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  • 「核廃絶運動の先頭に立て!」小林よしのりライジング Vol.236

    2017-08-15 22:3587
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    第236号 2017.8.15発行

    「小林よしのりライジング」
    『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
    毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが見舞われたヘンテコな経験を疑似体験!?小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

    【今週のお知らせ】
    ※「ゴーマニズム宣言」…今年7月7日、国連加盟国の6割以上となる122か国の賛成によって、「核兵器禁止条約」が採択された。国際法上、核兵器は違法とされ、禁止されたのである。ところが日本は、この条約の交渉会議にすら参加しなかった。自称保守・ネトウヨは「核の傘に守られておきながら、核廃絶を訴えるのは欺瞞的だ」「そもそも核廃絶など不可能なのだから無意味」と言う。果たして、歴史上唯一の被爆国である日本が取るべき立場とは?
    ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…時が過ぎればすべてはうやむやにできると思っている。しかも、短期間に次から次へと安倍にならって、安倍のために逃げ果せようとする人間が現れるから、すでに忘れられている悪人もいる。稲田朋美、小野寺防衛相、管官房長官、下村博文、安倍昭恵、山口敬之、三浦瑠麗…彼ら“ウヤムヤ族”、改めてその悪さを思い出しておきたい。
    ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!国王として扱われなかった、と不満を明らかにしたデンマーク女王の夫をどう思う?尖閣諸島は実はすでに中国施政下に入っているのでは?もしデスノートを手に入れたらどうする?SNSで「いいね!」を集めることに必死になる人をどう思う?平成ノブシコブシの吉村崇は好き?…等々、よしりんの回答や如何に!?


    【今週の目次】
    1. ゴーマニズム宣言・第241回「核廃絶運動の先頭に立て!」
    2. しゃべらせてクリ!・第194回「へぎゃお~ん!助けてクリませ、ぽっくん泳げましぇ~ん!の巻〈後編〉」
    3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第45回「忘れないために~権力が大好きな悪人たち」
    4. Q&Aコーナー
    5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
    6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
    7. 編集後記




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    第241回「核廃絶運動の先頭に立て!」

     今年7月7日、国連加盟国の6割以上となる122か国の賛成によって、「核兵器禁止条約」が採択された。
     国際法上、核兵器は違法とされ、禁止されたのである。
     ところが日本は、この条約の交渉会議にすら参加しなかった。
     わしはこれにものすごい違和感を覚え、罪悪感がこみあげてきた。

     8月9日、長崎の原爆の日の式典において、田上富久長崎市長は平和宣言で次のように日本政府を強く非難した。

     日本政府に訴えます。
     核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、核兵器を持つ国々と持たない国々の橋渡し役を務めると明言しているにも関わらず、核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません。唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への一日も早い参加を目指し、核の傘に依存する政策の見直しを進めてください。日本の参加を国際社会は待っています。

     8月6日の広島市長平和宣言が、例年通り被爆の悲惨さを訴えることに大半を費やし、核兵器禁止条約については最後に少し触れた程度で、政府批判にまでは踏み込まなかったのに対し、長崎平和宣言では、毎年最初に語っていた被爆の惨状を後回しにして、冒頭から半分を核兵器禁止条約に関する言葉に割き、政府を批判したのである。
     これは原爆の日の平和宣言としては全く異例のことであり、市長自身が特に強くこだわって決めたものだった。
     また式典後には、毎年恒例となっている首相と被爆者団体の面会で、団体側が冒頭、「総理、あなたはどこの国の総理ですか」と、用意していた文書にはない言葉で政府へのいらだちを表した。
     これらの気持ちは、全く理解できる。
     だが結局、安倍は条約への参加は明言せず、被爆者団体の議長は「条約に賛成する気は全くないという政権の姿勢が明確になった」と憤ったという。

     国連では核兵器禁止条約の採択に向け、カナダなどに住んでいる日本人被爆者やその子孫が運動をしていたらしい。わしだって、もし自分がその立場だったら、絶対に運動に加わっていたと思う。
     それを日本政府が一切支援せず、条約の交渉会議にすら参加しなかったなんて、全くおかしい。
     しかも国連において、核不拡散、核廃絶について被爆国じゃない国々が必死に考えているのに、唯一の戦争被爆国である日本がそれに加わろうともしないというのは、どう考えても理が通らない。
     あまりにも欺瞞に満ちており、わしはこんな理不尽には耐えられない。
     安倍は、日本はアメリカの核の傘に守られているのだから、核兵器禁止条約になど参加できないと思っているのだろうし、自称保守・ネトウヨ連中もみんなそんな考えなのだろう。
     確かに、核の傘に守られておきながら、核廃絶を訴えるというのは矛盾がある。
     だが、それよりもはるかに酷い欺瞞は、歴史上唯一の被爆国でありながら、核廃絶に全く同意しないことである。これほど理に反することはなく、これ以上の欺瞞はない。
     
