Dr.Uさん のコメント
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第431号 2022.3.22発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…ロシアがウクライナへの侵略戦争を始めて、3週間以上が経過した。その間に、日本人の戦争に対する感覚があまりにも世界の常識からずれているということが明らかになった。何しろ侵略されたら逃げろとか、降伏しろとかいう発言が、テレビで平然と流れてしまうのだから。そして、日本人の感覚がずれていると感じたことは他にもある。それはアメリカの「保守」「リベラル」に対する認識だ。日本人の感覚としては、アメリカでは「保守」の共和党の方が過激で好戦的な「タカ派」であり、「リベラル」の民主党の方が穏健で平和的な「ハト派」だというイメージだろう。ところがこれが全然違うのだ!
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…「まん延防止等重点措置」が3月21日でようやく解除されたが、これを機に完全自由になるという空気はなく、各都道府県知事がここぞとばかりに権力欲旺盛に身勝手な抑圧を加えようとしはじめている。人々も世間体を気にし、わけのわからない知事のパフォーマンスに従っている。日本よりも遥かにコロナの被害が大きかった世界各国のコロナ規制が、現在「どれほど緩くなっているのか」を報告しておこう。
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!普通の日常はもう戻ってこない?旧皇族系の男系男子を皇族にして4つの宮家を作ったところで、今の出生率を考えるとまた尻つぼみになるだけでは?ワクチンを接種してしまった人にできることって何がある?マスクを外させるためにはどうすれば良い?思い浮かんだアイデアはどうやって記録している?バッシングしたり絶賛したり…日本人は皇室が好きなのか嫌いなのかどちらなの?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第458回「リベラルの方が好戦的」
2. しゃべらせてクリ!・第387回「春ランマン! でもぽっくん花より春眠ぶぁい…の巻【後編】」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第252回「世界各国、コロナ規制ほとんど撤廃されてます」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第458回「リベラルの方が好戦的」 ロシアがウクライナへの侵略戦争を始めて、3週間以上が経過した。
その間に、日本人の戦争に対する感覚があまりにも世界の常識からずれているということが明らかになった。何しろ侵略されたら逃げろとか、降伏しろとかいう発言が、テレビで平然と流れてしまうのだから。
そして、日本人の感覚がずれていると感じたことは他にもある。
アメリカのジョー・バイデン大統領が、無茶苦茶な表現でロシアのウラジーミル・プーチン大統領を罵倒している。
侵攻後は 「プーチンは侵略者だ。プーチンがこの戦争を選んだ」 という具合に「大統領」の呼称を省いて呼び捨てにすることが多くなり、さらには 「戦争犯罪人」 と断定し、 「ウクライナの人々にモラルに反した戦争をした真の悪党だ」 と言い放った。
そして極めつけには 「殺人的な独裁者、根っからのThug(サグ)だ」 と、チンピラ、極悪人、ギャング、殺人者など幅広いワルを意味する「Thug」というスラングまで使って罵倒したのだ。
各国の指導者で、他国の指導者をここまで罵った人などほとんどいない。
プーチンでさえ、自国民を統制するためには 「ロシア国民は、真の愛国者と人間のクズや裏切り者を常に見分けることができる。口の中に入り込んできたハエを道端に吐き捨てるように排除するのだ」 とかなりの暴言を吐いているが、バイデンに対してそんな言い方はしていない。中国の習近平だって、アメリカを非難はしても罵詈雑言は言わない。あんな罵倒をするのは、他には北朝鮮の金正恩くらいだろう。
ネットでは、バイデンは年を取り過ぎて感情のコントロールが利かなくなっているのではないかという憶測も出ていたが、いくらバイデンが年寄りだといっても、あれは決して耄碌して言っているわけではない。
一般的には、ドナルド・トランプ前大統領の方が過激な男だというイメージがあり、いかにもトランプこそああいう口汚い暴言を吐きそうだと思われているが、実際のところ、トランプからそんな発言は出ていない。
トランプはビジネスマンであり、経済のことを第一に考える。物事を善悪だけでは判断しないから、ああ見えてもこういう場面では案外慎重に言葉を使うのだ。
それに対して、 バイデンはリベラルである。
リベラルは損得勘定よりも、善悪や正義といった倫理観を最も意識するから、こういう場面では逆に過激になる。人権が徹底的に蹂躙されるようなことが起きようものなら、怒髪天で激怒するのだ。
日本人の感覚としては、アメリカでは「保守」の共和党の方が過激で好戦的な「タカ派」であり、「リベラル」の民主党の方が穏健で平和的な「ハト派」だというイメージだろう。
