菊地成孔さん のコメント
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長い夏休みの最初の10日が終わった。7月20日までなので、もう5分の1が終わってしまった訳だが、これは特に意味はないけれども、気がつけばこの10日間でコロナに関するニュースは一切入れなかった。今どこで何がどうなっているのかわからない。喫煙可の喫茶店は徐々に増えている。酒類を出している飲食店も増えている。
グローバルダイニングのように正面から闘う店も良いと思うが、勝手に深夜営業し、勝手に酒を出している個人的な抵抗行為を行う飲食店も増えている。人の外出も増えている。「戒厳令下の新宿」をご覧いただければ直ちに御了解されると思うけれども、最初の緊急事態宣言に、民は従った。今は従っていない。非常に健康的だと思う。対談時に言った通り、それに反対する勢力が店に営業妨害行為を行ったとしても、それもまた健康的だと思う。
ロイターの日本語訳しか読んでいないのですが、たった数日前の出来事をは思えないほどですね。すでに58人死んでいるというのは。治安は悪いとはいえペルーやホンジュラスよりは幾らかマシなのかなメキシコは、ぐらいに思ってはいたんですが、とにかくご無事を祈っております。
選挙制度(投票箱)は、直接民主制に使われる以前から、魔女や怪物を生むアイコンだったと思います。パンドラの箱が、開くことによって悪鬼が飛び交うのと逆で(あるいは、同じで)、民が箱の中身を詰めようとする過程に悪鬼が飛び交うので、我が国の、特に地方選挙区に置かれる、牧歌的な佇まいとはやっぱ全然違うな血生臭さが。と思うばかりですが、仰る通り、中南米諸国では、選挙は「やらない(やれない」)より、やった方が良い、たとえそれが怪物を召喚する儀式だとしても」と僕も思います。
オリンピックは、今から事前に中止にするなら、反対派の武力的(サイバー含む)な妨害か、(世界中の、そして日本の)選手および関係団体の過半数がボイコットでもしない限りは無理なので、僕はどちらもあり得ないと思いますし、強行した時に出来る最大の抵抗運動は、反対派の蜂起ではなく、「誰も中継を見ない」という、観戦ボイコットだと思いますが、これも無理だと思います。何れにせよ、選挙ではありませんが「やらないよりはやった方が良い」と僕は思っています。とにかく「コロナ渦中なのでやってはいけない(やらない方が良い)」という論法が一番思考停止的で弱度が高い、つまり一番ダメな言い分だと思っていますし、今のところ最多の言い分だと思います。
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