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ラーマガ限定「NAKED」#011
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ラーマガ限定「NAKED」#011

2014-08-29 13:00

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    ラーマガ限定「NAKED」#011
    666かけ中華麺
    実食インプレッション

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     ラーマガと人気ラーメン店によるコラボレーション企画「NAKED」。毎月1軒の人気ラーメン店がラーマガ限定ラーメンの「かけラーメン」を創作します。ラーメンの根幹ともいえる「麺」と「スープ」だけで食べさせる、作り手の技術と食べ手の味覚に挑むような究極の限定ラーメン。通算第11作目となる8月は、駒沢大学の人気店『666』による「かけ中華麺」。店主赤羽さんの原点とも言えるラーメンを磨き上げたNAKEDは、十五年かけてたどり着いた渾身の一杯。

     スープベースは丸鶏、鶏ガラ、ゲンコツの動物系素材に、5種類の煮干し、利尻昆布、鰹節、鯖節、宗田節を使用。麺は福島富田屋製麺の縮れ麺。薬味は柚子片。創業以来、ずっとこだわりを持って作り続けてきた「煮干しラーメン」を突き詰めた一杯は、永福町大勝軒をイメージして名前もラーメンではなく「中華麺」に。

     一見普通の煮干しラーメンのように見えますが、食べ進めていくうちに旨味がどんどん強くなっていく驚異のNAKEDが出来ました。


    1c810daf91127abd46b9933195c1f7719f037f02山路力也

     赤羽さんから「やはり自分がずっと作り続けてきた煮干しラーメンでいこうと思います」と言われた時、NAKEDというラーメンをしっかり理解されて捉えられているなぁと感じた。もうそろそろ一年経つので種明かしをするならば、NAKEDという言葉はもちろん麺とスープしかない「素」のラーメンという意味もあるが、その作り手の根幹であったり芯の部分が浮き彫りになるような、飾らない「素」の店主の思いも表現したいと思ってネーミングしたのだ。煮干しラーメンはラーメン職人赤羽厚基の素の一杯。そんな15年の思いがこもった一杯になっている。

     赤羽さんの凄さはすべての部分で完璧に計算がなされている一杯を作れること。彼が作るラーメンの中に存在理由のないものはないし、意味のない製法もない。このラーメンは永福大勝軒リスペクトの側面もあって、表面に多めに張られた煮干し油がとにかく熱々にされている。その理由は最初に動物系の旨味を感じさせずに煮干しを全面に出したいから。油の量が多めなのはその熱々さの演出の他に、油の量を徐々に減らしていきたいというコントロールの意味合いがある。そうすることで徐々に油が減り、スープの温度が下がり始めた頃に、動物系の旨味が入れ替わるように立ち上がる仕掛けなのだ。麺も比較的スープに溶けやすいタイプを使っているが、これもスープに小麦の旨味が溶けていくことを想定しての選択。柚子片が不揃いなのもわざとそうしていて、小さい方はスープや麺を食べる時に一緒に入っていくように。大きな方は、スープの後半部分まで柚子香を残しておくために、わざと食べ手がよけて食べる大きさに調整してあるのだ。ストイックなラーメン職人はここまで細部にわたって物事を考えているのだ。

     果たしてその味わいは赤羽さんの思惑通りにストーリーを紡ぐ。湯気の立たないスープをすすれば口いっぱいに煮干しが広がる。油分は口の中に滞留するのでしばらくのあいだは煮干しが支配するが、徐々に鶏の旨味と醤油の旨味がじわじわと広がっていく。最初は比較的角も感じられる味わいが段々丸くなっていくのは麺の小麦の効果か。柚子も無意識のうちに一つは口に入り、もう一つは最後に飲み干すまで残っていた。もう全て手の内で踊らされているような。一見地味にみえる一杯だと思うが、このNAKEDは凄い。ラーメンの可能性はもちろん、NAKEDの可能性も無限であるということをあらためて感じさせてくれる一杯だ。

    c557c6830f3e2bc329f263c11be51fa2cf589930山本剛志

     様々な味を提供している「666」。その引き出しの多さから、NAKEDでは何を出してくるのだろうと思っていたが、ド直球の煮干醤油味。ご主人が最初に作ったラーメンのイメージで、スープに泳ぐ縮れ麺が印象的。塩分を少なくして、油を多めにしたスープでまず感じるのは、その油のこってりさ。強く縮れた麺が油を掬い上げる事で、徐々にあっさりしていきながら、煮干の味わいを徐々にプラスしていく事になる。アツアツでも、冷めても美味しいスープは二度楽しめる。

     麺とスープの間に時折感じるのは、柚子の爽快さ。小さい2欠片の柚子皮は口の中に途中で入り、1欠片の大きい柚子皮が、最後までスープの中に存在感を示している。一方、薬味としてのネギは使わずに、舌をリセットさせないで一気に食べられるようにしている。好きだったという「永福町大勝軒」もイメージにあったという事で、メニュー名も「かけ中華麺」。その雰囲気を出しながら、味の構成が様々に工夫されていて、かけラーメンでありながら満足感がとても高い。是非みなさんも、この一杯に込められた思いを味わってほしい。


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    【NAKED #011】
     666(東京都世田谷区駒沢4-19-11)

     「かけ中華麺」700円
       一日20杯限定(11:30〜10杯、18:00〜10杯/日曜11:30〜20杯)
       販売期間:8月1日(金)〜31日(日)
       (ラーマガ有料会員ではなくても注文が可能です)

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