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  • 「帰属なき個は獣以下である」小林よしのりライジング号外

    2017-11-14 16:25190
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    (号外 2017.11.14)

    【目次】
    1. ゴーマニズム宣言・第252回「帰属なき個は獣以下である」
    2. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第56回「“エアビー”で大阪、民泊してみた」



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    第252回「帰属なき個は獣以下である」

     神奈川県座間市で、わずか2か月ほどの間に9人が殺害されるという事件が起きた。
     被害者は、行方不明になった交際相手を探していて事件に巻き込まれた男性一人を除き、全員が10代・20代の女性で、容疑者の白石隆浩という27歳の男は、自殺願望を持つ女性とツイッターでコンタクトを取り、自宅に呼び寄せては殺していた。
     ツイッターのアカウント名で呼び合っていたため相手の本名すら知らず、どうせ死にたい奴なんだからと、罪悪感もなく犯行に及んだのだろう。
     白石は次々に餌食にする女性をツイッターで漁っては、本当は自分には死ぬ気などさらさらないのに「一緒に死のう」などとダイレクトメールを送って気を引き、呼び出して犯して殺し、金目のものは全て奪い、遺体を浴室でバラバラにして、骨から肉をそぎ落とし、生首をクーラーボックスに入れて保存していた。証拠隠滅のために遺体をバラバラにしたのなら、こんなことはしないものなので、死体愛好的な異常性欲の可能性もあるらしい。
     それにしても今の日本には、ツイッターでやり取りしただけでどこの誰ともわからない、名前も知らない男の家に訪ねて行くような無防備な女子がものすごくいっぱいいるようだ。だからたった2か月で、8人もが餌食にされてしまったのだろう。

     白石は家族とも絶縁状態、職は転々として定着せず、居住していたアパートの近隣でも交友関係はほとんどなく、全く社会から孤立しており、今年6月頃には「生きていても意味が無い」などと漏らしていたという。
     わしは『戦争論』などでいつも、「個人」とは社会のヨコ軸と歴史のタテ軸の交差するところに形成されると説いている。
     社会のヨコ軸である共同体に一切帰属意識がなく、歴史のタテ軸など意識することもなく、何にも縛られていない一個人というものがあるとすれば、それこそが白石隆浩なのだ。
     一切の帰属から解き放たれた個人は、性欲だけのケモノになる。
     いや、そう言ってはケモノに失礼だ。
     ケモノは本能のルールから外れた行動はしない。異常性欲のために仲間を無駄に殺すなんてことはやらないのだ。
     ヒトは本能が壊れたサルだから、帰属による縛りがなくなったら、ケモノ以下の醜悪な生き物になってしまうのである。

     幼女4人を連続誘拐・殺害して平成元年(1989)に逮捕され、平成20年(2008)死刑執行された宮崎勤も、家族や職場などに一切の帰属意識を持っていなかった。
     唯一、心を通わせていたのが祖父だったが、その祖父が死んで、3か月後には最初の犯行に及んでいる。
     祖父が死んで社会のヨコ軸からも、歴史のタテ軸からも、全ての属性から切り離され、後には性欲しか残らなかったわけだ。
     しかも、まともな社会から切り離されていたために大人の女性には相手にされず、性欲の対象が幼女だけになってしまった。それも、当然ながら幼女にも拒否されるから、拉致した途端に殺害するということを繰り返したのだ。
     逮捕されると、取り調べの刑事が真面目に自分の言うことを聞いてくれるから、宮崎にとってこれが唯一の人間関係となった。それで普通なら黙秘するところを、刑事との属性を感じたがために、あっさりと洗いざらい自白したのだった。

     人は何にも縛られない一個人になったら、ケモノ以下にまで堕ちる。 
  • 「伊藤詩織『Black Box』と三浦瑠麗」小林よしのりライジング Vol.246

    2017-11-07 20:55244
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    第246号 2017.11.7発行

    「小林よしのりライジング」
    『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
    毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

