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日本共産党の志位和夫委員長が30日の「国会10万人行動」で行ったスピーチは次の通りです。
参議院で戦争法案の審議が始まって1カ月。審議が進めば進むほど、安倍政権は行き詰まり、まともな答弁ができなくなっています(「そうだ!」の声)。追い詰められるなかで、すでに参院安保特別委員会の審議は77回も中断し、審議途中で散会という事態も起こっています。ここまでボロボロになった法案は、廃案にするしかないではありませんか。(大きな拍手)
安倍首相は、集団的自衛権行使の「具体例」として、パネルまで持ち出して「日本人を輸送する米艦の防護」なるものを言い募りました。しかし、先日の質疑で中谷防衛大臣は、日本人が乗っていなくても集団的自衛権行使はありうると答弁しました。
あれだけ繰り返した「ホルムズ海峡の機雷掃海」についても、当のイラン政府が「封鎖などありえない」と否定するなかで、言えなくなりました。(「そうだ!」の声)
なぜ集団的自衛権行使が必要なのか。その「具体例」としたものがどれもうそデタラメだったということになるではありませんか。うそデタラメの「具体例」しかあげられないということはどういうことか。政府の裁量で何でもできるということです。海外で戦争をするかどうかの判断を政府に白紙委任する――こんな恐ろしい法案を断じて許すわけにはいきません。(大きな拍手)
たとえば参院の審議で、米軍への軍事支援のさいに、自衛隊がどんなものを運ぶことができるのかが衝撃的に明らかになりました。クラスター爆弾、劣化ウラン弾、毒ガス兵器、はては核兵器――非人道兵器も、大量破壊兵器も、法律の上では何でも運べる。そこには何の「歯止め」もありません。憲法9条のもとで、こんなことが許されないのは明らかではありませんか。(「そうだ!」の声、大きな拍手)
内部文書を見ると、「軍軍間の調整所の設置」、「南スーダンPKOへの『駆け付け警護』等の業務拡大」、「南シナ海における警戒監視などへの関与」など、国会に一度も説明されたことのないことがずらりと並んでいます。それを5月26日、衆院で国会審議が始まったその日に、350人もの幹部自衛官を集めて詳細に説明していた。これを「軍の暴走」と言わずして何というのか。(「そうだ!」の声)
戦前は天皇の「大権」――統帥権の独立の名のもとに軍部が暴走しましたが、いまは米軍の「大権」――米軍の指揮下で自衛隊が暴走している。この暴走を「問題ない」という中谷防衛大臣、そして安倍首相は、そろって辞めてもらう以外にないではありませんか。(「そうだ!」の声、指笛、大きな拍手)
ボロボロになった戦争法案は廃案しかない
みなさん、こんにちは(「こんにちは」の声)。日本共産党の志位和夫です。(大きな拍手)参議院で戦争法案の審議が始まって1カ月。審議が進めば進むほど、安倍政権は行き詰まり、まともな答弁ができなくなっています(「そうだ!」の声)。追い詰められるなかで、すでに参院安保特別委員会の審議は77回も中断し、審議途中で散会という事態も起こっています。ここまでボロボロになった法案は、廃案にするしかないではありませんか。(大きな拍手)
集団的自衛権――「具体例」はどれもうそデタラメ
第一に、政府は、戦争法案の根幹部分について、整合的な答弁ができなくなっています。安倍首相は、集団的自衛権行使の「具体例」として、パネルまで持ち出して「日本人を輸送する米艦の防護」なるものを言い募りました。しかし、先日の質疑で中谷防衛大臣は、日本人が乗っていなくても集団的自衛権行使はありうると答弁しました。
あれだけ繰り返した「ホルムズ海峡の機雷掃海」についても、当のイラン政府が「封鎖などありえない」と否定するなかで、言えなくなりました。(「そうだ!」の声)
なぜ集団的自衛権行使が必要なのか。その「具体例」としたものがどれもうそデタラメだったということになるではありませんか。うそデタラメの「具体例」しかあげられないということはどういうことか。政府の裁量で何でもできるということです。海外で戦争をするかどうかの判断を政府に白紙委任する――こんな恐ろしい法案を断じて許すわけにはいきません。(大きな拍手)
米軍への軍事支援――非人道兵器も大量破壊兵器も何でも運べる
第二に、戦争法案が、自衛隊の軍事行動について「歯止め」を持たないことが、さまざまな分野で明らかになってきたことです。たとえば参院の審議で、米軍への軍事支援のさいに、自衛隊がどんなものを運ぶことができるのかが衝撃的に明らかになりました。クラスター爆弾、劣化ウラン弾、毒ガス兵器、はては核兵器――非人道兵器も、大量破壊兵器も、法律の上では何でも運べる。そこには何の「歯止め」もありません。憲法9条のもとで、こんなことが許されないのは明らかではありませんか。(「そうだ!」の声、大きな拍手)
自衛隊の暴走――「問題ない」という首相は辞めてもらうしかない
第三に、自衛隊統幕監部が、戦争法案の成立を前提に、さまざまな項目について極秘に検討を行っていたという大問題が明らかになりました。内部文書を見ると、「軍軍間の調整所の設置」、「南スーダンPKOへの『駆け付け警護』等の業務拡大」、「南シナ海における警戒監視などへの関与」など、国会に一度も説明されたことのないことがずらりと並んでいます。それを5月26日、衆院で国会審議が始まったその日に、350人もの幹部自衛官を集めて詳細に説明していた。これを「軍の暴走」と言わずして何というのか。(「そうだ!」の声)
戦前は天皇の「大権」――統帥権の独立の名のもとに軍部が暴走しましたが、いまは米軍の「大権」――米軍の指揮下で自衛隊が暴走している。この暴走を「問題ない」という中谷防衛大臣、そして安倍首相は、そろって辞めてもらう以外にないではありませんか。(「そうだ!」の声、指笛、大きな拍手)