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アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第127号(2017/12/8号/月2回発行)
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アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第127号(2017/12/8号/月2回発行)

2017-12-15 13:11

     12月31日23時45分から、BSプレミアムで「あけおめ!声優大集合」5時間生放送!があります。5月の特番からの流れで、僕も出演することになりました。生アフレコなど盛りだくさんの放送です。ご興味ある方は是非。

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    1.最近のお仕事紹介
    2.Q&A
    3.前回のアニメの門チャンネル
    4.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
    5.連載一覧


    最近のお仕事紹介

    1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
     12月16日『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(髙山文彦監督)【受講申込】
     ■1月期 【受講申込】
     1月20日「君にも描ける!絵コンテ講座」特別講師:アニメーション監督 京田知己
     2月17日「アニメと戦争2 『ヤマト』と『ガンダム』編」
     3月17日『君の名は。』

    2.12月のオタクの学校
      12月23日のオタクの学校「アニメを読む」は「声優の歴史」です。知ってるようで知らない声優の歴史や、『声優語』の取材のエピソードなども紹介しつつアニメと声の関係を考えます。予約はこれからです。【講座詳細】

    3.1月のSBS学苑
     1月28日『ラブライブ!The School Idol Movie』
     同作のの魅力について考えます。またプラスαで沼津市が舞台になっている『ラブライブ!サンシャイン』のほうにも触れます。【受講申込】


    Q&A

     「なぜなにアニ門」は今回で最終回です。

    Q:最近いくつかの作品が「共同制作」と銘打っています、「共同」というからには「五分五分の関係で作品に取り組む」ということかと思われますが、クレジットを見るかぎり、複数の制作会社がひとつの作品にタッチしているケースは、これまでも間々あり、プロジェクト内のパワー・バランスは様々とはいえ、それほど珍しい制作形態ではないようにも思われます。ついては、制作会社がタッグを組む理由や意義、それを声高に打ち出す意図、そもそも「共同制作」とは? など思うところを教えてください。(PN:カドワランダー) ※質問が長かったので要約を掲載しました。

    A:投稿の通り、共同制作についてはいろいろパターンがあると思います。「あの有名スタッフがコラボ」的な打ち出しをしたい場合、「有名スタジオの名前を大きく出して企画のメジャー感を出したい場合」いろいろあると思います。ただ、監督の机はかならずどこかのスタジオに置かれるわけで、共同で新スタジオを設けない限り、「現場」を担当する会社と、そうでない会社という組み合わせになるのではないかと思います。また制作会社として資金の出資している場合はその比率でも主従がつく場合はあると思います(もちろん出資比率は対等ということもあるでしょう)。


    前回のアニメの門チャンネル

     前回のアニメの門チャンネルはライター、アオヤギミホコさんをゲストに「20周年記念!『少女革命ウテナ』再考」をお送りしました。 金曜日までTS視聴可能です。
     配信は「『少女革命ウテナ』との出会い」から始まり「ベストバウト」「ベストエピソード」をお互いに紹介し、最後は「ウテナは王子様になったのか」というテーマでディスカッションしました。
     お互いが紹介した「ベストバウト」「ベストエピソード」は以下の通りです。

     ベストバウト
      アオヤギミホコ選
       1位 第23話 デュエリストの条件
       2位 第29話 空より淡き瑠璃色の
       3位 第20話 若葉繁れる
      藤津亮太選
       1位 第7話 見果てぬ樹璃
       2位 第29話 空より淡き瑠璃色の
       3位 第12話 たぶん友情のために

     ベストエピソード
      アオヤギミホコ選
       1位 第39話 いつか一緒に輝いて
       2位 第33話 夜を走る王子
       3位 第17話 死の棘
      藤津亮太選
       1位 第39話 いつか一緒に輝いて
       2位 第33話 夜を走る王子
       3位 第38話 世界の果て


    連載「理想のアニメ原画集を求めて」

    文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)

    第55回『「この世界の片隅に」劇場アニメ原画集』

     『この世界の片隅に』の原画集が出たのは、とても意外でした。
     最近の原画集は、どちらかと言うと、キャラグッズの一種として、キャラクターの絵が見たいファンの需要を見込んで出版される場合が多いように思うからです。そんな中から、作画ファンやアニメ制作に興味のある人にとっても満足感のある本を探すという感覚があります。
     そういう状況を考えると、『この世界の片隅に』の原画集が出たことは、意外に感じられました。

     とは言え、この作品は絵コンテ集も発売されており、初版があっという間に売り切れになった前例もあります。700ページと劇場作品の絵コンテとしても分厚く、3500円という値段にも関わらず売り切れになり、自分も購入できたのは増刷されてからでした。絵コンテという、かなりマニア向けの書物が出たのも驚きなら、この速度で売り切れになったのも、実に珍しいことだなと思っていました。
     劇場公開前から『「この世界の片隅に」公式アートブック』や『この世界の片隅に 劇場アニメ公式ガイドブック』が発売されたり、その後も『ありがとう、うちを見つけてくれて 「この世界の片隅に」公式ファンブック』が出版されたりと、こうして振り返ってみると、実に関連書籍の充実した作品だと思います。そんな中で、原画集は一体どんな内容なんだろうと思いつつ購入してみました。

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     A4の大きめの判型の本で、フルカラー、印刷も綺麗なので、絵が見やすくてよいですね。
     掲載されている原画は、どのような素材なのかが細かく明記されています。単純な表記ではなく、「原画への作監修正」「レイアウトに入れた作監修正」など、工程に関する説明的ニュアンスまで書かれているのが親切でよいですね。
     素材の担当者の名前も細かく明記されています。1カットの中でも複数人の作画担当が入り乱れているカットも少なくなく、ここまで原画集で細かく明記されるのは珍しいことだと思います。

     
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