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「ラーマガ」#038
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「ラーマガ」#038

2014-10-20 23:00
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    北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
    「ラーマガ」THE RAMEN MAGAZINE
    #038

    ・北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
    ・2014年10月20日発行(月3回)10月第2号(通刊 第39号)

    【目次】

    ■巻頭コラム
     「ラーメンイベントに参加する意味」(山路力也)

    □クロスレビュー「必食の一杯」
      麺屋ごとう@駒込「ラーメン」

    ■ラーメン実食レビュー
    【北島秀一】
      東池袋大勝軒@東池袋「特製もりそば」

    【山路力也】
      天下一品 歌舞伎町店@西武新宿「天下一品こってり」
      博多長浜らーめん 田中商店 ダイバーシティ東京プラザ店@台場「ラーメン」
      麺屋すする 本店@学芸大学「すするつけ麺」
      らーめんなないろ@荻窪「正油らーめん」
      博多一風堂 大名店@天神「元祖白丸元味中」
      博多豚骨 黒豚ブラザーズ 天神店@天神「博多豚骨黒豚ラーメン」
      らぁめんシフク@東比恵「塩らぁめん」

    【山本剛志】
      可以@神保町「台湾まぜそば」
      一番いちばん@町田「台湾まぜそば」
      麺処大木@大田郷「鶏ざんまい塩」
      龍旗信RIZE@なんば「鶏たいたん塩そば」
      麺匠而今@滝井「香潤旨味そば醤油」
      麺屋しき@守口「しき麺」
      えびす丸@吹田「魚介×鶏白湯ラーメン」

    □拉麺人インタビュー 
     塚田兼司<気むずかし家 店主>②
     『清湯と濃厚の両方で、職人としての証明をしたかった』(聞き手 山本剛志)

    ■異論激論!
     『背脂万歳!』
     (山路力也/山本剛志/青木誠)

    □告知/スケジュール

    ■編集後記


    ■巻頭コラム
    「ラーメンイベントに参加する意味」山路力也

     現在、歌舞伎町で「大つけ麺博 ご当地つけ麺GP」が月末まで開催中で、24日からは駒沢で「東京ラーメンショー2014」も開幕。来月は福岡、京都などで大きなイベントがあり、年末には大阪で西日本最大級のラーメンイベント「ラーメンEXPO2014」も控えている。当初は地方に都内などの人気店を誘致する色合いが強かったラーメンイベントだが、現在は東京をはじめ大都市でも開催されるようになり、今やラーメンイベントの開催されない時期はないほどラーメンイベントは一種のブームになっている。

     ラーメンイベント花盛りの今であるが、私は千葉で2001年より十年間にわたり毎年大晦日に「年越しラーメンイベント」を主催して来た。もちろん、今のラーメンイベントとは規模もスタイルもまったく違うが、千葉県内の人気ラーメン店主が一同に集まり、一夜限りのスペシャルラーメンをコラボレーションするという企画は、多くのラーメン好きの人達に喜んで頂けたのではないかと自負している。当時はラーメンイベントはおろか、異なる店の店主が味を一緒に作ったり、ましてや一つの厨房に入って一杯のラーメンを作るなんてことはあり得ないことだった。

     東京や横浜の後塵を拝していた千葉のラーメンを盛り上げたい。その一心で異なる店の店主に声掛けをして始めたラーメンイベント。誰も食べたことがない味を、誰も食べたことがない場所で。秋くらいから営業終了後の店に店主たちが集まって夜な夜な試作を繰り返して、一夜限りのTシャツやパーカーを揃え、色々なスタイルでイベントをやってきた。昼と夜、違った場所で多くのお客さんに食べて頂きたいと、ウィングトラック内に厨房を作り2ヶ所の会場を移動してイベントを開催したり、幕張メッセで3日間1万食のラーメンを提供したり、「大晦日は蕎麦ではなくてラーメン」を合い言葉に十年間続けてきた。

     厨房機器の準備はもちろん、会場の設営やユニフォームなどの手配、そしてもちろん食材や人件費などを考えると、正直儲かるイベントではなかった。私の取り分はゼロ。店主たちも基本的には手弁当である。年によっては赤が出ることもあるので、毎回のイベントでは必要な経費を差し引いて余りが出た時はすべてプールして翌年のイベントに使った。私たちが考えていたのは、十年続けるために「儲けは出さずとも持ち出しは絶対にしない」という部分だった。

     お金を儲けたいなら、自分の店で普段の営業をやっている方が遥かに楽で儲かる。それなのになぜ店主たちは手弁当でイベントに参加して来たのか。それは儲け以外の「意義」や「楽しさ」「店主同志の繋がり」「お客さんとの触れ合い」などがモチベーションとなっていたからだ。千葉のラーメンイベントでいえば、千葉のラーメンの楽しさを伝えたいという思いや、千葉の食材を知って欲しいという思いだったり、他の店主との情報交換であったり、お祭りとして盛り上げたいという思いだったり。

     さて、話しを今のラーメンイベントに戻すが、なぜ出店する店は地方から交通費や宿泊費までかけて東京にやってきて、慣れない厨房で苦労してラーメンを作るのか。出来合いのスープを使わずに店舗で取ったスープを送ったり、会場の厨房でスープを仕込むのか。イベントで儲けを出そうとするならば、スープや食材をアウトソーシングしたり既製品を作ったりともっと効率的なやり方があるのに、それをやろうとする店はほとんどない。それはやはり儲け以外のモチベーションを持って参加しているからだ。「自分の味を東京の人に食べて貰いたい」「地元の食材を知って欲しい」「皆が知らないご当地ラーメンを食べて欲しい」「ラーメン界を盛り上げたい」「全国のラーメン店主さんと仲良くなりたい」「スタッフの良い経験にさせたい」などなど。

     大つけ麺博、東京ラーメンショーに参加する店のほとんどは、愚直なまでに「本気」でラーメンを作っている。イベントという不利な環境でいかに普段の店の味を再現出来るか知恵を絞っている。全国の人気ラーメン店主がズラリ勢ぞろいし、本気でラーメンを作り競い合う非日常の空間。ラーメンを愛するすべての人が集まるパワーを感じられる場所。ぜひ皆さんもラーメンイベントに足を運んで頂いて、その思いを感じて欲しいと思っている。


    □クロスレビュー「必食の一杯」

     一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は7月4日、池袋から駒込に移転オープンした『麺屋ごとう』の「ラーメン」を山路と山本が食べて、語ります。

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    麺屋ごとう@駒込
    ラーメン」730円
     
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