未来の基盤である多様性はロングテール構造ができて初めて開花します。ロングテールを制するものは未来を制す。久々にロングテールネタです。

 先日紹介した47mapsがおもしろいなーと思ってまた弄ろう思い、その準備に平成22年国勢調査(総務省統計局)都道府県・市区町村別主要統計表で、各市区町村の人口やら人口密度やらを弄り始めたのですが、そこでふと思いました。
 普通人口密度で考えるけど、逆にしたら面白くね?
 つまり、一人あたりの面積を考えるのです。(市区町村の面積)÷(市区町村の人口)。過疎に行くほど、大きくなる数字です。

 もっとも広いところは、人口636人、面積390平方キロメートルの福島県檜枝岐村で、一人あたり61万平方メートル。

 もっとも狭いところは、人口890万人、面積621平方キロメートルの東京都特別区部で、一人あたり70平方メートル。8700倍もの差があります。

 で、これを広い方から順に全国民に並んでもらったとして、その面積をプロットしたのがこちら。
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べらぼうに広いところに住んでいる人はごくわずかで、大部分の人はせま〜〜いところに住んでいるという、ロングテールっぽいグラフができあがります。

 これだと本当にロングテールかどうかわからないので、両軸を1, 10, 100, 1000... という対数軸に取るとこうなります。
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 なだらかに右下に落ちていく、なかなかロングテールらしい曲線です。

 できたのはまだここまでで、どれくらいロングテールなのかとか詳しくは解析できてないのですが、ロングテールであることは間違いなさそうです。

 たとえば、ニコニコ動画の再生数というのもロングテールで、それは「わずかな再生数の動画が無数にある」からロングテールになります。アマゾンなら「わずかしか売れない商品が無数にある」です。
 今回の例で言えば、「狭いところに住んでいる人が無数にいる」わけで、言われてみれば当然ロングテールになる事例と言えます。

 きっと世界中様々な国で同じようなロングテールの分布が得られると思いますが、それらの分布を解析することで、より都市に集中しがちか、結構広がっているのかを評価できそうです。

 このきっかけになった

 「日本の人口分布って、どこまで偏ってるの?」の地図が簡単に作れた件  #blomaga
 
では、
日本では全人口の98%が国土の75%に広がっているのに対し、オーストラリアでは国土の25%に集中してるということになります。ちょうど反対という面白い結果になりました。
という結果が得られていますので、オーストラリアの方がより都市に集中しがちと言えそうですが、その度合いをロングテール分布の傾向を調べることでより詳細に把握できるわけです。

 各国のデータ欲しいなぁ。

 ちなみに、これに近い話題は以前取り上げたことがあります。

 ロングテールの、ほとんど知られていない、しかしもっとも重要な性質(その2)~ロングじゃないテールの例~ 

 そう、わざわざ「ロングテールじゃない」例として取り上げたもので、