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(本文)

※今回の記事は大作です。はっきり言って時間がかかりました。

長いですが、真の民主主義の理論を作り上げるのに必要な事なので

是非お読みください!




民主政治は常に愚民化が問題であることは古代ギリシャの時代から

明確に指摘されてきた。


現在の民主政治も相も変わらず古代ギリシャと同じ問題に直面している。


この問題は、個人の精神と民主主義の制度をどのようにして調和させるのか

について考えることで解決策が導き出されると考える。


今回は、その解決策を図形思考を用いて解説する。


※図形思考の大切さ、有効さについては以下の記事をご覧ください

<リンク>福原肇氏が説いた「図形哲学」 民主の原理のモデルを作り出せなかった西洋哲学の欠陥の解明




目指すべき民主社会のモデル図を

「欲望、理性、気概」という精神の働きの部分を

「感情、知性、意志」に変更をした。


また、

・個人の精神の働き

・理性に基づく個人の精神の働きの調和

とした。



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精神の働きを、「欲望、理性、気概」から、

「感情、知性、意志」に変更した理由は、

近代の西欧哲学に決定的な影響を与えた哲学者カントの

述べる「理性」の意味(道徳法則を作り出し、意志をもたらす能力)のほうが

推論や計算の意味でつかわれる「理性」よりも適切だと判断したためだ。


またカントが精神の働きの解釈で用いた、「知性、感情、意志」の意味のほうが

「欲望、理性、気概」よりも一般的だからでもある。


哲学者のカントの理論は、現在の民主政治の本質を理解するうえで

極めて重要なものだ。


カントや同時代の啓蒙思想家の理論をモデルにして、

近代の民主政治は作られてきたのだから。


そのために、現状の操作される民主政治のモデルを作る上では、

カントの理論と言葉の使用方法を参考にしたほうが有効だと今回は判断した。


カントの理論については、以下のように民主政治を作り出してきた

フリーメーソンに決定的な影響を与えている。



(ブログ 読書日記と備忘録より転載)


モーツァルトのオペラ「魔笛」は、フリーメーソンリーの参入儀礼にもとづいて生み出された作品である-


18世紀から19世紀にかけての啓蒙主義の時代の知識人で、メーソンでない人間を探す方が難しい。主要な人物では哲学者のカントくらいなものである。

そのカントも、非メーソンではあったが、必ずしも反メーソンであったわけではない。

また、メーソンの方は、カントを「メーソンリーにとって最も重要な哲学者」として称揚している。(『18世紀ドイツ思想と「秘儀結社」』田村一郎著より) なぜ、こうした事実が大学の一般教養課程も含め、学校教育で一切ふれられないのか。

なぜ、
権威あるアカデミズムやジャーナリズムは、フリーメーソンリーに言及することを避けているのか。謎というほかない。


(転載終了)

このように啓蒙思想も民主主義も作り出してきた主要な勢力は

フリーメーソンとユダヤ国際銀行権力である。


米国憲法も日本国憲法も欧州憲法も世界人権宣言も

フリーメーソンの理論の影響を受けて作られたものだ。


そのフリーメーソンがカントについて

「最も重要な哲学者」

というのだから現在の操作される民主主義・政治を分析するうえで、

カントの理論は重要である。

古代ギリシャのプラトンから18世紀のカント、更に現代まで

人間の精神の働き方を、知・情・意と3つにわける方法がとられる。

※プラトンの場合は欲望、理性、気概と分けている


哲学、倫理学の主知主義や主感主義、主意主義という言葉は、

感情と知性と意思のどの精神の働きの部分を重視するのか、

という立場の違いを表している。


以前のモデルの「欲望」は感情の側面であり、

「理性」は知性の側面であり、

「気概」は意志の側面であった。


そしてカントによると理性には二つの意味がある。


・理論理性(推論の能力)

・実践理性(道徳法則を作り出し、意志を導き出す能力)


