「時空警察SIG‐Wecker」は監督畑澤にとっては、本当に念願の企画です。自身のブログhttps://ameblo.jp/kazuyahatazawa でも想い(無念も)を書き連ねていました。
本作は2007年に制作・放映された「時空警察ヴェッカーシグナ」という作品の正式続編として2年以上前から構想、脚本を練っていました。
最近作だと思っていた「ヴェッカーシグナ」から、既に14年が経っていて(!)あの当時11歳~15歳までだったメインキャストの方たちもすっかり大人になりました。
当初は当時のキャスト達が再会、という物語を考えていましたが、既に芸能界から遠ざかっている方も多く、連絡も取れなくなっている方もいます。
他作品ででもそうですが、当時のキャラクターを別のキャストが演じる事に強い違和感がある舞台は別、と割と最近割り切りました)ので、当時の出演者さんたちにコンタクトを取り続けていました。
そんな折、世界を新型コロナウィルスが猛威を振るい始め、日常は一変しました。エンタメ業界が激しく動揺、激震するそんなコロナ禍の中(資金調達の問題が何よりありました)、なかなか制作に踏み切れず、何より(当時の)出演者候補の最後の一人の出演が難しい、となった時に一度、制作自体を諦めました。
コロナ禍にあっても演劇は「シグレイダー・エヴェイユ」「シグレイダー・エトランジェ」と2本上演する事が出来ました。「シグレイダー・エトランジェ」に新登場した時空刑事キラリー&メイリ-は、実はこの映画企画の為に作ったキャラクターたちでした。キラリー役の中川梨花さん、メイリ-役の前野えまさんは想像以上に生き生きと演じてくれました。やっぱり、ちゃんと映像の中で動く2人を観たい!(撮りたい!)という想いは抑えがたく、当初の脚本では二人は(かつての「ヴェッカーシグナ」の)後輩的存在でしたが、二人を主人公的な役割に変え、この時代に研修として派遣されてくる新たな「ヴェッカーシグナ」のメンバー、という設定で、「ヴェッカーシグナ」の世界を継承する事にしました。何よりも、コロナでいろんな事が変わっていく中、見えない最強の敵、ウィルスの対して、時空刑事たちがどう抗っていくのか、をストレートに描きたい!という想いに変わりました。
「そこにいる人々を守れる力があるとして、それを使う事は許されない」という、若き(若すぎる)時空刑事の葛藤を、中川さんと前野さんなら演じられる、と思ったのです。
2010年、2011年の舞台で「時空特捜トレミー」を演じた百川晴香さんが、同じ役で「エトランジェ」に出演、そして今回の映画にもトレミーとして出演してくださる、という事も決まり、これで
やっと「発表」出来るな、と思いました。「時空警察ヴェッカー」の生みの親、育ての親の一人でもある渡洋史さんを「主演」とする事で、「ヴェッカーシグナ」のみならず、「時空警察シリーズ20周年」作品としても相応しい作品になると思います。