• このエントリーをはてなブックマークに追加

うにさん のコメント

ラジオデイズ31回目、凄く面白かったです。

ホン・サンスの映画を観ていると、普通のシーンでも恐怖や不安を感じることが多いのですが、それは、常に「今」を凝視させられると同時に、人生全体の時間を俯瞰するような視点(時間の混乱・切断による)があり、その2つがフィードバック回路みたいに働き続けることで、「人は常に何かを忘れて生きている」というあまり穏やかではない事実を認識させられることと関連するのではないかと感じています。菊地さんが書かれていた同一性障害とも関わるかと思いますが、今回の自然主義カメラというのも、全ての人がカメラの被写体であるという意識を持つことで、日常を構成しているコードのようなものが解かれていく感覚をもたらすのかもしれないと思いました(ホン・サンス初期作品に関する菊地さんのインタビューは、初期作品特集をやっている劇場で買えるパンフレットで読めるのでしょうか?)。

ゴダールの、自分のなんでもない1日を撮れば映画になる、というのは、実際にそれで面白い映画を撮るとなると、ホン・サンスや菊地さんのように、セルフイメージが世間でどのように映っているかを自分でどのように認識し、そこからどのようにドラマ性を抽出するか、というようなセンスがモロに出るかと思うので、とても難しそうだなと思いました。ゴダールの『JLG/JLG』もそんな作品かと思いますが、ゴダールという人のイメージが難しすぎてなかなか気軽には楽しめないです笑
今回の菊地さんの1日も、マイルスの1日も、凄く面白いと思いました。ペン大の講義のシーンは『ハッピーアワー』の朗読会の凄く普通の感想を言う人のシーンを思い出します。
おたけは泣けば今後も残る、はかなりウケました!
No.11
41ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
 こんなにライブが飛んでいるのに何故こんなに小忙しいのであろうか。毎日「あれをしなきゃ、これをしなきゃ」と思っている間に、田村正和がなくなったり、星野源が結婚している。田村正和については「ユングのサウンドトラック」に、星野源については「次の東京オリンピック」に書いてあるが、推測するに、今エゴサをしたら、星野源についてはあの記事が出てくるだろうが、田村正和については出てこないだろう。ネットに連載していなかったからである。今はネットに書いたことだけが発言になる。書籍は何のためにあるのか、自己沈潜の最初のツールである書籍は、きっと近い将来、古文書のようになり、ある特殊な趣味と教養を持った人々の物になるだろう。ルアーフィッシングのように。    「喫煙可能(できれば全席)の喫茶店を探すのが趣味みたいになっている。今は神保町の喫茶店にいるが、アールグレイのアイスが無茶苦茶にうまい。一番美味いかもしれない。あまりの美味さにストローを使わないで飲んでいる。  
ビュロ菊だより
「ポップ・アナリーゼ」の公開授業(動画)、エッセイ(グルメと映画)、日記「菊地成孔の一週間」など、さまざまなコンテンツがアップロードされる「ビュロ菊だより」は、不定期更新です。