ラーマガ限定「NAKED」#017
ラーメン大至『かけラーメン 至(きわみ)』
ラーマガと人気ラーメン店によるコラボレーション企画「NAKED」。毎月1軒の人気ラーメン店がラーマガ限定ラーメンの「かけラーメン」を創作します。ラーメンの根幹ともいえる「麺」と「スープ」だけで食べさせる、作り手の技術と食べ手の味覚に挑むような究極の限定ラーメン。
通算第17作目となる2月は、お茶の水の人気店『ラーメン大至』が登場!使用する素材そのものは通常のラーメンと同じ。しかしその素材の量を増やし、さらに配合も変えて徹底的にパワーアップしたスープは圧巻のひとこと。大至のラーメンの核となる部分を浮き上がらせたNAKEDが完成しました。
山路力也
NAKEDをラーメン店の方にお願いする場合、このコンセプトを理解してかつ楽しんでくれる方、という暗黙の了解があったりする。ただ具を抜くのではなく、麺とスープだけでどこまでラーメンを作り込めるか。ある意味、面倒くさいことに興味を持って面白がって取り組んで下さるかどうかは、実はかなり重要な要素ではないかと思っている。柳崎さんの名前は北島さんが挙げたが、満場一致でお願いしようと思っていた方だ。
大至のコンセプトや、柳崎さんのスタイルから考えると、奇を衒わずに直球勝負するだろうということは想像がついていたが、乾物などスープの旨みの核となる素材を厚くしてきたのには驚いた。しかも通常のバランスとは変えてのチューニング。それは魚介系の旨味を出来るだけ前に出さないというバランスで「魚介を使っていないか使っていたとしても隠し味程度」というバランスを狙ったのだという。そのバランスは何かと問えば、北島さんが晩年そういう味を好んでいた、と書いていたのを読んでいたのだそうだ。
麺を手揉みにしたことによって、スープとの親和性はより高まり、麺とスープにとことん集中出来る。そういう意味では薬味のネギも不要かも知れない。そのくらいスープが磨き上げられていて旨く、深い。それでいていわゆる淡麗系的なアプローチではなく、ある種の雑味も持ったノスタルジックラーメンであるのだ。このスープは出来ればレンゲを使わずに丼から直接飲んで欲しい。スープの旨みの感じ方が断然異なってくる。
これまで多くの醤油ラーメンでのNAKEDが登場したが、どれも同じ様にはならず、その店の個性が出たオリジナリティあふれるものばかりで、ラーメン職人さんの凄さを感じたものだが、この大至のNAKEDも大至でしか作れないNAKEDだった。毎回言っていることだが、これは全てのラーメン好きの人に食べて頂きたい。必食。
山本剛志
昨年、ラーマガ限定の候補を検討する中で、「大至」の名を挙げたのは北島さんだった。4年前にラーメン携帯サイトでこちらに依頼した限定「至(きわみ)ラーメン」は、大至のテーマである「普通のラーメンの最高峰」をひたすらブラッシュアップさせた一杯だった。
NAKEDとして依頼すると、これまでの対応方法は3つある。1つは具がない分、価格を低く抑えるパターン。2つめはスープや麺に最大限の個性を込め、高価格のラーメンにするパターン。3つめは自店の味と異なるテイストを出すパターン。今回の大至はそのいずれでもなく「通常のラーメンと同価格にして、スープに使う素材を増やしていく」という方法を取った。ただし、今のスープと同じ割合で素材を増やすのではなく、昆布、海老、ホタテ、椎茸、鰹節を増量し、通常のラーメンにプラスしている。そのスタイルは、「至ラーメン」の方向性を継続したものと言える。だからこそ、メニュー名は「かけラーメン 至」で即決した。
麺は通常のものを手もみし、柔らかめにする事でスープの旨みをたっぷり拾うようになり、この濃縮されたスープは麺だけで引上げる事に成功している。薬味のネギがスープに乗った鶏油を切ってリフレッシュさせ、胡椒で味を引き締めてくれる。
この味を作った柳崎さんは「北島さんの"うわっ"と驚く声を聞きたかった」と言ってくれた。きっと驚いていたと思うし、今回本当に多くの人に食べてもらえている。北島さんが「至ラーメン」の限定を依頼した時のレビューの結語を、「かけラーメン 至」でも送っておくべきだと思うので、最後に書いておきます。
「大至」にお願いして本当によかった。
【NAKED #017】
ラーメン大至(東京都文京区湯島2-1-2)
「かけラーメン 至(きわみ)」670円
販売期間:2月2日(月)〜28日(土)
(ラーマガ有料会員ではなくても注文が可能です)