カレーせんべいさん のコメント
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第187号 2016.8.2発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…前回は、先進国の格差社会のなかに生まれる、一見してそうとは把握しづらい《相対的貧困者》の実態として、「格差の先進国アメリカ~貧困だから太る子供たち」を書いた。今回からは、日本よりも先に米国民間企業からのドメスティック・バイオレンスを浴びまくり、新自由主義を突き進めてしまった韓国の実態を紹介していく。
※「ゴーマニズム宣言」…19人もの障害者を殺害、職員2人を含む26人を負傷させた凶悪犯・植松聖は、日頃から「重度の知的障害者は安楽死させるべきだ」と発言していたらしいが、それが思わぬ飛び火をしてきた。5月に書いたブログ「下流老人の解決方法」の「国民としての役割を果たし終えて、若者の迷惑にしかならない老人は安楽死するのが一番いい」という一節と、植松の妄言を同一視する馬鹿が続出したのだ。“敵”認定した相手にはとことんヒステリックに反発し、揚げ足取りに躍起になり、誤読・歪曲していく者たち…。安楽死と虐殺の区別すらつかないほど、知性・感性が劣化した人間こそが危険である!!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!ポケモンにハマるいい歳した大人をどう思う?天皇陛下の退位に関する報道で、信用できる人は誰?中国の古典「三国志」には興味ある?最近買った女性歌手のCDは何?ロシアの組織的なドーピングに対するIOCの措置をどう思う?選挙において、有力候補以外の弱小候補についても公平に報じるべきでは?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第11回「新自由主義の見本市・韓国――就職浪人と貧困街タルトンネ」
2. ゴーマニズム宣言・第182回「安楽死と虐殺の区別がつかない馬鹿」
3. しゃべらせてクリ!・第147回「茶魔vs影茶魔の対決ぶぁ~い!の巻〈前編〉」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記
第11回「新自由主義の見本市・韓国――就職浪人と貧困街タルトンネ」 前回のトンデモ見聞録では、先進国の格差社会のなかに生まれる、一見してそうとは把握しづらい《相対的貧困者》の実態として、 「格差の先進国アメリカ~貧困だから太る子供たち」 を書いた。アメリカ人といえば「ジャンクフードが好きで太っている」という大雑把なイメージを持つ人は多いと思うが、その実態は「カネがすべて」の新自由主義による際限なき競争のなかで、「野菜が買えず、ジャンクフードやスナック菓子しか食べられない」状態に置かれる《家畜化させられた貧困米国民》でもあった。
こんな米国の奴隷に甘んじ、「NO」と言えずに次々と「構造改革」させられてゆく日本の今後は、一体どうなってしまうのか?
そこで今回からは、 日本よりも先に米国民間企業からのドメスティック・バイオレンスを浴びまくり、新自由主義を突き進めてしまった韓国の実態 を、何回かに分けて紹介していきたいと思う。
◆日本の現状が進行するとこうなる! 韓国の生き残り受験戦争
非常に深刻な格差社会に陥っている韓国は、いま、 上位1%の富裕層が国家全体の収入の45%を独占し、中間層は崩壊、国民の平均年収は3000万ウォン(約290万円)に満たないという状態 である。
多くの若者は就職できずにニートとなるか、跋扈するブラック企業に子供の小遣いのような低賃金で搾取され、年金未加入者は増大。晩婚化・少子化・高齢化も急激に同時進行して、結果、 65歳以上のなんと50%が貧困状態、高齢者世帯の負債率は160.9%の借金漬け という凄まじさである。
日本の若者は「正社員になりたかったけど、派遣でなんとか食うしかない」といった感覚だが、韓国の若者はさらに進行した悲惨さに晒されており、
「大企業(財閥系企業)に入れない……ならば、死」
といった状態だ。
なにしろ、自由競争の進みまくった韓国のブラック企業の《ブラックさ》は、日本の比ではない。
ある有名ホテルは、全従業員140名の従業員のうち、100名を「インターン」として雇い、月収たった3万円で、正社員同様の長時間労働を強いていた。「経歴」が重視される韓国では、インターンとして社会経験を積んでおくと就職が有利になるという考えがあり、多くの就職難の学生たちが、この弱みにつけこまれてインターンとして異常な低賃金で雇われ、残業代も夜勤手当もすべて踏み倒されていたという。
社員を自己破産に追い込んだ製菓会社もある。社員別に日別の販売ノルマを割り当て、これを達成できない社員は帰宅を許さず、また、担当した菓子の在庫返納も一切認めなかった。結果、精神的にも肉体的にも追い込まれた社員は、売れなくても「全部売れた」と報告し、自腹で売り上げを補填しつづけ、自己破産に至ったという。
日本に報じられているものがこれだけ壮絶なのだから、平均的な企業でもどれほどブラックな面を孕んでいるのか、想像すると身震いする。
「我慢してでも働けるだけありがたく思え」
まともな就職先がない韓国社会、そこに「カネがすべて」と手段を選ばず暴利をむさぼる企業の姿勢が横行してしまうのである。
この状況のなかで、韓国の親たちは、なんとかしてわが子を熾烈な受験戦争に勝ち残らせようと、巨額の教育費をつぎ込むのだが……ゴールとなるはずの《まともな就職先》、つまり大企業・財閥系の門は、ほんのわずか。実態はなんと、 大卒者の97%が「まともな就職先争奪戦争」に敗れ、再トライを目指して親元に残り、就職浪人と化してしまう のである。
生き残るために、小さいころから親子一丸となって必死で戦って、戦って、やっと学歴を獲得したのに、中小企業に就職してしまっては、奴隷同然となり一生涯を棒に振る。それならば、親のカネが尽きるまでニートとして粘るほかない、というのが 現実 なのだ。
●ニート増加について韓国人の若者たちは……
「大企業や公務員への就職が難しい中、中小企業に行けば年俸1800~2400万ウォン(約198~264万円)、週6日労働または隔週土曜日勤務、年次休暇なし、手当なし、夜勤・休日勤務手当なし、ビジョンなし、希望なし。ニートが増える訳だ」
「良質の雇用を求めてニートになっているのではない。みんな自分が食べていくのに汲々としているのが実情だ」
「外国人や幼い子供たちは理解できないだろうが、これは韓国の若者の問題ではなく、努力しても明るい未来が望めないことに原因がある」
こうして、韓国には就職浪人が増え続け、ついに2015年、国内の全就業者数のうち、 50代以上の親世代の就業者数(965万5000人)が、20代~30代の青年層の就業者数(936万9000人)を上回るという事態に至ってしまった のである!
