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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「僕らの中にある「人を見下げる喜び」のメカニズム」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「僕らの中にある「人を見下げる喜び」のメカニズム」

2018-02-26 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/02/26

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2018/02/18配信「シャーデンフロイデの謎とサイコパスのススメ!」の内容をご紹介します。
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    2018/02/18の内容一覧

    サンクションへの欲望 ざまあみろの心理学

     これは、日本ではもう放映されない番組なんですけども、『To Catch a Predator(プレデターを捕まえろ)』という、アメリカのNBCの番組があります。もう終わっちゃった、過激なドッキリみたいな番組なんですけども。
     どういう番組かというと、未成年の少年少女を引っかけようとする性犯罪者を、逆に引っかけるというドッキリ番組なんですね。SNSで少年や少女に近づき、それ目的で言葉巧みに会おうとする大人を捕まえてやろうという内容です。

     まず、スタッフが、成人のモデルとか俳優の中から、とりあえず若く見えるヤツを探してくるわけです。
     そいつが「13歳だ」とか「14歳だ」というふうに自称して、SNSに登録して、「ちょっと寂しいの」とか、「家出したいわ」みたいな投稿をバンバン上げるわけですね。
     そして、それに食いついてきた男たちがいたら、やり取りというのを繰り返して、相手の誘うままに会う約束をするんです。いわゆる、ロンドンブーツが昔やってた「ブラックメール」みたいな内容です。
     ターゲットは、実際のメールのやり取りからノコノコと会いに来るところまで、一部始終を隠しカメラで撮られてるわけですね。すると、13、4歳に見えるけど、実は成人している俳優さんとかが出迎えて、もう、ワクワク感は頂点になるんです。
     でも、その女の子とか男の子がちょっと場を外した瞬間に、クリス・ハンセンという司会者が現れて、「ここで何をするつもりだったんですか?」って問い詰めるんですね(笑)。
     ターゲットは、もう、一生懸命言い訳するんですけど、「じゃあ、なぜあなたはコンドームを持ってるんですか?」とか、「彼女は13歳だって言ってましたよね?」とか、「あなたはそれを知ってたわけですよね?」というふうに、どんどん追い詰めるんです。
     すると、相手はパニックになって、そこにカメラを構えたクルーが山ほど現れて、ライトで照らされて、たまらず外へ逃げると、あらかじめテレビ局が通報していた警官が待っていて、その場で逮捕されるという。アメリカでは、そんな番組を毎週毎週やってたんですね(笑)。

     司会者のクリス・ハンセンは、「子供たちを犯罪から守るヒーロー」として祭り上げられて、講演会とかで大儲けして、一躍スターになったんですよ。
     ところが、2008年にテキサス州で、州の検事が引っかかっちゃったんですね。
     だからといって、別に検事だからと言う理由で逃れたりということではないんです。クリス・ハンセンが現れて、問い詰められた瞬間に、その検事は自分の部屋にパッと入って、中で拳銃自殺しちゃったんですよ。そして、彼が拳銃自殺をしたことによって、その検事の家族が「あの人は、まだ犯罪を犯していないにも関わらず、あなた達は彼を拳銃自殺するように追い込んだ!」と訴えたんです。
     結果、「犯罪者に対して罰があるのは当たり前なんだけども、この場合は、犯罪を「しようとしていた」段階であって、まだ犯罪者でない。そういう人に対して、自殺するくらい追い込むようなことをしていいのか?」という大論争になって、結局この番組は打ち切りになってしまったんですね。

     これはいわゆる「ネット上の吊し上げ」みたいなものなんですけども、こんな事件があるまで、アメリカの国民というのは、この番組を大喜びで見てたんですよ。

    (中略)

     つまり、この『To Catch a Predator』という番組について、「面白そうだ」とか「いいぞ! やれ!」というゲスな感情はあるんだけど、同時に「これでいいのか?」という疑問点も、必ずあるじゃないですか。
     だけど、実は大半のアメリカ人は、そこのところにあまり頓着がない。
     それはなぜかというと、西洋文化というか、キリスト教文化、まあ、アメリカ文化なのかわからないですけど、人を正義と悪とに単純に分けてしまう考え方が強くあるからなんですね。
     だから、「この世の中には正義というものがある = この世の中には悪というのがある。100%の正義、100%の悪というのは存在するから、絶対に許せないヤツというのがいてもいいんだ!」という価値観をもってしまうし、「子供相手に性犯罪をしようとする連中は、その段階で、もう一生涯、裁かれても当たり前だ!」とうふうに考えてしまうわけですね。
     これもサンクションなわけです。

     シャーデンフロイデという、「こういうヤツが罰を受けて当たり前だ! それを見てると気持ちがいい!」という感情は、さっきのホーマー・シンプソンの例で説明したような、相手のことがうらやましいと思っている時だけに生まれるわけじゃないんですね。
     この『プレデターを捕まえろ』に引っかかった人というのは、さっきのテキサス州の検事みたいな人は例外中の例外であって、大半が生活に困っているとか、家族がいないとか、知り合いもいなような男ばっかりだったんですよ。つまり、多くの視聴者にとって「見下げて当たり前の人」だったんですね。
     普段から「自分はこいつらのことをバカにできて当たり前」だと思っている。
     でも、表立ってバカにすることについては、なんか心の中に引っかかりがある。
     そういうヤツらが性犯罪みたいなことを起こそうとしてくれると、堂々と「ほら、やっぱり1人で住んでるヤツは危なかったんだ!」とか、「ほら、俺よりも友達が少ないようなヤツはこうなんだ!」みたいに言えるようになる。
     シャーデンフロイデには、こういった「他人を見下げる喜び」というのもあることがわかります。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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