    【今週のお知らせ】
    ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…元TBS記者で安倍首相と親交の深い山口敬之氏からのレイプ被害を告発した伊藤詩織さんの著書『Black Box』(文藝春秋)。被害を受けた詩織さんが、ジャーナリストとして世に問題提起しなければならないという使命感から必死の思いで行動し、書き上げたものだ。しかし、彼女に巧妙に寄り添ったふりをしながら同書を推薦しつつ、実は彼女の意志は全否定し政権擁護に利用する、姑息な女性論客がいる。その巧妙な言論を徹底解説!表面的な薄っぺらい言葉の数々に騙されるな!
    ※「ゴーマニズム宣言」…今回の衆院選でも若者の自民党支持率は高く、若者の「保守化」が進んでいると言われていたが、その若者の心理分析が少々違っていたらしい。読売新聞社と早稲田大学現代政治経済研究所が共同で行った調査では、若い世代ほど自民党を「リベラル」と認識しており、逆に民進党や共産党は保守政党、守旧派だと思っているという結果が出たという。若者は自民党をリベラルと思って支持し、年寄りは保守と思って支持している…なぜこんなヘンテコな現象が起きているのだろうか?
    ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!煽り運転をする車に遭遇したらどうする?米大統領にゴルフ接待する意味とは?パソコンばっかりするパパを怒って!創作の原動力とは?古典の名作が著作権切れで無料で読めることは果たして正しいこと?偏食の女性と食事した事はある?チョコに合うのはピーナツとアーモンド、どっち?山尾議員が立憲民主党に入党されなかったのはなぜ?…等々、よしりんの回答や如何に!?


    【今週の目次】
    1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第55回「伊藤詩織『Black Box』と三浦瑠麗」
    2. ゴーマニズム宣言・第251回「若者は自民党をリベラルだって?」
    3. しゃべらせてクリ!・第204回「必勝!ぽっくんの選挙演説大作戦ぶぁい!の巻の巻〈後編〉」
    4. Q&Aコーナー
    5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
    6. 編集後記




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    第55回「伊藤詩織『Black Box』と三浦瑠麗」

     元TBS記者で安倍首相と親交の深い山口敬之氏からのレイプ被害を告発した伊藤詩織さんの著書『Black Box』(文藝春秋)を読んだ。

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     これまで『週刊新潮』の取材記事と、ご本人の記者会見によって、逮捕状が発布されていた山口氏による性犯罪が警察トップによって握りつぶされていたこと、さらに、山口氏本人が内閣情報調査室の人間に“事後処理”を依頼していたことなど、権力者と性犯罪者の卑劣すぎる共謀関係が報じられてきた。
     この本では、被害を受けた詩織さんが、心の傷を負ってボロボロになりながらも、ジャーナリストとして、自身の身に降りかかったことから逃げることなく、世に問題提起しなければならないという使命感から必死の思いで行動し、書き上げたものだ。

    「伝える」ことが強い目的になっており、事件の全容とその後の山口とのメールのやりとり全文、独自の調査、浮上する疑問点、デートレイプドラッグの実態、性犯罪被害者をめぐる現状、被害にあった時の対処法などが全体としてかなり精細に、丁寧に、冷静に、そして抑制的な筆致でつづられている。
     被害者としての本音を吐露した部分は、本当はもっと痛々しく息苦しいほど濃密な表現を選んでもおかしくなかっただろう。けれど、自己憐憫に陥らないよう踏みとどまり、この事件を“公の問題”としてスポットを当てようとする姿勢は本当に立派だし、並みの勇気ではないと思う。

     なかでも、詩織さんが一番かわいがり、この子の将来を守りたいと思い、記者会見の動機のひとつにもなった、年の離れた妹さんが、その記者会見とその後のネット上の中傷などによって傷つき、拒絶反応を示して連絡をとることすらできなくなったこと、そして、詩織さん本人が事件後の一連の経過のなかで、自死を思わせる心理状態を何度も何度も体験していたことは、読み手としてつらく、胸のつまる思いをした。