     8月12日の「朝まで生テレビ」でこの話題が出た際、元防衛大臣の森本敏氏が、核兵器禁止条約の交渉会議に対して日本政府がどう対応したのかを説明していた。 
  • 「『ゴー宣道場』の白熱議論・枝野私案について」小林よしのりライジング Vol.235

    2017-08-08 17:20175
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    第235号 2017.8.8発行

    「小林よしのりライジング」
    『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
    毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが見舞われたヘンテコな経験を疑似体験!?小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

    【今週のお知らせ】
    ※「ゴーマニズム宣言」…豪華2本立て!◆8月6日、法哲学者の井上達夫氏と民進党衆院議員・枝野幸男氏を迎え、第65回ゴー宣道場「9条に自衛隊って本気か!?」を開催した。井上氏と枝野氏の議論は、今までの道場の中でも最もエキサイティングで深いものとなった。今回の議論の白眉は、自衛隊を合憲とする枝野氏と、違憲とする井上氏の意見の衝突だった。枝野氏の政治家としての力量に刮目せよ!!
    ◆まだまだ続く「不祥事一覧」連載!ようやく2016年に入った。2016年1月時点での安倍内閣の支持率は毎日新聞調査で51%。安保法制強行採決後の前年8月の世論調査では同じく毎日新聞調査で32%まで落ちていたのに、もう完全回復していたのだ。今となっては、狂気の沙汰としか思えないのだが。2016年の不祥事を記憶せよ!
    ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…小川榮太郎が事務局長、百田尚樹が代表をつとめる「放送法遵守を求める視聴者の会」は、これまで何度も異様な言論弾圧活動を行ってきた。そして遂に、今後は法人格になって放送局やスポンサー企業の株主となり、株主総会で経営者に直接圧力をかけることを目指す、という声明を発表!“言論弾圧総会屋”を目指す「視聴者の会」を監視せよ!!
    ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!疲れていても仕事しなければいけない時はどうしてる?子供が何人かいたとして平等に可愛がる自信はある?自分の個人情報を意識するようになったのはいつ頃から?除夜の鐘や風鈴の音すらうるさいと苦情を言う人にはどうしたら良い?ペンネームでデビューすればよかったと思うことはある?共産党との共闘は本当に必要?…等々、よしりんの回答や如何に!?


    【今週の目次】
    1. ゴーマニズム宣言・第240回「『ゴー宣道場』の白熱議論・枝野私案について」
    2. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第44回「危険!“言論弾圧総会屋”を目指す『視聴者の会』」
    3. しゃべらせてクリ!・第193回「へぎゃお~ん!助けてクリませ、ぽっくん泳げましぇ~ん!の巻〈前編〉」
    4. ゴーマニズム宣言・第241回「第2次・3次安倍政権&自民党不祥事一覧 第8回」
    5. Q&Aコーナー
    6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
    7. 読者から寄せられた感想・ご要望など
    8. 編集後記




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    第240回「『ゴー宣道場』の白熱議論・枝野私案について」

     8月6日、法哲学者の井上達夫氏と民進党衆院議員・枝野幸男氏を迎え、第65回ゴー宣道場「9条に自衛隊って本気か!?」を開催した。
     とにかく凄かった。
     井上氏と枝野氏の議論は、わしも含めて師範方が思わず割って入るのを躊躇するような激しさで、今までの道場の中でも最もエキサイティングで深いものとなった。
     
     井上達夫氏の一切の欺瞞を許さない主張は全てが凄まじかったし、相手の言ったことを即座に分析して切り返す頭の回転の速さには驚嘆した。
     しかも、あれだけ厳しく攻めていながらもユーモアがあり、時折見せる笑顔がチャーミングだといった感想もあって、この一日でかなりファンを増やしたようだ。
     わしとしても、最高の論客が出てきたなと素直に嬉しくなる。
     
     一方の枝野氏は、まずこのタイミングで道場に来てくれたこと自体が凄かった。
     枝野氏に民進党憲法調査会の会長として登壇を依頼した時には、まさか蓮舫氏が代表を辞任し、枝野氏が次期代表候補に名乗りを上げることになろうとは予想もしていなかった。
     思いもよらず代表選を控えた微妙な時期となってしまったのだから、枝野氏は登壇を断っても全くやむを得なかったし、実際、枝野氏の周辺では断った方がいいという声もあったらしい。
     ところがそんな中でも来てくれたのだから、それだけでも感謝である。

