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そろそろ時間だ。
私はノートPCを手に、ドアの前に立った。
――反撃を、相手は予想しているだろうか?
私は自身の行動を想像する。とにかく先手を取るべきだと思った。ドアが開くと、すぐに行動した方がよい。
敵に駆け寄る。まず一発殴る。思う存分恨みを込めて。それから、一目散に逃げ出そう。
――久瀬くん。
彼は無事だろうか? できるならこのビル内を駆け回って、彼を探したかった。それは許される行動だろうか? わからない。敵がひとりだけなら、なんとかなるような気もした。そう思うと、はやくこのドアが開いて欲しかった。
ごくり、と喉を鳴らす。じんわりと背中に汗をかく。ノートPCを構える手が震える。それが重さのせいなのか、立て続けに起こる緊張のせいなのか、自分では判断できない。
たぶん10分ほど待っただろうか。いや、さすがにそれは嘘だ。きっと、もっと短いはずだ。私は正常な心理状態ではない。少なくともそのことは自覚していた方がいい。そう考えた時、足音が聞こえた。
こちらに近づいてくる。
もう一度、喉を鳴らす。気配がドアの前で止まる。
来る。ノートPCをぎゅっと握る。
「みさき!」
と、声が聞こえた。
頭の中が真っ白になった。久瀬くん?
よかった。無事だったのか。安心して、今日何度目かの涙が滲む。身体から力が抜けた。
彼の声に応えようとして、その時だった。
なにかが、口元にぶつかる。
――え?
手? どうして?
それは冷たい手だった。冷たい手が、背後から私の口を塞いでいた。ノートPCが落下する。足元で鈍い音が響いた。
強い力で押さえつけられたまま、それでも強引に首を捻ると、かろうじてサングラスをかけた顔がみえた。男だ。さっきのスーツとは違う。細身だが背の高い男。
どうやって? と、まず思った。この部屋には、さっきまで、私ひとりしかいなかった。絶対に。
隠れる場所はない。窓もない。ドアは開いていない。理解できない。
「まだ生きてたのかよ。奇跡的だな」
口元を塞がれたまま、もう一本の腕が、私の首に絡みついた。息ができない。
「でもな、奇跡ってのは、絶望的に数が足りないから奇跡って呼ばれるんだよ」
音が遠くなる。
久瀬くんがドアの向こうでなにかを叫んでいるけれど、上手く聞きとれない。自分の鼓動すら、ぼやけて聞こえる。
意識が遠のくのを感じた。
かえ @KaedeMattyalv 2014-07-25 21:06:08
え、みさきちゃん…
VIOLA@『bell』参加中 @viola_vfreaqs 2014-07-25 21:06:19
ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
闇の隠居 @yamino_inkyo 2014-07-25 21:06:33
えええええええええ、どうしてーーー!
和雄@7/31大富豪8/01カジロワ? @kazuo_niconico 2014-07-25 21:06:46
やっぱり「スイマ」は複数犯か!
上月春駆 @koruku_xyz 2014-07-25 21:07:11
っっっ!!!なん・・・だと・・・!?
よもぎ@3D小説参加中 @hana87kko 2014-07-25 21:07:11
誰だてメぇぇぇぇ!!!!
yunyanpuru @yunyanpuru 2014-07-25 21:07:50
スーツマン嫌い
もっち @mochi_0307 2014-07-25 21:08:23
二人いる!?しかも部屋のなか!?
poto(FF14でゅらんだる鯖) @potofunny 2014-07-25 21:09:11
∑(゚Д゚)
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