     警察の捜査を経て裁判所から発布された逮捕状が、警察トップからの電話一本で執行中止になり、加害者は安倍政権の御用コメンテーターとして各局ワイドショーで大活躍、被害者本人が顔出しで記者会見を行って不公正を訴えているという大事件。
     しかし、なぜメディアはほとんど後追い報道をしなかったのか? 八つ墓村の因習で、女性政治家のスキャンダルには執拗に食いつくのに、なぜ?
    「忖度という空気」の蔓延かと思っていたら、本の中で、政府から明らかな報道自粛要請があったと明かされており、驚愕した。
     翌日、知人のジャーナリストからも連絡があった。
    「政府サイドが各メディアに対し、あれは筋の悪いネタだから触れないほうが良いなどと、報道自粛を勧めている。各社がもともと及び腰なのは想像がつくが、これでは会見を報道する社があるかどうか……。
     でも、会見はやるべきで、ただ、工夫が必要ですね。しかし、なぜ政府サイドがここまで本件に介入する必要があるのか、不可解」
     矢継ぎ早の連絡に、気持ちが混乱した。
     そんな時、「週刊新潮」の記者に、メディアに対して私の会見に関する報道自粛を求める動きが、水面下で拡がっているらしいと話すと、彼は軽い調子で、
    「ああ、知ってますよ」
     と言った。「だから何?」というようなその姿勢に、私はとても勇気づけられた。
    (伊藤詩織『Black Box』より)

     圧力に負けず、取材を断行したのは、「週刊新潮」の記者だけだったのだ。
     メディア関係者のなかには「タクシーでホテルに到着した詩織さんには意識があり、自分で嘔吐物を処理しており、歩いてホテルに入っていった。だから合意のもとでの行為なんだ」というデマをばらまく者もいたという。
     意識不明になった詩織さん(デートレイプドラッグを盛られた可能性がある)が、ぐらぐらのまま山口氏に担がれ、床に足もつかないままホテルに連れ込まれていく様子が防犯カメラの映像として残っており、タクシー運転手、ベルボーイにも目撃されているという事実があるのに、である。
     証拠があるのに確かめもせず、デマを鵜呑みにして言いふらすなど、どこのメディアだ? 職務上もっともやってはならないことだろう。

    ■政府によるあきらかな被害者弾圧

     記者会見を行うと、詩織さんが「共謀罪の審議が長引いて、刑法改正案の審議が遅れている」と発言したのを取り沙汰して、「共謀罪に言及した政治的な会見だ。バックには民進党がいるらしい」という憶測がネット上に流れた。その後は、詩織さんのもとに嫌がらせや脅し、誹謗中傷の嵐がやってきたという。

     既に連載第40回「内閣ぐるみ!強姦犯・山口敬之の無罪放免を許すな」で書いたが、詩織さんに対するネットの憶測と誹謗中傷の元凶は、内閣情報調査室が作り上げ、ばら撒いたデマだということが発覚している。政府は「民進党が党利党略のために告発を仕組んだ」というデマをでっち上げ、チャート図を作ってマスコミに配布していたのだ。 
  • 「立憲民主党への警告」小林よしのりライジング Vol.245

    2017-10-24 19:05326
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    第245号 2017.10.24発行

    「小林よしのりライジング」
    『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
    毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

    【今週のお知らせ】
    ※「ゴーマニズム宣言」…今回の衆議院選挙での立憲民主党の躍進は喜ばしい。しかし、「立憲民主党=護憲政党」「リベラル=護憲」という誤解は未だに多くの国民が抱いている。有事を一切想定せず、9条を護っていれば平和になると思っている「お花畑」の人だと思われては信頼を失うだけである。躍進した今だからこそ、立憲民主党に警告する!
    ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…「自公大勝300議席超」「安倍晋三首相の5年近くにわたる政権運営が信任され」「首相の強運生かすとき」「つくづく安倍晋三首相は強運の持ち主だ」…平成29年10月23日(月)の産経新聞朝刊におどる言葉だ。権力共謀の第一人者である産経新聞に散見される、目を疑うような記事とは!?
    ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!立憲民主党ができた点においては、小池&前原も役に立ったといえる?組織の中で発言権・信頼を得るために、時には組織の論理に従うことも必要?お酒に飲まれてしまった経験はある?もし女性に生まれていたら?今秋の新ドラマで注目している作品は?個人献金って意義ある?女人禁制の島である沖ノ島が世界遺産になるのは矛盾しているのでは?…等々、よしりんの回答や如何に!?