◆リストラ・早期退職で「自営業」に転向させられる親世代!
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
ゴー宣道場の師範方に「ゴー宣道場の全国展開」について直訴しに参りました。
まず、私が「ゴー宣道場の全国展開」を目指した動機には【脱正義論】の影響が強くあります。
この本の中で、小林先生は「現場を持て」「プロになれ」「日常を手放すな」
と訴えられたと思います。
たとえば、仮に、小林よしのりの言葉を完全に丸暗記して、小林よしのりと同じような口調と話すことができる人物がいたとします。
その人が、現場を持たず、あるいは日常を放棄した人だったとしたら、一体どういうことになるでしょうか?
周囲の人間から信頼や尊敬を獲得していない人が、いくら小林先生と同じように正論や公論を述べたとしても、人々からは「お前が何をゆーとんねん」で片付けられてしまうと思います。
そこには何の影響力もありません。
現場を持ち、日常を守り、周囲の人から信頼や尊敬を勝ち得た人が発する言葉だからこそ、人々は耳を傾け、影響を与えることだってできるのだと私は思います。
そして「ゴー宣道場」。
『身を修め、現場で戦う覚悟を創る公論の場』
その志と試みを初めて知った時、これが【脱正義論の向こう側にある景色】に繋がるのだと確信しました。
確かにゴー宣道場には、日本会議のような「集票マシーン」のような機能は無いです。
けれども、現場や日常で信頼や尊敬を勝ち得た人々が、ゴー宣道場に参加し、そこで学んだことを自分の現場や日常で孤独に実践することが、広く、長く、政治的な影響を与えることができるのだと私は考えています。
しかしながら、
ゴー宣道場には、
「弱点」があります。
それは、
ゴー宣道場の志や理念に共感し、
注目はしているけれども、
現場や日常を優先するからこそ、
東京には足を運べない。
そんな地方在住の読者が
膨大な数ふるいにかけられていることです!!!
彼ら彼女らの存在は、
目には見えないです。
声も聴こえてきません。
彼ら彼女らは、
読者感想ハガキも出さないです。
ライジングのコメント欄も書かないです。
ツイッターなんてやらないです。
地方ゴー宣道場出欠アンケートにもメールをしないです。
けれども、私は、そういう読者が沢山いることを知ってしまいました!
そして彼ら彼女らの中には、
「ゴー宣道場に参加しないことに対して後ろめたさを感じてしまっている」人までいます!
東京まで行けないと言っても、
「食費を切り詰めたら行けたはずだ・・」
「子どもをベビーシッターに預けたら行けたはずだ・・」
「夫や妻を説得すれば行けたはずだ・・」
そして「今さら参加しても、立派な読者さん達が集まる中では気後れしてしまう・・・」と。
そんな風に、後ろめたい気持ちになることは、一年前の私もそうでした。
だから痛いほど、痛いほどよく分かるのです!
けれども、その全てを理解できたうえで「その考え方は間違っている!!!」と私は叫びたいです。
そんな現場や日常を大切にしている人たちだからこそ、ゴー宣道場に参加し、考えるキッカケをもらい、自分の頭で考えて、自分の言葉を発する。
それが周囲に影響を与えることができる。それこそが【公民主義の布石】になると私は確信しています!
その証拠となるのは、本日会場に駆けつけてくれた200名を越える参加者であり、これから会って頂く関西設営隊メンバー達です。
「現場や日常を優先するからこそ東京には足を運べない地方在住の読者」は、【ゴー宣道場の可能性】だと私は断言します。
だから、師範方の皆様に、直訴させてください。
ゴー宣道場。東京だけはなく、そして大阪だけはでなく、全国で地方ゴー宣道場を開催してください!
年に一度でもいいです。
現場と日常を最優先に考えている人たちにも、チャンスの順番を与えてください!
よろしくお願い申し上げます。
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