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na85さん のコメント

 いつも配信ありがとうございます。よしりん師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、お疲れ様でした。今回は「ゴー宣」2本でお得感たっぷりの内容で嬉しく思います。

 いきなり私事で恐縮ですが、私は靖国神社・護国神社の参拝も、近くの寺社参拝や先祖の墓参りさえもできなくなっていた時期がありました。自分の生き方を誇れないとき、疾しいことがあるときは真剣に死者と向き合えなかったのです。靖国神社や護国神社ではもちろん慰霊・顕彰が主目的ですが、それだけでは片手落ちのような気がしてしまいます。先祖の墓参りではとくに自分の近況を報告した上で誓いを立てたりしますが、寺社参拝でも何かお願いするだけでなくこういうものが必要ではないかと思っていました。そうするとおいそれとは行けなくなるわけです。しかしパフォーマンスの参拝と口先だけの慰霊で、これは票稼ぎのためだと割り切っていたとしら、参拝に障害となる外的要因さえなければ躊躇なく行けるのでしょう。
 よしりん先生が『戦争論2』の終章で「死者の視線を感じるようになった」と書かれていました。まだ村落共同体が壊れていなかった時代なら村を取り囲む山の麓に死者の霊が集まってカミとなる信仰も残っており、死者の視線をより強く感じられたと思います。TPP推進や原発再稼働といった共同体を破壊する政策を戦勝国の求めるまま進めている者たちが、自分の生まれ育った故郷のよき共同体を守るため戦地に出征した兵士たちの霊が祀られている神社に躊躇なく行けるというのは、もはや真剣に生きていない、生きながら死んでいるレイムダックだと言ってよいと思います。信念からの参拝ではなく票稼ぎと割り切った参拝なのですから、米中という2大戦勝国が難色を示したら「止~めた」となるのは当然でしょう。
 目先の票しか考えない政治家がレイムダックなら、目先のカネしか考えられなくなっている選挙民もレイムダックだと思います。米国は戦争末期、日本の特攻を始めとする最後の爆発力を心底恐れたため、戦後は次の3つのことを仕掛けたのではないかと考えます。東京裁判で正義を奪うこと、平和憲法・安保条約・米軍基地で自主防衛と自主外交を奪うこと、そして構造協議~TPPまでの構造改革要求で共同体を破壊することです。自分の生存の正当性と自己の決定権を奪われたらレイムダック化するしかありませんが、日本人は幸か不幸か忘れっぽい上に南洋人的陽気さで深く考えなかったため未来に向かって歩き出すことができました。そして会社共同体で爆発力を発揮して工業製品の輸出によって米国市場を脅かすに至りました。これが米国による日本の共同体破壊のための構造改革要求を突き付ける動機となった様に思います。こうしてバブルとその崩壊、そして破壊のための改革が続いて一億総レイムダック化の現在に至っているのではないでしょうか。
 こんな状況の中でもレイムダックとは程遠い活動を繰り広げておられるのが我らがよしりん師範です。ロックンロール9月号の記事では「これからの3年間は希望の期間になる」と仰いました。最近よしりん師範が取り上られげているのは、2000年前からレイムダック化が許されないお立場である天皇、メンバーがレイムダック化してる暇のないシステムとして成立したAKB48、戦前において最もレイムダックから遠かった玄洋社と頭山満です。まるで「レイムダック化してる暇はないぞ、日本人よ、覚醒せよ!」と言われているようです。
 次回道場のテーマである宮崎駿監督の映画「風立ちぬ」を見ました。【ココから少しネタバレ注意】登場人物が皆「粋」で気持ちが良いと感じました。戦争前の暗い時代背景なのにレイムダックな人物は一人も登場しません。主人公二郎が夢で出会うカプローニ博士は「設計士として良いものが作れるのは10年間だ」と語り、二郎は10年間必死に美しい機体をつくろうと格闘して零戦を作り上げました。二郎の妻となる菜穂子は結核という不治の病(当時は)に罹っていましたが、残された命で最も美しい時間だけ二郎と過ごして去るという美しい生き方を貫きました。二人とも限りがあるからこそ命を輝かせたわけです。レイムダックとは無縁です。
 『女性天皇の時代』を読了しました(サイン本ありがとうございました!)。本当にこれ以上ないというくらい易しい語り口でした。ずっと連載を読んでいましたが、一続きになると一大叙事詩のような大河ロマンのような趣になっていて驚きました。古代のまだ律令体制が不完全な時代の女帝は、民をウシハク諸豪族のパワーバランスを保ちつつ民をシラス公の存在であろうと腐心し、同時に自分の子孫を天皇の血筋としたいという私情も強く、それだけに公と私の間で苦悩した非常に強い個であると感じました。また、だからこそ大陸からの圧力や侵略への備えが必要な時代にも巧みな外交センスと見事な指導力を発揮できたのだと思います。当然レイムダックとは程遠い存在でした。

