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マネーと政治経済の原理からニュースを読む
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本日の話題
・ニュース
・このニュースから予測される今後の日本の姿
・家計の対策
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・伊、国営企業株など売却 増税避け財政再建 1兆6400億円調達へ
日本経済新聞 11月26日6面
(記事の要約)
イタリア政府が公的債務(財政赤字)の削減のために、
政府が保有する国営企業などの株式を売却する。
最大120億ユーロ(約1兆6400億円)を調達すると表明。
増税を回避しつつ財政再建をすすめる。
今回は8社の株式だが、数ヶ月以内に追加の株式売却を決める可能性がある。
公共放送のRAIやイタリア郵政公社など、同国にはまだ国有企業が多く残っている。
背景には、欧州連合(EU)からの財政再建への圧力がある。
民間企業にとっては、政府系企業株式の取得が、事業拡大の好機になる。
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(私のコメント)
イタリア政府が、拡大する財政赤字を削減するために、
政府系企業の株式の売却を行うという。
このニュースは、イタリアと同じように莫大な財政赤字を抱えている
日本の今後を予測する上で参考になる。
・増税は不人気なので、政府資産の株の売却で、財源をひとまず捻出する予定
・そのためには、郵政公社や公共放送の株などの売却も検討。
・背景には外圧。欧州連合からの圧力。
・民間企業は国営企業株の購入を虎視眈々と狙っている
上記の件は、日本にもそのまま当てはめて予測することが可能だ。
日本も今後は、増税が不人気なので、たんまりある政府の土地や株を売却していくだろう。
そして郵政公社や、水道局など様々な資産が売却される。
それらの株を購入するのは、巨大な資本を持つグローバル企業であろう。
既に、日本も消費税の増税などでIMFなどから外圧をかけられ、その通りに実行をしている。
イタリアと同じでとても外圧に弱い国なのだ。
その理由は、自立した国家でないから。
イタリアの場合はユーロ加盟国、日本の場合はアメリカの従属国。
今後の外圧は国有資産の売却に移るだろう。
何故なら、この外圧を行っているIMFや欧州連合を牛耳っているのが、
欧米の国際金融財閥が主導するグローバル企業連合だからである。
財政赤字を口実に、政府に国有資産の売却を迫り、
その株を買いあさり、公的サービスを独占する。
見事なシナリオである。
そうすると次に起こるのが、公的サービスの低下だ。
何故なら、企業法人は金儲けの営利が目的であり、金儲けを度外視した公的サービス
など行う義務がないからだ。
市民によって選挙で選ばれた政府によって管理されている公的サービスだからこそ、
市民のためのサービスを行う義務を担保できる。
そうでない民間企業にそんなことを期待しても無駄だ。
今後の日本も、IMFや米国などからの圧力と、安倍政権のもとで進められる
新自由主義政策の小さな政府のもとで、郵政公社や水道局などの国有資産の売却が
進められていくだろう。
それを買い取るのは、外資を中心としたグローバル企業である。
日本国民のサービスは一気に悪化していき、何をするのも金がかかるようになる。
金がなければ、サービスを受けられないアメリカのような社会になるだろう。
この問題の根源は、財政赤字問題である。
それでは、何故、財政赤字に陥るのか?
政府が通貨発行権を持っていないからだ。
ここでも、根源的な問題は、通貨発行権に行き着いてしまう。
(対策)
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