理想の歯科衛生士像【DHブログ - Vol.18】
『時代と共に変わる歯科衛生士に求められる能力』
時代と共に歯科衛生士の業務も、私の仕事内容も変化してきています。今回は、その変化を少し振り返ります。
2000年、インプラントオペの介助が花形になりつつある中で、私は歯周治療に携われる歯科衛生士になりたくて、秋田市から千葉市まで歯周病専門医のクリニックに月数回通始めました。当時は歯周治療を得意とする歯科衛生士が少ないことから、「スタッフにSRPを教えて欲しい」とうニーズがありました。また、ハンドスケーラーでの手技が主流でしたが、私はハンドスケーラーへの苦手意識から、超音波スケーラー発売と同時にその使い方について独学で学びはじめました。
2005年以降はヘルスケア研究会に所属していた先生ヘルスケア認定歯科衛生士を頂いた経緯もあり、初診時のサリバテスト導入からメインテナンスに移行していくシステム構築を求められる事が多くなりました。
2008年には、念願の歯周病認定歯科衛生士を修得しました。同時にインプラント認定も修得していたので、「うちの歯科衛生士にも認定を取らせたい」と認定修得のサポート依頼もくるようになりました。この頃から超音波スケーラーの有効性が認められるようなり、私の指導も「超音波スケーラーの活用方法」へと変わっていきました。
2011年、会社を設立してからは歯科衛生士としてのスキルよりも、「スタッフのモチベーションを上げて欲しい」というような、スタッフ教育全般に関わるニーズが多くなってきました。今までは、スタッフのことを「うちの女の子たち」と呼ぶ院長先生がいたのですが、この頃からはそのような言い方をする院長先生は少なくなってきました。そして、今まで歯科医師の指示の元で動いてきた歯科衛生士に主体性を持たせたい、意欲的に働いてもらいたい、なんとかスタッフのモチベーションアップのサポートして欲しいというようなニーズに変わってきたのです。
この頃でしょうか、コンサルタントの方々が歯科界にも介入しはじめたのは。その影響からか、売上目標の具体的な数字を考えたり、診療報酬や自費補綴契約も増やしていくことを考える歯科医院が増えてきました。スタッフの役割分担が明確になり、トリートメントコーディネーターの育成にも関わるようになりました。
2018年は保険改定に伴いSPT算定が導入され、「歯周治療の構築」と「SPT/メインテナンスの指導をして欲しい」と依頼内容が変わってきました。歯科医院はかかりつけ歯科医院として長期的に患者と関わっていくスタンスとなり、医院に歯科衛生士がいなければならない成り立たないくらい重要なポジションになってきたのです。
そして2020年4月以降の保険改定で歯周病重度化予防治療が導入されたのであれば、医院に来院する半分以上の患者は、歯科衛生士が携わる歯周治療と予防処置(施術)を求めてくるでしょう。今後どのような歯科衛生士が必要で、どのように育成していけば良いのか、歯科医院経営者は考えはじめていると思います。
歯科衛生士として30年以上、そして今は会社経営者としての経験を得てきた私には、今後どのような歯科衛生士が必要なのか、どのような育成が必要になるのか、その答えが見えてきています。まず1つに、歯科衛生士の質の高い施術トレーニングとマネジメント教育は必須。
私自身もまだまだ学びが必要なので、1人でも多くの歯科衛生士と共に学びを共有していければと願っています。
~素敵な私たちでありますように~
長岐 祐子
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