みなさま、こんにちは|。・ω・)ノ 今日も楽しくお仕事中のジャーマネです。
学生のみなさまは、夏休みを満喫されている頃でしょうか?
社会人にも短い、もう、大変短い夏休みがあるのですが、かえって暇を持て余しそうで怖いなと思う今日この頃です(;´Д`)


さて、今回で15回目を数える「Pの中の人おすすめの何か」。
ここはやはり夏に絡んだ作品をご紹介したいと思い、マイ本棚を探したのっですが……うーん、相応しい作品がなかなか見つかりません(-ω-;)ウーン
いえね、『夏の前日』『イリヤの空 UFOの夏』、いっそのこと『デジモンアドベンチャー』などなど、紹介したい作品なら色々あるんですよ。
でも、このブロマガを読んで下さっている読者の方には、ちょっと大人向けだったり、古かったりするんですよねぇ……( ´・ω・`)


で、さんざん迷ってこちらをご紹介することにしました!

[my本棚]・ω・´)っ夏と花火と私の死体(乙一


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……タイトルだけ見たら、色々と疑われる一冊ですよね_(:q 」∠)_
でも、若いうちにぜひ読んでいただきたい、めっちゃ面白い小説なんです(*゜∀゜)=3!!

あらすじはこんな感じ(´ゝω・)σ

わたしは五月(さつき)。9歳。

夏休みのある日、友達の弥生(やよい)ちゃんと一緒にいるとき、わたしはあっけなく殺されてしまいました。

弥生ちゃんはわたしを殺したことを、事故だったとウソをついて、お兄さんの健くんに相談しました。

そうしたら、健くんは、今話題になっている誘拐事件に偽装して、わたしの死体を隠そうって提案したんです。

こうして、大人たちの目からわたしの死体を隠し続ける弥生ちゃんと健くん、そして死体となったわたしの奇妙な夏休みが始まったのです……。



……そう、このお話は、殺されてしまった「わたし=五月=死体」の視点で進んでいく、普通とはちょっと変わったホラー小説なんです(゚д゚lll)

ホラー小説というと、みなさんはどんな話を思い浮かべるでしょうか?
ゾンビがでてきて人間を襲うとか、幽霊が生きている人間を呪うとか、血や内蔵がドバーっと出るとか、怪物に追いかけられるとか、そういうお話しだと思いますよね?

この小説は全然違います。そういう怖さは一切ありません。
じゃあ、どこが怖いのか? 色々とあるのでネタバレにならないように言えば……それは冷静さです。

主人公たちは、みな、小学生です。それいでいて、殺人者で、死体遺棄犯で、死体です。
弥生はふとしたきっかけで簡単に殺人を行い、健は冷静に死体を隠し続け、そしてわたし(五月)は淡々と自分の体の変化について語っていきます。
この後の展開がどうやっても読めないまま、いつばれるか、どうばれるかを気にしながら、どんどん普通に夏休みが進行して……。
そのうち、だんだん、自分も一緒に死体を隠している気になり、同時にもう殺されているような気にもなってきて……。
そして、ラストが……
ガタガタガタガタ(゚д゚lll)ガタガタガタガタ


あとは、ぜひ、ご自身でお楽しみください(。・ ω<)☆


そうそう、この本について2つ補足を。

この本が初めて世に出たのは、2000年の5月でした。
この頃は、未成年の凶悪犯罪や殺人事件などが大きく取りざたされて、「理解できない、アブない少年少女像」といったものが社会問題として語られていました。
そのタイミングで本書が出たことは、非常に意味深いものだったと私は考えています。


そして、もう一つの補足ですが、これもある意味でとても怖いことです。

この本を乙一さんが執筆してデビューしたとき、彼はまだ

16歳

でした。

16歳といったら、高校1年生です。この本の読者とそうそう変わらない年齢です。
私がこの本を読んだのは17歳でしたが、読書感想文ですら満足に書けませんでした。
大人になった今でも、こんな話を書くのは10000%不可能です。
読み終わった後で、ほとんど年齢が変わらないと知った衝撃の大きさと言ったら……。
自分が到底持ちえない才能に触れる恐怖。みなさまも、ぜひ一度、ご体験ください。


今回の「Pの中のおすすめの何か」はここまでです(=゚ω゚)

夏ということで、今回はホラー小説をご紹介させていただきました(*゚∀゚*)
これからどんどん暑くなりますから、本書で涼むのも一興かと。

タイトルにも書きましたが、この本を読書感想文に出すと、先生のうけが悪くなるかもしれませんので、ご注意を(;´Д`)
他の乙一さんの作品もとっても面白いので、ぜひそちらで書いてみてください!
君にしか聞こえない』『暗いところで待ち合わせ』とか、書きやすいと思います(*`・ω・´*)

ご精読ありがとうございました! ではでは、よい夏休みをお過ごしください(`・ω・´)ノシ


【ジャーマネ】

PHP研究所 PHP-COMIXの編集および広報全般担当。各種WEBサイト管理人、Twitterの中の人その2として活動中。サスペンス映画やゾンビ映画などはあんまり見ませんが『小泉八雲集』に載っている日本の古典怪談は大好きです。体重が増えることが今一番怖いアラサー編集者(>ω<、)マタフエタ


 ◎バックナンバー

【第0回】 ごあいさつ
【第1回】『鳥海浩輔・安元洋貴の禁断生ラジオ本』
【第2回】 九井諒子さんの作品集×3作品
【第3回】『ヨルムンガンド』『乙嫁語り』『小南正太郎、家から出るをはじめました。』
【第4回】 へんしゅうちょの机
【第5回】『風の谷のナウシカ』
【第6回】『ここはグリーン・ウッド』
【第7回】『ワカコ酒』
【第8回】『ピンポン』
【第9回】『銭ゲバ』
【第10回】『ペルソナ3・4 その1』
【第11回】『11人いる!』
【第12回】『All You Need Is Kill』
【第13回】『虹の娘』
第14回ペルソナ3・4 その2』