロシアイに参加させています。生身の人間でありながら、その記憶をリセットし、捏造された疑似記憶を植えつけることで、フィクショナルなキャラに仕立て上げ、フィクショナルな舞台の中で役割を演じさせている、ということのようです。それを視聴者たちは見物して楽しんでいる。視聴者たちも出演者たちも、そのコロシアイを「ゲームだと思って」視聴し、出演を志望しているのだろうけれども、そこも詳述されず、判然としない。  そうした非現実的な、しかもあやふやな状況を仮想して、「お前たちファンはコロシアイを楽しんでいる悪しき存在だ」と糾弾されても、困惑するしかありません。それこそ非実在の少女に対する性的虐待を批判されるようなものです *1 。  そのくせ、一体全体どういうわけかスタッフはそうした責から完全に免れている。スタッフは超越的な黒幕、ファンは主人公たちを口汚く罵る醜い存在と、役割がくっきりと分かれているのです *2 。アニメ版『3』で 愚かしい、節度を失った残酷描写 でブーイングを受けたのはスタッフ側だろうに。  これでは「事実関係を捏造により入れ替え、相手を罪に陥れた」ようにしか見えません。  上にニコ動と書きましたが、仮に本作が十年前に作られていればここの演出は間違いなく2ちゃんねるのアンチスレとして表現されていたはずで、一言で言えばこれらはファンへのぼやき、『ダンロン』を作りたくないというグチという、一番やっちゃいけないモノにしか、ぼくには見えませんでした。  何しろ、黒幕は歴代作のキャラクターたちに次々と変身し、その口から旧作を否定する台詞を吐いてみせるのです。あたかも、『ダンガンロンパ』そのものを完全に葬りたいとでも思っているかのように。ご丁寧なことに旧作の声優が全てのキャラたちの台詞を新録しています。ぼくはこれは恐らく、ミニゲームの台詞収録のついでだったのだろうと考えることで何とか自分を納得させていたのですが、プレイしてみると ミニゲームの方に新録はない模様 。  スタッフたちは、ファンに深い憎悪を抱いているかのようです。  そう、それはまるで、自分のエロリビドーをぶつけた漫画をカネに換えているのは自分なのに、読者にお説教をする、エラいエラいエロ同人誌作家サマのように。ネットで叩かれたので、それを劇場版『エヴァ』で大人げなく晒し上げた庵野のように。 *1 また、この作品世界では「世の中が平和で退屈なため」に娯楽としてのコロシアイが求められているとされます。それは不景気な世の中での逆説的な癒しとしてデスゲーム物が流行っている現状とは全くの裏腹で、これもまた奇妙な設定です。 *2 Amazonのレビューで痛烈に皮肉っている人が いました 。この人ほどはっちゃけないまでも、「実はチームダンガンロンパは人間の心を荒廃させるゲームを制作することで世界征服を企む悪の組織」とか、そんな風にした方がよかったんじゃないでしょうか。  当ブログでは、今まで繰り返し、『ダンガンロンパ』について語ってきました *3 。  それは本シリーズが極めて優れた「女災批判ゲーム」であったからです。  ですが、今回は作品が「女災」そのものとなってしまいました。 「女災」とは女性ジェンダーによる災害、もう少し詳しく言うなら「被害者ぶることによる加害」です。  いえ、確かに『ダンガンロンパ』のスタッフはほとんど男性でしょう。そしてまた「クリエイター」と「消費者」という関係性を男女ジェンダーのアナロジーとして考えた時(受け/責めで考えた時)、「クリエイター」が必ずしも女性的とは言えないとは思いますが、少なくとも本作において、全てをファンに押しつけ、一切の責から免れていたのはスタッフの側です。  そしてまたお約束の(という気がするわりに、じゃあこの種の演出がなされた作品が他にあるかとなると、ぱっとは出て来ませんが)ニコ動のコメント的にファンの罵声が流れる演出を見ていると、何だか旧来の大メディアがネット世論に怯え、敵意を剥き出しにする様、フェミニストが「ネットの女叩き」に憤ってみせる様と被って見えます。  ネットなどで大衆が発信できるようになった状況に「我らのアドバンテージが失われる」との危機感から描かれた本作は、言わば「弱者男性に対するフェミニストの悪辣な攻撃」、「貧困層であるネトウヨに対するリベラル様の汚物は消毒だ行為」と「完全に一致」していると言えるでしょう。  そう、『ダンガンロンパ』は今回、自爆芸をもって 「彼ら彼女ら」の醜さを描破しきってしまった のです。 *3「 これからは喪女がモテる? 『ダンガンロンパ』の先進性に学べ! 」 「 被害者性と加害者性の微妙な関係? 『スーパーダンガンロンパ2』の先進性に学べ! 」 「 これからの女子キャラクター造形はこうなる? 『ダンガンロンパ』の先進性に学べ! 」 「 弱者性と強者性は転倒する? 『絶対絶望少女』の先進性に学べ! 」  本作では「ギフテッド制度」という設定が語られます。超高校級の才能を持った少年少女たちが集められ、コロシアイを強要される、というのが『ダンガンロンパ』のお約束ですが、本作においては「超高校級」たちは「ギフテッド制度」により奨励金や選挙権・被選挙権といった、さまざまな特権が与えられるとされているのです。  この「ギフテッド」自体が「先天的な天才」とでもいった意味であり、「才能」自体が『ダンガンロンパ』のテーマとして選ばれていました。『絶対絶望少女』では「与えられざる者」の甘えを喝破するシーンが描かれましたし、また「才能を持つ者は同時に才能に縛られる」といったテーマが語られたこともあったと思います(どこでだったかは忘れちゃいましたが)。  が、この「ギフテッド制度」という言葉、第一章で語られたのみで早々に打ち棄てられ、 以降は出て来ません 。実はこれも意図的な演出で、彼らは以下のように言いたかったのです。  我々は「与えられし者」である「クリエイター」だ。しかしながらそれ故に背負っているはずのノブレス・オブリージュなど履行する気はさらさらない。利だけを得て、後は「受け」としての無責任さを十全に味わうつもりだ。  そう、本作は『絶対絶望少女』などで描かれた崇高な精神を敢えて打ち捨て、(わざわざ導入した新設定を全く無視することで、確信犯的に打ち捨てる様をファンに見せつけ)「女災」の醜さを自ら演じることで、批判したゲームであったのです。  先の「ジジイ落ち」に立ち戻るならば、やはり一昔前のオタク界はそうした自由な気風があり、だからこそ先鋭的な表現が生まれたことも事実です。  翻って現代のオタク作品は商品として落ち着きすぎている。ファンもクリエイターを自分たちを満足させる商品を生み出す役割を担った芸者だと捉えているフシがある。  ぼくもそれがいい傾向だとは、全く思いません。  エロゲーやラノベの惨憺たる現状は、そのような風潮が生んだものだと言えます。  だから、本作についてはそこに牙を剥く気概ある意欲作であったのだと評することも、できるとは思います。  しかしそれでも、オタクへの憎悪を根源にした、左派のまた別な目的意識をもって主張される、「クリエイター様エラい主義」が正しいとはどうしても思えません(時々書きますが、岡田斗司夫や大塚英志が叩かれるのはそうしたクリエイター様エラい主義を相対化しようとしたからなんですね)。 『V3』の主人公たちが否定し、終結させた『ダンガンロンパ』はこれからどうなるのでしょう。  先にスタッフがやる気を失っていると書きましたが、同時に作品に対する愛情が全くないわけでもないでしょう(例えば藤子Fだってまさに「才能に縛られ」、延々と『ドラえもん』を描いていました。本人の中には『ドラえもん』以外の作を描きたい/『ドラえもん』を極めたいというアンビバレントな気持ちが共存していたのではないでしょうか)。  また、単純に商売として、ヒット作を簡単に終結させるとは、考えにくい。  だからまた次回作が出ることは充分に考えられますが、一方、或いはファンが本作で愛想を尽かして、作品の寿命があっさりと尽きることも充分に考えられる。  本作は「クリエイターが勝つか、ファンが勝つか」の勝負、リアル世界を舞台にした クリエイターとファンの壮大な「コロシアイ」実験 でした。  そしてその結果を、ぼくは予言します。  よくも悪くも、もう「クリエイター様マンセーの時代」は終わっている。  それは丁度、ぼくたちが「女災」についての認識を深めつつあるのと、全く同じ理由で。 『ダンガンロンパ』の息の根が完全に止まることはないでしょうが、次は「エッジさを失った、各方面のご意見を聞いたお利口さんなコロシアイ」が開始されるのではないでしょうか。  楽しみに、待ちましょう。
兵頭新児の女災対策的随想
「女災」とは「女性災害」の略。

男性と女性のジェンダーバイアスを原因とする、男性が女性から被る諸々の被害をこう表現します。



このブログでは女性災害に対する防災対策的論評を行っていきたいと思います。