眠らなくても平気だと思える夜があります。
夜中の二時を過ぎても眠気が来ない、来ないというより忘れている。
眠れないというより、「眠りたくない」と思ってしまう。
頭の中に泉が湧くみたいに言葉や映像や計画が次々と浮かんで、止まらない。
「今すぐこれをやらなければ」と思い立ち、ノートに書き殴り、
毎日きれいに整えてきたはずの机の上だってあっという間に散らかっていく。
どこからか本を引っ張り出してはネットで資料を漁り、PDFを開き、時間の感覚は失われていく。
夜が明けてくると、不思議なことに体は疲れていない。
むしろ「今日は何でもできる」と根拠のない自信。
普段なら二日は悩むような決断を、その場で一瞬にして下す。
財布からはお金が飛んでいき、LINE送信ボタンは何十回も押されている。
仕事の予定を詰め込み、友人に連絡をしまくり、やりたいことを一気に抱え込む。
そのスピード感はなんというか、一種