以前のモデルの理性は、理論理性(推論の能力)の意味で用いていた。


しかし、民主の原理のモデルと精神の働き「感情(欲望)、知性(理性)、意志(気概)」

を融合させる理論からすれば、理性という言葉を、実践理性の意味で用いる方が

適切なのである。


理性(実践理性)と精神の働き(感情、知性、意志)の関係についてのカントの説明は

以下のとおりである。



(主知主義から人間学へ―カント哲学に学ぶ より以下転載)


http://www2s.biglobe.ne.jp/~ubukata/20060605.htm


カントは、知的理性の限界を指摘し、デカルトに代表される近代哲学の主知主義を超えて、人間の理性には知性だけではなく意志や感情や信仰の働きなど広範な機能があることを認める。彼は「私は信仰に場をあけるために知性を制限しなければならなかった」と、知性が時には自己抑制されるべきであることを象徴的に述べている。カントは、知性や意志や感情や信仰が、ただバラバラに人間の内部に存在していると言っているのではない。知・情・意のすべてを統御し調和させるのが人間の理性であり、理性に統御された全人こそが人間であるというのである。科学も道徳も芸術も宗教も、すべて人間の理性の発現でなければならないのだ。


<中略>


人類が地球を破滅させずに文明生活を持続させるには、私たちが「理性に統御された全人」になるための「自己修養」が必要であることは、カントの時代と少しも変わっていない。むしろそれは、ますます重く険しい課題となっているのである。

(転載終了)



理性に対するとらえ方を

「推論能力」

と狭い意味でとらえるのではなく、カントの述べる、

「善く生きることを目指す法則を生み出す能力」

と定義することのほうが、理性の言語の用い方としても適切である。


カントは理性について以下のような意味で使用している。



プレップ倫理学 柘植尚則 弘文堂より転載


P38~P39


理性とは、道徳法則を立てることによって、意志を導く能力の事です。

カントはこの理性を「実践理性」と呼んでいます。



P40


カントにとって、人間は、理性によって道徳法則を立て、それに従う

自律的な存在です。このような存在を、カントは「人格」と呼んでいます。



P90


カントの立場に立てば、次のような答えになります。

人間は本来、理性的な存在である。そして、理性が命じるのが

道徳である。したがって、人間は道徳に生きるべきである。


(転載終了)



このカントの述べる理性を参考にして、モデルを作り図形思考を行うと、

民主主義と個人の精神の働きの調和を作り上げることが可能になる。


そうすることで、民主主義の問題を克服する方法がビジュアル化され、

多くの人に理解しやすいものになるのだ。


これからそのモデルについて解説をしていく。


理性という言葉の意味をカントが述べるような意味で用いるならば、

理性の全体像は次のようなモデルになる。

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理性によって、人生の目的となる「道徳」を作り出す。

この道徳が図の「理性に基づいた感情」である。

これが目的となるので、縦軸に目的を達成する度合いを示す目標軸が発生する。

また横軸には、目的を達成するのに必要な時間軸が発生する。


この縦軸、横軸の関係から、「現状認識」が生まれる。

これが図の「理性に基づいた知性」となる。


次に、目的を達成するための「手段と方向性」がうまれる。

これが図の「理性に基づいた意志」となる。


この感情、知性、意志の概念を用いて精神の働きを表し、人格の形成を

見ていく考え方は、以下の図のように一般的にも広く用いられている。




(上記図「未来人材育成のための政策立案コンテスト」より転載 http://ur0.pw/FM1n )



カントは道徳性の主体としての人間を「人格」と呼んだ。


そして、今まで説明してきたように、人格を作るには

感情(道徳)、知性(現状認識)、意志(実行)が融合しなければならない。


そもそも、この3つの概念は、それ単独では「人格」を創る概念にはならない。


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上記のようにバラバラな各概念を、統合するのが「理性」である。


この理性によって、感情と知性と意思が統合され、

精神の働きの調和が起こり、民主の原理とも融合するのである。


その流れを今から図解を用いて解説する。


理性に基づいた感情をモデル化すると以下のようになる。

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理性に基づいた道徳法則が創られると、生理的な反応としての

感情の概念は、限定された「理性にもとづいた感情」となる。


理性によって必要な感情の範囲が限定されたことを表している。


次に、「理性に基づいた感情」に基づいた知性がうまれる。


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これによって、感情と知性の概念が理性によって導き出された

