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教育のつどい―子どもが大切にされる学校を
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教育のつどい―子どもが大切にされる学校を

2014-08-14 10:13

    主張

    教育のつどい

    子どもが大切にされる学校を

     「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2014」(教育のつどい=同実行委員会主催)が16日から3日間、高松市内で開かれます。全国から教職員・父母・教育研究者・市民らが集まり、七つのフォーラムや28の分科会で、悩みを出し合い、経験を語り合って、一人ひとりの子どもたちのための教育を実現しようと議論を繰り広げます。

    子どもに心寄せた実践

     「つどい」では三百数十本のリポートが発表されます。

     ある中学校教師のリポートは、校内暴力で鑑別所に送られたAくんをはじめとする荒れた生徒との苦闘の記録です。子どもたちに声をかけ、信頼関係をつくることに努めました。Aくんには手紙を書き続けます。生徒を追いかけ、暴言をはかれる毎日でしたが、生徒が「おれを追いかけてくれよ」「私の相手をしてよ」といっているかのようだったといいます。

     東京のNPО法人の女性は、「高校に行けるかわからない。通知表に1があるから」ともらした中学生を相手に、無料塾を始めた経験を報告します。

     点数競争ではなく、確かな学力を子どもたちに保障しようと、各教科でさまざまに授業を工夫している実践も多数交流されます。

     小・中学校時代に不登校だったりコミュニケーションが苦手だった子どもが多い高校で、生徒がラジオ番組制作に挑戦し、自信をつけていった実践、中学校の特別支援学級で障害のある子どもたちが毎年、劇を発表することで成長している例なども報告されます。子どもたち自身が豊かに伸びる力を持っていることを、各地のリポートが生き生きと示しています。

     「つどい」は、安倍晋三政権による集団的自衛権の行使容認のもとで開かれます。戦争への道は教育と直結しています。戦争は、「教え子を戦場に送る」こと以外の何ものでもないからです。

     安倍首相は4月、国会で「戦後教育のマインドコントロールから抜け出す」と答弁しました。戦後まがりなりにも続いた「人格の完成」のための教育を否定し、「戦争する国」を支える教育にしようというのです。

     『小さいおうち』の作家、中島京子さんは、戦前の国民が「毒に体を慣らすように」非常時を受け入れていったことを今日の世相と重ね指摘しました(「朝日」8日付)。学校現場では気になる変化が続いています。「年々、学校で自由にモノがいえなくなっている」「全国学力テストが始まって以来、平均点にピリピリして、教育とは何かを語りにくい」「子どもの言動をこと細かく縛る変な決まりが学校におりている」。社会の危険な動きと無縁だと誰がいえるでしょうか。

     それだけに今ほど、学校を子どもが楽しみながら成長できる場にするための、国民的な共同が求められている時はありません。

    矛盾深める安倍政権

     安倍政権の暴走は国民との矛盾を深めています。教育の分野でも、教育委員会改悪に保守の人々も批判の声を上げるなど変化がうまれています。子どもを愛し、人間として大切にする営みは、必ずや政治の暴走をただし、日本の教育を豊かに発展させるでしょう。「つどい」の成功を心から期待し、多くの保護者、市民、教員らの参加を呼びかけます。

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