    【今週の目次】
    1. ゴーマニズム宣言・第250回「立憲民主党への警告」
    2. しゃべらせてクリ!・第203回「必勝!ぽっくんの選挙演説大作戦ぶぁい!の巻の巻〈前編〉」
    3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第54回「権力共謀の第一人者・産経新聞を読む」
    4. Q&Aコーナー
    5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
    6. 編集後記




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    第250回「立憲民主党への警告」

     選挙戦の最中、辻元清美が街頭で支持者に対して「やっぱり9条は守らないとね!」とか言っている場面をテレビで見たが、あれは「あちゃちゃ~~~」と思った。
     テレビの側も、立憲民主党は護憲政党だという思い込みがあるからそういう発言を切り取って使うわけだが、こういうことが繰り返されれば「リベラル=護憲」「立憲民主=護憲」という誤解が定着してしまう。
     こんなイメージを広げてはいけない。あくまでも、立憲民主党は辻元のような護憲派ばかりではなく、改憲派のわしが応援演説をするような、保守の部分もあるという印象をつけておかなければならない。
     もちろん枝野代表も、そのためにわしを応援演説に使ったのだろう。

     そもそも北朝鮮情勢が緊迫しているとか言ってる状況の中で、呑気に選挙なんかやっていられたのは、いざとなったら自衛隊の指揮権が全部米軍に委託されることになっているからだ。
     北朝鮮有事の際にどうするかは、どうせ米軍が決めること。日本は何も考えなくてもいいから、遊んでいられるのだ。
     これは、誰が政権を取っても同じことだ。それなのに、有事の場合には安倍晋三が首相じゃないといけないかのような雰囲気が作られてしまっている。
     福島第一原発事故の際の民主党政権の対応がまずかったから、そんな観念が出来上がってしまったのだが、もしあの当時自民党政権だったとしても、やはり大混乱になっただけのはずだ。あの時は、誰がやったって同じだったのである。
     北朝鮮有事でも同じことで、誰が首相だってダメに決まっている。今度は特に、有事になれば米軍の指揮下に入ってしまうことが決まっているのだから、日本の首相なんか、いてもいなくてもどうでもいいのである。
     それなのにみんな勘違いして、本当は何もできやしないのに、有事を考えればやっぱりタカ派の安倍の方がいいだろうというイメージだけで、自民党に票を入れてしまうのだ。
     今回の自民圧勝には、そういう隠れた構図も存在している。

     週刊現代10月14・21日号に、米軍が北朝鮮を空爆した場合、北朝鮮の報復攻撃の対象は、日本に対してはまず米軍横須賀基地、次に北朝鮮を攻撃した米軍基地、そしてその次が「日本海側に広がる原発」だと語る、朝鮮労働党幹部の話とされる記事が載った。
     10月17日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」ではこの記事を基に、実際に北朝鮮が原発を攻撃した場合、どの程度の脅威があるのかという話題を取り上げた。
     日本海側には9カ所25基の原発があり、そのうち福井県の高浜原発2基が稼働中である。
     番組では、元防衛相・森本敏の「原発の炉の中は大丈夫だと思います。ミサイル攻撃は炉の中を破壊することは出来ないのです」というコメントを紹介。
     さらにスタジオでは元自衛艦隊司令官・香田洋二が森本のコメントを補足し、北朝鮮が日本を攻撃するとしたらおそらくノドンミサイルを使うだろうが、ノドンの精度は誤差1キロ以上あるので、原発を狙って撃つのには無理があるし、原発の建物は対爆弾構造になっているので、通常弾頭ならある程度の直撃を受けても、原子炉に被害は及ばない設計になっていると説明した。
     ところがこれに対してコメンテーターの玉川徹が、実際に原子炉の設計をしていた元ジェネラル・エレクトリック社の佐藤暁に取材したところ、原発を作った時点では、もともとミサイル攻撃など想定しておらず、直撃したらもうダメだという回答だったと発言すると、香田はしどろもどろになっていた。
     わしも、森本や香田の話は信用できないと思う。若狭湾には数十キロの範囲に14基もの原発が密集している。北朝鮮はノドンミサイルなら大量に保有しているから、これを何発も若狭湾岸に打ち込めば、多少誤差があってもどれかは原発に当たるだろう。そして、原子炉がミサイル攻撃を受けても無傷で済むとは思えない。
     稼働中の原子炉が破壊されると、ヨウ素、キセノン、クリプトンといった放射性物質を含むガスが流出し、人体にとっては命にかかわる影響が出る。
     停止中の原発の場合は、ガスは出てこないものの、セシウムなどの放射性物質が出て来てゆっくり周囲が汚染される。

     また、さらに懸念されるのは電磁パルス攻撃だ。