     しかもこの状況の中での議論で、枝野氏は完全なハンディキャップ・マッチを強いられることになった。
     これから、代表選に出馬するためには国会議員20人以上の推薦人を得なければならず、さらにそれから党員・サポーターによる選挙を戦わなければならない。この時期には、少しでも誤解を生んだり、支持者の反発を買ったりしかねないような微妙な発言はどうしても避けなければならず、自ずと発言の幅は狭められてしまう。
     いわば枝野氏は、両手両足を縛られた状態でリングに上がっていたようなものだ。しかも相手はあの井上達夫氏である。まるでアリ対猪木戦みたいなものだったのだ。
     ところがそんな状態でも枝野氏は、井上氏の意見に対して怯むこともなく、これを真正面から受け止めて、互角の議論をして見せた。しかも、その発言は極端に狭められたストライクゾーンのギリギリを突いて、外れることはなかったのだから見事としか言いようがない。
     これだけの胆力と説明能力を持った政治家は、そうそういるものではない。 少なくとも、安倍晋三には決してできない芸当である。
     あの議論を聞いて、枝野氏の発言に物足りなさを感じた人もいるかもしれないが、こういう背景があったのだと理解すれば、印象も変わるのではないか。

     そして今回の議論の白眉は、自衛隊を合憲とする枝野氏と、違憲とする井上氏の意見の衝突だった。
     憲法第9条の条文は、普通の国語力で読めばどう考えたって自衛隊を合憲と解釈することはできない。
    1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
    2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

     わしはこのことを何度も言ってきたし、思想的に捉えれば、自衛隊合憲論は成り立たないと思っている。もちろん井上氏も同じ意見で、自衛隊合憲論の欺瞞を小学生にもわかるような表現で指摘した。
     だがこれに対して、枝野氏はこう反論した。

     憲法違反なら、自衛隊やめなきゃいけないんで。憲法違反なのに、自衛隊の予算に賛成したら、それこそおかしなことになるので。じゃあいま自衛隊の予算全部やめますか、自衛隊すぐに廃止しますかって話には、やっぱり責任ある政治としては乗れない。
     それはやっぱりその、法解釈には一定の幅があるので、じゃあ私学助成金いま出しているのは何なんだと。まあ(私は)大学の憲法のゼミで「私学助成金違憲論」書いたんですが、いまは認めますよ。

     ここでいきなり「私学助成金」の話が出てきたので説明しておこう。
     憲法89条に、こういう条文がある。
    公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

     この条文を普通の国語力で読めば、どう考えたって私学に公金で補助したら憲法違反になるのだが、実際には私学助成金は支払われている。自衛隊と全く同じ構図になっているので、9条問題を論じる際には度々引き合いに出されるのだ。
     その上で枝野氏はこう言う。

     だって、そういう一定の幅の中でそういう解釈をして、それが定着しているから、その定着したものとして、縛られている側としてこういう解釈ですねって、長年積み重ねてきたから、私が与党になった時も私学助成金憲法違反だからやめろとは言いませんでした。
     それと同じように、これで合憲だということで積み重ねられてきたものは、それは尊重しなければ、今度は憲法以外の政治の正統性が、それは僕は失われると思うんです。
     
  • 「安倍なきあとが見えない人たち」小林よしのりライジング Vol.234

    2017-08-01 21:501491
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    第234号 2017.8.1発行

    「小林よしのりライジング」
    『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
    毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが見舞われたヘンテコな経験を疑似体験!?小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

    【今週のお知らせ】
    ※「ゴーマニズム宣言」…安倍晋三の「今年の1月20日まで加計学園が獣医学部の新設を申請していたことを知らなかった」という発言は、常識さえあれば誰だって嘘だと見抜けるようなものだ。安倍の嘘など子供でもわかる。というより、子供こそ容赦なく「王様は裸だ!」と見破るものだ。ところが、それでも「王様は立派な服を着ていらっしゃる!」と叫び続けている者たちがいる。なぜそこまで安倍政権なんかが大切だと思うのか?彼らは安倍政権に何を望んでいるのか?
    ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…ネトウヨの劣化がひどい。もともとひどかったと思うが、この数カ月の間に格段に病気が進行して、カチカチに硬直、石灰化してしまったように思う。とにかく人のことが理解できない。世の中のことが見えていない。ネットに書いてあることだけがこの世の真実だと思い込んでいる。そして、極端に短絡的。それに同調し仲良く劣化&石灰化しているのが産経新聞だ。ネトウヨと産経新聞、その“ヤバイ”言説を徹底添削!
    ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!再審請求中の死刑執行をどう思う?朝鮮高校の授業料無償化はアリ?メガネを選ぶポイントは?人生が変わったと感じた瞬間は、いつ、どんな事?ウナギが絶滅!?救う方法は?「家事ダメ女子」は許せる?失恋はどうやって乗り越える?CG技術の向上をどう思う?…等々、よしりんの回答や如何に!?


