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daiさん のコメント

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dai
今更、新・堕落論の感想です。

以前長寿アニメの最終回がどんなものかが、まことしやかに囁かれたときがありました。まあ、都市伝説の一種でしょうけど、それは、大体夢オチというか、ディストピアですね(笑)例えば、ドラえもんは植物人間になったのび太の夢だったとか…。
はっきり言って、それはない!けど、原作者の藤子F不二雄はドラえもんではないですが、ディストピアを扱った作品を描いていて、それを読んだときは、薄ら寒いおもいがしました。ディストピアは人間の根源にある不安を具現化するものだからこそ、また逆に惹かれるものがあるのかも知れません。
そして…。僕らの生きるこの世界は果たして、「現実」なんですかね!?マトリックスよろしく、実は培養液の中で見る「仮想現実」なのかも知れない!(笑)
けど、本当に…本当にそうだとしたら、僕は自由を求めて闘うのだろうか?それとも、自分を誤魔化しつつ、幻想の世界に浸り続けるのだろうか?究極の選択…。
とここまで考えて、ようやく分かりました。よしりん先生の言う堕落とは、「目先の欲望や安楽に流れ、主体性を放棄すること」だと。
例えば、スマホは便利。これ一つで気軽にニュースを見られるし、分からないことがあれば、すぐに調べられる。けど、情報収集をスマホばかりに頼れば、フェイクでも気付かずに踊らされてしまいます。
また、大きく言えば、日米同盟もいざというときに、アメリカが「助けてくれる」し、防衛費も安く抑えられるから便利です。しかし、そのために日本の主権をアメリカに奪われている状況です。
また、主体性に無頓着な人間は、ニーチェの言うところの「畜群」であり、主体性を発揮できるような強者を妬み、冷やかし、見下し、さらには引きずり下ろそうとする…、天皇の自主性を認めず、「ロボット天皇」でいいというのは、正にそれでしょう。

主体性を持たなければ、つまり、堕落すれば楽です。安易な方向に流されればいいだけですから。僕だって堕落の誘惑にはなかなか勝てません。
一方で、主体性を保つこと。それには、教養を身につけることは勿論、美徳を持ち、常に自己を省みることが必要で、自らの行動には責任を持ち、リスクを引き受ける覚悟をしなければなりません。「怜悧」な人間からしたら、馬鹿だとしか思えないでしょう。

けど、僕のような堕落した人間だって、「畜群」にはなりたくない!
誰かの嘘や策略には踊らされたくない、精神的な強さでもって冷静さを保ち、自らの思考でもって、自ら判断し、間違うことを恐れない、誰も自分の頭の中に入ってくるな、自分を操ろうとするな、思考を持てないなんて、人間じゃない!

…そう、堕落するということは、人間じゃなくなるということですよね。安吾は「堕ちぬくためには弱すぎる」と言います。人間は「人間」を否定しきる強さはない、だから堕ちぬけないということだろうと理解しました。

確かに世の中、どんどん堕ちていくように思えますが、そこから「違和感を覚えて、実存を求める」人間が現れると、よしりん先生は言います。時代の雰囲気なんて、がらりと変わるものだから、これから先、浮上の時代が来るかも知れない。
新・堕落論は言い古された表現だけど、「パンドラの箱」。読み切ったところに、希望があった!正にそんな本でした。



ところで、夏目漱石の「こころ」ですが、教科書では「エゴイズムと罪悪感」みたいな解説がされていて、間違いではないでしょうが、小説が書かれた時の時代背景まで読まないと真のメッセージが読み取れないのだということがわかりましたね。今後、文豪の本を読むときは、そこまで意識したいですね。

