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民営化後 役員数6倍
高速3社 おかしいぞ
9人が死亡する大惨事となった中央自動車道笹子トンネルの崩落事故で、改修費用への懸念から対策を先延ばしするなど、安全軽視の姿勢が厳しく問われています。自民党・小泉政権が「官から民へ」の名のもと、公共サービスを切り捨てる「民営化」路線を進めた結果ですが、高速各社にはあいも変わらず、官僚が天下りし、高額報酬を受け取り続けていたことが分かりました。
旧日本道路公団は、2005年に「東日本」「中日本」「西日本」の3高速会社に分割されました。この民営化の際、検査・補修の規定緩和とともに、人減らしや下請け会社の切り捨てなどがおこなわれましたが、旧道路公団時代の総裁、副総裁、理事の計8人だった役員数は3社合わせて51人と、約6倍に増えています。(表参照)
「中日本」の役員のうち2人は国土交通省ОB(うち1人は出向)です。取締役6人の年間報酬総額は1億1158万1000円(11年6月27日現在)で、平均1860万円の高額報酬となっています。
「東日本」にも国交省大臣官房審議官が取締役に、名古屋国税局長、国交省大臣官房審議官(北海道局)をへて、横浜税関長で退職した官僚OBが監査役に天下りしています。
高速道路の保守点検、維持などにあたる3高速会社のファミリー企業の役員には、3社あわせて58社に計146人の旧道路公団出身者が天下りしています。
「西日本」は10月1日現在、官僚の天下りはいません。しかし、関東地方建設局長を務めた建設官僚が、財団法人「日本建設情報総合センター」審議役、広島高速道路公社理事長をへて、「西日本」常務に天下り。いまは西日本高速道路メンテナンス関西など、ファミリー企業3社の監査役を兼任しています。