    【今週の目次】
    1. ゴーマニズム宣言・第239回「安倍なきあとが見えない人たち」
    2. しゃべらせてクリ!・第192回「しぎゃびー!ドタマかち割らんでクリ!ぽっくん正気ぶぁい!の巻〈後編〉」
    3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第43回「石灰化した産経新聞とネトウヨたち」
    4. Q&Aコーナー
    5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
    6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
    7. 編集後記




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    第239回「安倍なきあとが見えない人たち」

     常識さえあれば、誰だって嘘は見抜けるものだ。
     安倍晋三が今年の1月20日まで、加計学園が獣医学部の新設を申請していたことを知らなかったなんて、嘘と思わない方がどうかしている。
     安倍は単にお友達に利益供与するために行政を歪めたのであり、釈明の発言は全部嘘だということは、見え見えのバレバレだ。
     時浦のツイッターには、こんな報告が来ている。

     今日、小学生相手にインプリ(※)をやったんですが、休憩時間に親子のこんな会話が聞こえました。
    「こら、嘘言っちゃダメ」
    「総理大臣は、いっつも嘘言っとるよ」
     これに大きなショックを受けました。
     サイコパス安倍は子供に悪影響を与えてます。(T・ハクスリーさん)
    (※インプリ=インタープリテーション。自然公園やミュージアムなどで行う体験型教育活動)

     安倍の嘘など、子供でもわかる。というより、子供こそ容赦なく「王様は裸だ!」と見破るものだ。
     ところが、それでも「王様は立派な服を着ていらっしゃる!」と叫び続けている者たちがいる。
     例えば、先週7月26日に発売された月刊WiLL9月号は「総力特集『加計学園』問題 ウソを吠えたてたメディアの群」と題して、以下のような記事をずらっと並べている。
    ■百田尚樹×阿比留瑠比『落ちるところまで落ちた朝日新聞』
    ■藤井厳喜×髙山正之『朝日こそ言論の暴力だ』
    ■長谷川幸洋『なぜフェイクニュースが生まれるのか』
    ■屋山太郎×潮匡人『怪しいのは安倍でなく石破!?』
    ■長谷川煕×烏賀陽弘道『「日本会議黒幕」も「安倍政権 言論弾圧」も
    フェイク報道』
    ■長谷川煕『「加計」問題もフェイクでした』
    ■八幡和郎『前川喜平氏の論理は時代の遺物』
    ■山本順三『「加計ありき」とは笑止千万』
    [附]加戸守行『歪められた行政が正された』
    ■百田尚樹×古田博司『韓国化する日本 ここまで平然とウソをつくか』

     一方、同日発売の「月刊Hanada」は、「総力大特集 常軌を逸した『安倍叩き』」と題して、以下のラインナップだ。
    ■小川榮太郎『加計学園の“主犯”は石破茂』
    ■阿比留瑠比『朝日新聞は「発狂状態」だ』
    ■長谷川幸洋『言論弾圧は左翼の専売特許』
    ■百田尚樹×有本香『「安倍潰し報道」は犯罪だ!』
    ■高村正彦『日本を託せるのは安倍晋三しかいない』
    ■鈴木宗男『都議選惨敗は、自民党の追い風に』
    ■加藤清隆×末延吉正『ワイドショーの作り方、教えます』

     執筆者もかなりかぶっているし、どっちがどっちの記事だか、全く見分けがつかない。
    「WiLL」の創刊編集長・花田紀凱は版元・ワック出版のワンマン社長と喧嘩になって11年間務めた編集長を解任され、編集部員全員を引き連れて退社。飛鳥新社で昨年、「WiLL」にそっくりな新雑誌「Hanada」を創刊した。
     そんな因縁がある以上、「Hanada」は意地でも少しは「WiLL」とは違いを出すかと思ったのだが、全く一緒で区別がつかないものになっているのだから、みっともないことこの上ない。
     なお編集部員が全員辞めた「WiLL」は、一時は発行が困難かとも囁かれたが、何の支障もなく継続している。要するにネトウヨ雑誌など誰にでも作れるのだ。そして誰が作ろうと、ネトウヨ情報が欲しいのにネットを使えず、金は持ってる年寄りがまだ生きているから、そこそこ売れるのだ。

     それにしても、両誌そろって「安倍ちゃんは悪くない! 悪いのは朝日新聞だ!石破茂だ!前川喜平だ!これは全部フェイクニュースだ、マスゴミの陰謀だ―――!!」の大合唱なのだから呆れる。
     あまりにも世間の常識から逸脱している。まるで『新戦争論』で描いた「ブラジル勝ち組」みたいだ。