それと、ポカQさんの好きなAV女優を、ネットで検索してしまいました…。
これ、堕落ですね…。
No.111
74ヶ月前
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第261号 2018.3.6発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…自称保守論壇誌「月刊Hanada」の朝日新聞バッシングが、トンデモない状態になっている。朝日新聞社は昨年末、安倍政権の太鼓持ち・小川榮太郎が書いたフェイク本が名誉棄損に当たるとして、小川と出版元を相手取り、5000万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴訟を起こした。その出版元が「月刊Hanada」を出している飛鳥新社で、同誌の編集長・花田紀凱自身が本の刊行にも深く携わっているのだ。Hanada側は「これはスラップ訴訟だ!」と主張し朝日を非難しているが、果たしてこれは言論の自由を委縮させる「スラップ訴訟」なのだろうか?そしてなぜ自称保守論壇はここまで朝日を憎むのか? ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…人の手によって書かれた文章というものは、言葉で書かれていること以上のものが表現されていて、書いていないこと以外は、考えてもいないしそのような思考や感覚は存在しない、とはならないだろう。文章を真の意味で“正しく”理解するために必要なこととは何だろうか? ※『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて、一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてくり!」。着流しスタイルで本格演歌をうなっちゃるぶぁい!柿野くん、沙麻代ちゃん、ぽっくんの美声にノックアウトでしゅか?さぁ歌わせてもら演歌~~~~~んあんあんあん♪   【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第267回「朝日新聞を憎み過ぎるエセ保守は韓国に似ている」 2. しゃべらせてクリ!・第219回「ド演歌一直線! 歌わせてもら演歌~~~んあんあんあんの巻〈前編〉」 3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第71回「国語のこと」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 編集後記 第267回「朝日新聞を憎み過ぎるエセ保守は韓国に似ている」  自称保守論壇誌「月刊Hanada」の朝日新聞バッシングが、トンデモない状態になっている。  朝日新聞社は昨年末、安倍政権の太鼓持ち・小川榮太郎が書いた、「モリカケ疑惑」はすべて朝日新聞のでっち上げだと主張するフェイク本 「徹底検証『森友・加計事件』 朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」 が名誉棄損に当たるとして、小川と出版元を相手取り、5000万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴訟を起こした。   実はその出版元が「月刊Hanada」を出している飛鳥新社で、同誌の編集長・花田紀凱自身が本の刊行にも深く携わっているのだ。  そりゃ負けたら死活問題になるから、必死のキャンペーンも張るだろう。  先月号では 「総力大特集 朝日新聞の提訴と断固、戦います!」 と題し、今月号では 「総力大特集 赤っ恥、朝日新聞!」 と題して誌面を組んでいる。  そしてこれを産経新聞の全面広告で大々的に宣伝し、 「朝日新聞と徹底闘争宣言!」 などと謳っているのだ。      わしは裁判に訴えたことも訴えられたこともあるが、その経験から、裁判というものは勝っても負けても、ものすごい費用と労力が必要になるということが身にしみてわかった。  もちろん裁判で争うことになれば、一個人よりも、資金・人員ともにはるかに体力のある大企業や政治家・政党などの方が圧倒的に有利になる。そのため、大企業や政治家などが個人を名誉棄損で訴えたりすると、それだけで大きな圧力となり、個人の活動を封じ込めることができる。   そのような、社会的に優位な立場の者が相対的弱者を相手取って訴訟を起こし、それによって恫喝や報復の効果を与えることを「スラップ訴訟」(SLAPP=Strategic Lawsuit Against Public Participation)という。  Hanadaは 「これはスラップ訴訟だ!」 と主張、小川も 「これは『言論の自由』に対する禁じ手、訴訟自体が業務妨害、圧力だ」 と朝日を非難している。  確かにスラップ訴訟によって言論が萎縮させられるようなことはあってはならないし、言論には言論で戦い、訴訟には持ち込まないというのが原則であるべきだ。   実は朝日新聞社もその原則はわきまえていて、これまでどんなデタラメな批判を浴びても、抗議はするものの、実際に裁判に訴えることはほとんどなく、業界内では「弱腰」とまで言われていたらしい。   一方、逆にスラップ訴訟を何度も起こしているのが読売新聞社だ。  読売新聞社は、新聞販売店に実際の購読数よりも多くの新聞を押しつけ、その部数の分の金額を請求するという法外な手法で販売部数を水増ししていた 「押し紙」問題を取り上げたジャーナリストを名誉棄損で訴えるなど、自社に都合の悪い記事を書く個人を標的にした訴訟を連発してきた。  読売側はそのほとんどに敗訴しているのだが、裁判の勝敗など関係なく、裁判を起こすこと自体で相手に負担をかけることができるわけで、これは典型的なスラップ訴訟であり、言論弾圧訴訟である。  それに比べれば朝日新聞社ははるかに良識的と言ってよく、今回の提訴は朝日としては極めて異例の事態なのだ。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!