ところが違うのだ。 共和党は「損か得か」 で考えるが、 民主党は「正義か悪か」 で考える。 だから実は「リベラル」の民主党政権の時の方が、戦争は起こりやすいのである。
そもそも第二次世界大戦に参戦した当時のアメリカ大統領は、 民主党のフランクリン・ルーズベルト だ。
ルーズベルトは日本にハルノートを突き付けて開戦を余儀なくさせ、真珠湾攻撃を受けるとこれをプロパガンダに最大限利用し、厭戦ムードの強かった国内世論をひっくり返してヨーロッパ戦線への参戦も実現させた。
また、時代をさかのぼれば 第一次世界大戦に参戦した際の大統領も、 民主党のウッドロウ・ウィルソン だった。
朝鮮戦争は民主党の ハリー・トルーマン の時。 ベトナム戦争 は、共和党のアイゼンハワー政権時代に紛争が始まっているが、 大幅に兵力を増派したのは民主党の ジョン・F・ケネディ 、 トンキン湾事件を起こして泥沼の戦争にしたのはこれも民主党の リンドン・ジョンソン である。
ビル・クリントン大統領はソマリア内戦への介入や、ユーゴスラヴィア空爆への参加、イラクに対する「砂漠の狐作戦」と呼ばれる大規模空爆、スーダンへのミサイル攻撃を行っている。
湾岸戦争を起こしたジョージ・ブッシュ、アフガン戦争、イラク戦争を起こした息子のジョージ・W・ブッシュは共に共和党だが、イラクのクウェート侵攻だの、9.11テロだのが起きては、この時の大統領が民主党だったとしても、間違いなく戦争に踏み切っていただろう。
ブッシュJrの次の大統領となった民主党、 バラク・オバマ は就任直後の演説ひとつでノーベル平和賞まで取ってしまったが、 実際にはその任期8年の全期間にわたって戦争をしており、イラク、シリア、アフガニスタン、リビア、イエメン、ソマリア、パキスタンに対して2015年は2万3144発、2016年には2万6171発の爆弾を投下している。
9.11テロの首謀者・ ビンラディンを暗殺したのもオバマ政権 である。オバマ政権では毎週火曜日の会議で「ベースボールカード」と称されるテロリストたちの履歴書を確認し、 大統領自身が暗殺リストを決定していた という。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
結局、具体的にどのような行動をとるのか、ということが太田は曖昧なのだと思います。こういう奴に対しては、アメリカ人なぞは、こういう言葉を投げつけることでしょう。
So What? (「で、結局、どうしたいのよ?」)
太田は、プーチンの言い分に理解を示すことが必要であるとしながら、その後で、どのような行動をとるべきと考えているのかが、よく分からない。理解を示した上で、日本はプーチンの軍事行動は正当であるとして、ロシアを支持すべきと考えているのか。
それとも、そうした軍事行動(侵略)は政治的目的の達成のための手段として認めるべきでなく、経済的な制裁、さらには何らかの軍事的な制裁にまで踏み込むべきと考えていて、その上で「盗人が持っているであろう三分の理」に耳を傾けるという姿勢は忘れないでおこう、ということなのか。
まぁ、結局はトッキーさんの言うように、太田はそういうところまでは考えてないのでしょう。サヨクにありがちな、覚悟無しの、ええかっこしいですね。
一方、この記事を読む限りでは、石破さんは、交渉で解決するという選択肢を重視しており、そのためにはプーチンの「顔を立てる」ことが必要で、彼の言い分にも理解を示しつつ、両方の紛争当事者が銃を置くように仕向けていくべき、という姿勢のようです。石破さんは、"So what?" に対する答えは、しっかり持っている。
石破さんは、太田の「やっぱり、何でも言える空気がないと危ないですよね」という言葉に対して、それに同意するような受け答えをしている。つまり、安全保障のことでも、今回の紛争のことでも、いろんな角度から自由に議論できるような雰囲気が大切だ、という意味で、太田に同意している。しかしながら、決して、プーチンの軍事キャンペーンを容認すべきとは言っていない。あくまでも「プーチンの顔を立てる」ことが、解決に向けたプロセスにおいて欠かせない、ということを言いたいようです。
トッキーさんに対して石破さんは、こう言いそうな気がする。「それで、プーチンの言い分を否定して、彼を話し合いのテーブルから立たせるのは、望ましいことなの? そうなるとこの問題の解決方法は、経済的・軍事的制裁だけになるけど、それでいいの? 出口は見えてる?」
ヒトラーであろうと誰であろうと、カギとなる人物の「顔を立てる」ことが、実際に今起こっている問題の収束のためには欠かせないのであれば、そうすべきだろう、というのがリアリストの石破さんの立場なのではないでしょうか。
ちなみに、太田は20年前は面白かった。狂気があった。でもある時期から政治のことを口にするようになって、それがつまらなくて、彼の番組などは見なくなりました。談志とか、たけしに、憧れてるんだろうけど、彼が政治を語っても面白くない。面白いなら、語ってもいいんだけど。
うさぎでした。
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