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安倍政権と正面から対決、新たな躍進をめざす―NHK党首インタビュー 志位委員長が語る
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安倍政権と正面から対決、新たな躍進をめざす―NHK党首インタビュー 志位委員長が語る

2014-01-20 10:52

     日本共産党の志位和夫委員長が19日、NHK日曜討論の党首インタビューで発言した内容は以下の通りです。

    躍進のなか迎えた党大会

    2010年代に党勢倍加で、実力のうえでも「自共対決」時代を

     島田敏男解説委員 よろしくお願いします。

     志位和夫委員長 よろしくお願いします。

     島田 共産党は、「自共対決」を掲げて去年の参議院選挙で議席を増やしましたね。2014年、今年は一段の党勢拡大をどうはかっていきますか。

     志位 昨日(18日)まで党大会をやりまして、安倍政権の、国民の暮らし、平和、民主主義を壊す暴走に対して、正面から対決する。同時に、どんな問題でも国民の立場で対案を示す。国民とともに共同してたたかう。対決・対案・共同――この三つの政治姿勢を堅持してさらに躍進しようと思います。

     そして大会では、実力のうえでも「自共対決」の時代を開こうということを、みんなで確認したのです。政治的には(自共の)対決構図ははっきりしていますが、実力では差があるのも事実ですから、2010年代に党勢の倍増をはかる。50万人の党員、250万人の「しんぶん赤旗」の読者を築いて、どんな情勢のもとでも自力で躍進が開ける、そういう党をつくって、民主連合政府への道を開く年代にしていこうということも確認してきました。

    新中央委員会の体制について

    中央役員に多くの新しい同志を抜てき、若い力の発揮を

     島田 2010年代といいますと、残り6年間ですね。昨日までのその党大会で、ベテランの市田(忠義)書記局長に代わりまして、53歳の山下(芳生)新書記局長が誕生しました。その党勢拡大に向けた動きのなかで、執行部の若返りをはかったということなんでしょうか。

     志位 そうですね。私たちは、前の大会から、とくに意識的にやってきましたが、中央役員の中に新しい同志、若い同志をたくさん抜てきするということをやってきました。全体としても、若い方々の力を発揮するような取り組みをやってきました。そういうなかで、この前の参議院選挙では、30代の吉良(よし子)さん、辰巳(孝太郎)さんが当選するというようなことも起こりました。そういうなかで、執行部としても、山下さんに、若さと経験を生かしてがんばってもらおうということで決めました。

     島田 志位さんご自身はものすごい若いときに委員長になったということで、まだまだ若いということですね。(笑い)

     志位 まだ若いつもりでいます。(笑い)

    アベノミクスで景気回復?

    「景気回復の実感なし」が国民の多数――消費税大増税は絶対にやめるべきだ

     島田 自民・公明の連立政権、景気回復が進んでいると、その実績の強調を、先ほどお2人(安倍晋三首相、山口那津男・公明代表)もしていました。志位さんはこのアベノミクスの政策展開というのをどう考えていますか。

     志位 首相は、「景気は良くなった」とおっしゃるんですが、どんな世論調査をしましても、国民の多数は「景気回復の実感がない」と答えておられるわけです。GDP(国内総生産)のわずかな伸びをかろうじて支えているのは、消費税増税前の駆け込み需要と公共事業の積み増しで、肝心の働く人の賃金は18カ月連続でマイナスになっています。

     ですからこういう経済状況の下で、消費税を8%に上げると8兆円の増税、社会保障の負担増と給付減で2兆円、あわせて10兆円もの負担増ですが、こんな巨額の負担増をかぶせたら、これは国民の暮らしを壊すだけでなく、経済も財政も共倒れになりますから、これは絶対にやめるべきだということを強く言いたいですね。

    デフレ脱却には何が必要か

    賃上げと安定した雇用の拡大をはかるパッケージの政策を

     島田 共産党はブラック企業対策などを訴えていますけれど、デフレ脱却ということを考えますとどういう政策が必要とお考えでしょうか。

     志位 やはり一番のカギとなるのが、賃上げと安定した雇用の拡大だと思っています。

     大企業には、270兆円という巨額の内部留保が滞留しているわけですね。この一部を活用して、大幅な賃上げをはかる。

     それから、中小企業の方々への手当てをきちんとしながら、最低賃金を時給1000円以上に引き上げる。

     それから、雇用のルールを強めて、非正規社員の方を正社員にする、安定した雇用を増やす。

     こういう一連のパッケージの政策を打つことによって、国民の賃金を引き上げる、そして安定した雇用を増やすことで、家計を活発にし、内需を活発にし、デフレ脱却の道を開くと。これが一番のカギだと思っています。