道徳法則により融合する。


この道徳法則(感情)と現状認識(知性)の融合する範囲が上記図の赤線の部分となる。

赤線部分が理性から見た必要な感情と知性の範囲を表している。

また赤線以外の範囲の感情や知性は、理性から見れば、不必要なものとして

排除されることも表している。



次に、「理性に基づいた感情と知性」から導き出される意志がうまれる。

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これによって、感情と知性と意志の概念が理性によって融合する。

赤線の部分は感情、知性、意志の調和が行われたことを示している。


この3つの精神の働きの調和によって、道徳に基づいて(感情)、

自律して考え(知性)、行動する(意志)という人格のモデルは完成する。


この3つの精神の働きの調和は、理性によってもたらされたものである。

その精神の働きの調和と、道徳法則の融合をモデル化すると

以下のような図になる。


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精神の働きの調和を示すのが赤い矢印の指し示す、感情、知性、意志の相互規制の

モデルである。

今まで解説してきたとおり、調和した相互規制しあう3つの精神の働きは、

「理性に基づく何らかの道徳法則」との融合がなされることによって実現する。

(この道徳法則の中身は人によって違うものになる。しかし3つの精神と融合する

のはどのような道徳法則でも同じ)


この理性の原理によって精神の働きの3つの概念が相互規制しあう

関係をモデル化すると以下のような図になる。


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感情だけでは何もできず、

知性だけでは行動できず、

意志だけでは何に対して行動するのかが定まらない。


感情と知性と意志を「道徳法則を作り出す理性の原理」によって

上記図のように調和させることが可能になる。


つぎに、この理性の原理のモデルである目的(感情)、現状認識(知性)、行動(意志)と、

民主主義の原理のモデルを道徳法則とする目的達成のモデルを融合させると

以下のような図になる。

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個人の尊厳の実現(人は自由で平等であるという、自由、平等、友愛の諸権利の相互規制)

という民主主義の目的が「民主主義に基づく感情の側面」となる。


その目的から見た現状認識(現実の支配関係の直視という真理)が、

「民主主義に基づく知性の側面」となる。


その感情と知性から導き出される方向性(自由、平等、友愛、真理の相互規制)と

手段(選挙と議会)が、「民主主義に基づく意志の側面」となる。


この3つの精神の働きと、民主の原理の融合の範囲が図の赤線の部分で表される。


融合した赤線の部分を、モデル化すると以下のような図になる。

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これによって、理性の原理によって導かれた、

感情、知性、意志の精神の働きの調和と

自由、平等、友愛、真理の民主の原理の融合が

なされるモデルが完成した。


理性の原理も、図解をすることによって、

民主の原理と融合させることができた。


実際の民主主義と民主政治はこのモデルをもとに

作られている。


しかし、このようなモデルが今の今まで作られてこなかったところに

政治学、哲学などを管理してきたフリーメーソン・ユダヤ・国際銀行権力

の思惑が見える。


このような理性に基づいた精神の原理と、民主の原理を以下のように

学問を用いて無意識化させることで民主政治を巧みに操作してきたのだ。




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国際銀行権力が民主の原理を機能させなくさせる方法については、

以下の記事をご覧ください。

<リンク>民主の原理の完成図 民主の原理の諸権利のモデルが拡大した時の諸概念のモデル図を解説


理性の原理と、民主の原理を融合させるモデルを作り出すことで

民主政治がどのように機能するべきかのビジュアル化が可能となった。


ここから今世紀の民主主義のあり方が導き出されるはずである。



現状の操作される自由民主制を、次のような体制に変革しなければならない。



日米欧の自由民主制の問題点の詳しい解説はこちらの本をお読みください。

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<リンク>頂いた書評の一覧 『世界を騙し続けた[詐欺]経済学原論』 『洗脳政治学原論』

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■動画での解説

<リンク>天野統康氏「人類を自在に操作したマネー権力の魔術」ワールドフォーラム2014年10月

 

<リンク>天野統康氏「世界を騙し続けた【詐欺 経済学】【洗脳 政治学】を越えて」出版記念講演ワールドフォーラム2016年5月