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 僕なんかが風邪を引く時には、生来の勝気さと仕事好きってところがあるから「ああ、なんか疲れてきたやうだ」とか「煙草をやっても鰻を食っても美味いと思えない、気丈夫もこれ限りか」とか「なんだかだんだん動くのがしんどくなって、気がついたら熱っぽい心持ちで」なんてことは一才なく、元気に野原を駆け巡っていた兎が、猟師に1発で仕留められたさながら、突如全身が痛く、意識も朦朧となり、全く動けなくなるやうで、これは干支が卯年だからであらう。

 

 若い頃は還暦になったら杖をつき、着物の見ごろも心許なくなくなってしまい、床屋で山高を帽子掛けから落としては、すごすごと拾らうようになるのだ。と思っていたのだが、実際になってみたらさうでもなく、むしろ、些か元気になりすぎたんだかなんだか、怪我をしたり大昔に患った病気をまた患ったり治したりして、「仕事に患いに大忙し」では笑うに笑えぬとはこのこと。

 

 それでもまあ、生来の機嫌の良さと物事を哲学者のように深く考えない性質から、実に楽しく60代を過ごしている間に、人間ドックの検査で肺癌の再検査と言われ、流石に焦ったら誤陽性だと言われ、これでは棚の上げ下ろしだ、一生分あげておろした。と思っていたらいつの間に風邪を引くのも忘れてしまったようで、気がつくと全ての内科医の診察カードを無くしていた。 

 

 え? 解散総選挙があるの!?ヒーわっかりやしー( 「単にまた選ばれたい」=選ばれ、指名される快感に高市早苗が依存しているから。しか無いでしょ。W浅野総理である高市はまだ乾いているし、どんだけ消耗しても赤い靴は脱げない)。政治やアカデミズムって、わざわざ分かりづらくして楽しむものよね、、、、とか思っていたら寝ていた。と思って目を覚ますと、まだ夢だった。

 

 というぐらい忙しく、ライブ2連チャンも無事素晴らしく終わったものの、Xのまとめによって、自分が椎名林檎さんの曲をずっと歌っていたことを初めて知り笑、使用料を払うのが嫌なので、もう色悪はやらないことにしたものの、まさか自分が「長すぎる90年代」に加担していたとは知らなんだ笑。ただ、近いうちに確実にもう1ステップ衰退する<長すぎる90年代>が、やがて<普通の長さの5~80年代>と同じ程度に冷却化されて、その後何がくるのか、非常に楽しみで

 「ビットコイン」が最初に出てきた時(それは東日本大震災の年だけれども)、僕はそれがどんなもんで、どうやって手にするかもさっぱりわからなかったが、バブリーなオモチャだとはあんまり思わなかった。

 

 それより「ああ、貨幣や金で帝国主義が回っていたのがすっかり元気なくなったんで、<新しい貨幣(金=GOLDに似た)>が生まれたんだな。結局世界は帝帝政時代を求めてるということね。まあそれもいいね」と思っていた。まだトランプが1回目の当選をする前だ。

 

 ビットコインが生まれた年の大統領はオバマであり、中国共産党書記長は胡錦濤(こ・きんとう)で、ロシアはプーチンだったが、今ほど皇帝化していなかった。そして北朝鮮では、オレたちの女神であるプリンセス・テンコーを「家に帰さないぞ」とか言っていたジョンイルが1月に亡くなり、ジョンウンがデビューした年でもある。皇帝デビューは、ジョンウンが一番乗りだという事は押さえておいたほうが良い(嘘。別にどうでも良い)。

 
ビュロ菊だより

「ポップ・アナリーゼ」の公開授業(動画)、エッセイ(グルメと映画)、日記「菊地成孔の一週間」など、さまざまなコンテンツがアップロードされる「ビュロ菊だより」は、不定期更新です。

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菊地成孔

音楽家/文筆家/音楽講師 ジャズメンとして活動/思想の軸足をジャズミュージックに置きながらも、ジャンル横断的な音楽/著述活動を旺盛に展開し、ラジオ/テレビ番組でのナヴィゲーター、選曲家、批評家、ファッションブランドとのコラボレーター、映画/テレビの音楽監督、プロデューサー、パーティーオーガナイザー等々としても評価が高い。

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