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  • 巻頭言:わさおと志村園長
  • 活動報告のしっぽ:2021年3
  • コラム:ふらっしゅばっく Story 足腰が弱まり転院する(2019年晩秋~初冬)
  • 今月のつぼ写真 - ここ一ヶ月のよさげなやつ

巻頭言:わさおと志村園長

今年から3月31日は、なんとも心のなかに、複雑で神妙でなんとも言えないちょっとしたぽっかり感が生まれる日となってしまった気がします。一年前のちょうど今頃なにがあったか思い起こせば、その理由に行き着きます。

一年前の昨日、3月30日。新型コロナウィルスに罹患して闘病中だった志村けんさんの訃報が全国に衝撃を与えました。そして一年前の明日4月1日から、わさおは立ち上がることができなくなってしまいました。大きなショックを感じた日に挟まれた日常的な一日が、なんともいえないぽっかり感となっているようです。

わさおと志村けんさんの間にはなんだか不思議なご縁を感じます。とても強いものではありませんが、さりとて薄いというには違和感があるそんな不思議な感じです。

今日はそのあたりの話を思いつくままに記してみようかと思います。

私にとっては世代的に「ドリフターズの志村けん」さんなのですが、わさお的には「志村どうぶつ園の園長」でした。ですので、ここでは志村園長と呼ばせていただきます。

対面は2~3回

記憶をたどってみると、わさおが志村園長と直接お会いした回数は2回。
最初は「天才!志村どうぶつ園」のスタジオ収録に参加した時。2014年の3月14日の事でした。

その前の年にはわさ毛騒動があり、そこから嫁取り物語が始まり、そしてこのスタジオ収録でつばきを選んだことが発表されたのでした。

2回めの対面は2014年の11月12日。園長が当時の相棒・ちびと日本エレキテル連合と一緒に鰺ヶ沢にロケに来た時です。

この2回の対面で、ともに印象深かったのが両者の持つ距離感でした。わさおは園長に近づいて行ってにおいをかぐとかそんなことは一切なく、園長もまたわさおに近づいて頭を撫でるなどといったことはなかったような覚えがあります。よそよそしさとかそういうことではなくて、なんというかお互いの敬意を距離感で表しているようなそんな気がしました。

なお、飼い主母さんに関してはまったく逆のリアクションで、スタジオ収録のときは園長に抱きついたり、鰺ヶ沢ロケの時も嬉しそうに話しかけたりしていました。いや、本当に会えたことが嬉しかったのだと思います。そんな母さんの強い圧を、園長ははにかみながら受け止めていたように思います。園長もまた彼なりに嬉しさをあらわしていたのではないかと思うのです。

実のところ、志村園長と飼い主母さんに関しては対面回数は3回になります。わさおがきくや商店に来るよりもはるか前に、園長は別の番組ロケでこのお店に立ち寄ったことがあるのです。

そういう意味では、わさおと園長というよりも、母さんと園長にもともとご縁があって、その輪の中にわさおが加わったということなのかもしれないですね。

不思議なご縁

その後も志村園長との交流は続いていました。志村どうぶつ園の取材があれば、園長へのお土産を託したり、取材がなければ鰺ヶ沢特産のメロンなどを送ったり。またそれに対して驚いたことにご本人直々にお礼の電話がかかってきたり。わさおコーナーの放送が減ってくると、志村園長が「最近、わさおや菊谷さんどうしてるのかな」と気にかけて頂いていたなどということも後におうかがいしました。またプライベートではわさおの顔が彫り込まれたコップでお酒を飲んでいたなどとも聞いており、スタッフさん曰く、「園長の中ではわさおと菊谷さんは完全に志村どうぶつ園ファミリーですよ」というのも嬉しくおうかがいしていました

そんな園長が世を去られ、すぐさまわさおが立てなくなり、そしてわさおまで旅立ってしまう。
2020年はなんという年だったのか、と思わざるを得ません。それはでもまだ1年前の出来事でしかないのです。

奇しくもその後、志村園長とわさお、それぞれに銅像建立の動きがあります。

同じ年に亡くなり、同じ年に銅像になる。そんな無関係でない二人…というか一人と一匹に、なんだか不思議な関係性を感じてしまいます。

多くの人達を笑顔にした、その一点において共通性を見出してしますのです。

活動報告のしっぽ 2021年3月

わさお一家関連の3月の出来事です。取材が2件ありました。

  • 03/11 テレビ番組取材
  • 03/21 日本テレビ系列「天才!志村どうぶつ園sp」取材

3月11日の取材については情報開示が未確認ですので、いまのところあやふやな感じでご容赦ください。放送予定は5月と聞いておりますので、また近づいたらご案内させていただきます。

3月21日の取材に関しては、4月3日の土曜日午後7時から放送予定です。よろしければぜひどうぞ。

コラム:ふらっしゅばっく Story 
足腰が弱まり転院する(2019年晩秋~初冬)

思えばこの年は、夏の前足治療から始まって秋のお尻問題に至るまで、かつてないほどの回数、病院通いをしました。2013年のわさ毛騒動以来、わさおは青森市内の動物病院のお世話になっていたのですが、鰺ヶ沢からだと片道1時間ちょっと。到着して診察を受けてお薬もらって会計すませるまでが一時間弱で、そこから鰺ヶ沢に帰ってくるのにまた1時間ちょっと。都合3時間くらいが必要な訳で、通院日はそれだけで午前中がおわってしまう感じでしょうか。

秋になると、病院からの帰り道、わさおが車中で嘔吐することが数回ありました。注射した薬剤の副反応の可能性もありましたが、もしかしたらこの病院通いの車移動の時間が、高齢のわさおにとってそろそろ負担なのではないかと思えるようにもなってきました。

そしてこの頃、足腰の衰えも見られるようになって来ました。車に乗るためのジャンプ力もなくなってきて乗り降りするのにも時間がかかるようになりました。

今後のわさおは病気を治すという観点ではなく、以下に日常生活を穏やかに過ごせるかを目指す段階に入ったのかな…ちょっと寂しい考え方ですが、正直そのような思いが頭をよぎるようにもなってきました。治療よりもクオリティ・オブ・ライフの向上を目指す、みたいな考え方でしょうか。

青森市内の病院は設備も技術力も申し分なく、先生の力量も十分信頼に足るものでしたし、ここまでわさおが長生きできたのは、その都度的確な治療を施してくださったおかげと今でも感謝しています。ですが、わさおの老齢化に合った環境、ある意味人生の最終盤に向けた環境をとの考えから飼い主さんなどとも相談し、新しく鰺ヶ沢にできた動物病院に転院することにしました。そこはわさおの店から直線距離で300メートル、車移動で1分もかからない場所でした。それが2019年12月のことです。そしてこの年の年末から、急速にわさおは衰えていくことになります。


今月のつぼ写真

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JR鰺ケ沢駅前で撮りました。鰺ヶ沢のまちなかには、まだそこかしこにわさおがいます。

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