    集団的自衛権行使容認の動きをどうみる

    「自衛」とは無縁、米国とともに「海外で戦争する国」づくりは許さない

     島田 安倍政権の安保政策についてです。集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈の変更を進めようとする動きに対し、共産党は「解釈改憲は認められない」と主張してきていますね。安倍総理が強く意欲を示しているこの問題、共産党はどう対処していきますか。

     志位 集団的自衛権といいますと、「自衛」という言葉が入っているものですから誤解されることもあるのですが、いかなる意味でも日本の「自衛」とは関係ない、アメリカ本土の「自衛」とも関係ありません。

     戦後の歴史のなかで、国連憲章51条にもとづく集団的自衛権が発動されたのは、アメリカのベトナム戦争、旧ソ連のチェコスロバキアやアフガニスタン侵略など、大国の侵略と介入の口実とされたのが、事実なんですね。

     じゃあ、(安倍政権は)何を狙っているのか。現実的な狙いは何かといったら、アメリカといっしょに「海外で戦争する国」をつくることです。

     これまでも、アメリカが、アフガニスタン戦争(2001年)にのりだす、イラク戦争(2003年)にのりだす、そして自衛隊が応援に出ました。しかし、集団的自衛権が行使できないということが「歯止め」になって、戦闘地域には行けなかった、戦闘行動はできなかった。ところが、(集団的自衛権行使容認で)この「歯止め」がなくなりますと、米軍とともに戦闘地域にまで行って、戦闘行動をおこなう(ことになる)。そうしますと外国人を殺すことにもなるでしょう。殺されることも起こるでしょう。そういう国にしてはならないということを、私は強くいいたいですね。

    東京都知事選挙にどうのぞむ

    安倍政権の暴走に審判、「逆立ち」都政をただす――宇都宮氏の勝利に力つくす

     島田 直近の政治の動きのなかで、東京都知事選挙、大きな選択の機会を持っていますね。共産党は宇都宮(けんじ)さんを推薦していますが、同じく「脱原発」を掲げる細川(護熙)さんとの一本化調整というのはあるのですかね。

     志位 これはありえませんね。都知事選ということを考えた場合に、二つの意味で大きな選択が問われると思うのですね。

     一つは、安倍政権の、暮らし、平和、民主主義を壊す暴走に対して、都民的審判を下す場になるということです。内容は、原発問題ももちろん大事ですが、同時に、消費税の問題、秘密保護法の問題、憲法の問題、やはり全体に対する審判が問われると思います。

     もう一つは、都政のあり方の問題です。この間、石原都政、猪瀬都政がやってきたことというのは、都民の福祉と暮らしを削る、お年寄りの医療の問題、あるいはシルバーパスの問題、さんざん削りに削って、そしてお金を、たとえば1メートル1億円の東京外環道のような巨大開発にそそぐ。私たちは、「逆立ち」都政といってきましたが、これをただす。

     この二つの願いをたくせるのは宇都宮さんだけですから、勝利のために力をつくしたいと思っています。

    通常国会にどうのぞむ

    安倍政権の暴走と国民のたたかいが激突する国会に

     島田 志位さんは、昨日までの党大会のなかで、「安倍政権はアクセルだけで、ブレーキがついていない暴走車だ」と、こう批判しましたが、通常国会ではどう向きあっていきますか。

     志位 安倍政権の暴走と国民のたたかいが本当に激突する国会になってくると思っています。

     暮らしの問題では、消費税増税ストップ、雇用のルール破壊、社会保障切リ捨て、TPP(環太平洋連携協定)などが大きな問題になってくると思います。国民の暮らしを応援して経済を立て直す対案を掲げてがんばりたい。

     それから、原発の問題では、原発を推進するのか、即時ゼロにいくのか、これも大きな争点になってきます。

     さらに、沖縄の(名護市)辺野古へ新基地をつくる、この暴挙に対して私たちは断固反対でがんばっていますが、「基地のない沖縄」、「基地のない日本」への道を開く、そういう論陣も張っていきたいと思います。

     私たちは、(参議院で)議案提案権を得ましたので、国会には、秘密保護法の廃止法案、あるいはブラック企業規制法案を出して、提案という点でもがんばっていきたいと思います。

     島田 ありがとうございます。

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