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いやもうただ感嘆するしかない今の朝ドラ「ひよっこ」。何を感嘆って、何から何まで朝ドラの王道じゃないですか。
なるべく情報仕入れないで見てるので、間違ってたらすいません。今回は久々にオリジナルなんですよね?
朝ドラ、ウイスキーのまっさんとかモデルがあれば、見ごたえあるストーリーにしやすいですが、オリジナルはやっかいです。退屈にならないように突拍子もないストーリー展開になりがちで、視聴者がついていけなくて失敗というパターン。最近だとうまくいったの「あまちゃん」くらいじゃないでしょうか? 記憶で書いてますけど。
そんな中、今回は完全に開き直って、直球真ん中ストレート。しかもそこまでやるかという。
・ヒロインは「あまちゃん」で不動の昭和的女優にのし上がった有村架純。やっぱり昔のキョンキョンに似ていて、ふと「キョンキョン?」と思うこと数知れません。
・そして長女。いつも長女ってわけじゃないですけど、「トト姉ちゃん」でやったばっかりじゃないか!
・親友は女優志望。それに惚れる男子キャラ。「あまちゃん」・・・。そういえばのんさん大復活おめでとうございます。しっかり NHK に出てたときはほっこりしました。
・父親失踪。父親か母親どっちか死ぬかいなくなるかですよね。しかも、今回は死角なしの完璧な父親。大泉洋の「まれ」ダメ親父とか、私は好きでしたけど、あんな変化球ではありません。
・そしてもちろん上京。いくら情報仕入れなくても、もう上京待ったなしなのは分かります。「トト姉ちゃん」でやったばっかりじゃないか!
・洋食屋「赤坂すずふり亭」。「とと姉ちゃん」の「キッチン森田屋」、「ごちそうさん」の「開明軒」、「べっぴん」の「レリビィ」・・はちょっと違うか(苦笑
・そして「赤坂すずふり亭」の中で待ち構える宮本信子。朝ドラどんだけ出てんねんw
マネリすぎやろ!ってそっぽ向かれる危険もなんのその、ここまで直球にこだわるのは、自信の現れです。
とにかくどっかで見たような場面ばかりなのに、役者の演技で魅せる、魅せる。木村佳乃の
そしてテーマを「都会 VS 地方」に絞る。理由なく失踪するわけがない父親とでもそれをよくあることと片付ける都会。洋食屋の人たちはその反対。東京の建設ラッシュを支えたのは地方の
村をあげてやった聖火リレーをどこか嫌味に紹介する都会のテレビ。地方にスポットを当てるのは、「あまちゃん」「まれ」とよくある話ですが、今回はとにかく真正面からぶつかってきている感じです。
最近、「まれ」でブレイクした土屋太鳳さんが中高生向け恋愛映画でひっぱりだこということを知りました。
中高生向け恋愛映画、似たような設定&顔ぶれなのにヒットするのはなぜ? | THE PAGE
歌舞伎や宝塚もそうですけど、型があれば、それにどっぷり乗って、そこから先で楽しんでもらうという作戦なのでしょう。
持続的なコンテンツが手に入れた型。それがまた持続力を強化するという好循環です。
朝ドラはよく実験的な作品を投入します。「純と愛」みたいに大失敗するものもあれば、「あまちゃん」のように大成功するものもあります。持続するための挑戦なんだと思います。
でも、一方で、今回ここまでド直球な、言葉を変えればマンネリ設定なオリジナル朝ドラはちょっと記憶にありません。「梅ちゃん先生」もここまで赤裸々ではなかった気が。
一応のリスク回避か、懐かしい映像をふんだんに使って団塊世代に媚びてますが、もう後はひたすら実直なストーリーと演技で魅せるつもりなのでしょう。無難にしようという意図は感じられません。明らかに今の「一極集中」を風刺しようという意気込みは感じられ、むしろ攻めるために設定は普通にしているように見えます。
ちなみに私はまだ生まれたばかりで「インド人もびっくり」とかに始まるネタたちは知ってる程度なんです。私はターゲットではないらしい(苦笑
朝ドラは持続的なコンテンツで、私まもう文化だと思っていますから、毎作どうやって、その持続力を維持しようとしているのかは気になります。
今回この直球設定で、どこまで国民を泣かせるのか興味津々です。
《ワンポイントミライ》(?)
ミライ: 木村佳乃さんすごかったですね。
私は、私は出稼ぎ労働者を一人探してくれと頼んでいるんではありません。ちゃんと名前があります。茨城の奥茨城村で生まれて育った谷田部実という人間を探してくださいとお願いしてます。あそこに行くまでのたった一人で東京に出て飲み込まれそうになっているシーンの後だったのでひときわ印象的でした。
フツクロウ: あの強さを持ちたいもんじゃの。
ミライ: はい。きっと有村架純さんもその強さを見せていくのが見所なんでしょうね。
フツクロウ: ホッホ、そうじゃな。
ミライ: あと! テレビの真似をする弟君の熱演も光りますね。
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