スーパーサイエンスハイスクール事業校を筆頭に,各学校に資料をお送りしていく予定です。本書の特徴,豊富な事例集が裏面で紹介されています。もし,どうしてもほしいという人がいれば,化学同人さんに連絡してみてください。
図1 配布用資料
研究のルールを守らずに起こる「研究不正」と聞くと,悪意を持ったねつ造や改ざんを思い浮かべるかもしれません。しかし,プロ・アマチュアを問わず,多くの研究不正行為は悪意のない「これくらいならいいだろう」から生まれています。研究のルール,研究倫理において重要なことは,悪意を持っているかどうかではなく,ルールを遵守しているかどうかであることを忘れてはいけません。たとえば,スポーツの試合で,悪気を持ってルール違反をする人は少ないでしょう。しかし,ルールに反していれば反則を取られるのです。
本書で以下に紹介する,ケーススタディ・シミュレーションでの事例は,ほぼすべてについて人材育成事業を行っているなかで見聞きしたものです。つまり,あなた自身にとっても起こりうる問題です。どの事例でも,望ましくない行為をした子どもは悪気はありませんでした。しかし,悪意のあるなしとは無関係に,望ましくない行為は研究不正として扱われてしまうのです。あなたにとって,大事な瞬間に悲劇が起こらないように,ルールを知っておかねばならないのです。
ケーススタディは何が良くなかったのかを解説する事例集です。主人公のぼく,お姉ちゃん,科学者の利香さんとともに考えましょう。
図2 ケーススタディ
シミュレーションは,みなさんが話し合うための事例集です。実際の自由研究や探究活動で起こりうる状況で,あなたはどのように判断するでしょうか。ぜひ,周りの人と話し合ってください。
図3 シミュレーション
13歳からの研究倫理(化学同人社)