 判り難い圧力でギリギリまで追い詰められている今がレイムダックから覚醒するとき na85

 後藤さんの企画「ライジング宮中歌会始(仮)」ですが、宮中では恐れ多く、また新年ではないので「雷神宮歌会」としてはどうでしょう。私も乗ります。 テーマ:―静―

○左巻きの 世論を受けた 世界主義 燎原の火よ 静かに逆巻け

 最近ライジングでの私信を解禁しはじめたので、この機会に。
 mayuさんへ、私も以前からmayuさんの写真を楽しみにしている一人です。mayuさんが載っているという写真雑誌の7月号を見てみましたが見つけることができませんでした。次に載るときはどの辺にどのような写真が載っているか教えていただければ嬉しく思います。
No.47
130ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第49号 2013.8.13発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※大サービス!!「ゴーマニズム宣言」2本立て!第1弾は麻生太郎の「ナチスの手口見習ったらどうかね」発言に見る二重三重の無知を指摘!果たして「反語的意味」という言い訳や「撤回」で済まされるほど、一国の副総理の発言は軽いものなのか!?マッチョを気取る政治家に潜む危険性を直視せよ! ※「ゴーマニズム宣言」第2弾は「安倍晋三、8月15日の靖國参拝見送る方針」さらにはそれを「中国側に伝達」という重大な問題を徹底的に斬る!歴代首相の誰もやらなかった売国行為を行なってしまった安倍晋三。さらにはそれを擁護し、中国への低頭外交も厭わなくなった自称保守派の自堕落。アメリカ・中国への二重低頭外交が始まった…! ※読者からの質問に、よしりんが直接回答する「Q&Aコーナー」!よしりんにとって描くことが難しいものって何?田舎VS都会論争再び!?地域活性化の具体的アイディアとは?大学教授と原爆を巡る口論をした大学生の憤り!よく歌う演歌は?よしりんがまとめサイトに書き込み!?「自分へのご褒美」に替わる新しい表現とは?“グリーンピース”はお好き?“脱アンチ発言”の真相とは?…等々、硬派な質問から脱力系の質問まで登場! 【今週の目次】 1. ☆豪華2本立て!☆  ゴーマニズム宣言・第50回「麻生太郎の妄言ナチスジョークの国辱」 2. ☆豪華2本立て!☆  ゴーマニズム宣言・第51回「靖國参拝は中国の許可が必要になったのか?」 3. しゃべらせてクリ!・第11回「上からぽっくん!の巻」 4. よしりんウィキ直し!・第3回「『人物』『趣味・好きなもの』『生活・健康』編」 5. Q&Aコーナー 6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 7. 読者から寄せられた感想・ご要望など 8. 編集後記 第50回「麻生太郎の妄言ナチスジョークの国辱」  麻生太郎副総理兼財務相の「 ナチスの手口見習ったらどうかね 」発言は、さすがに自民党の御用新聞である産経新聞ですら擁護する気になれなかったようだ。  産経は8月3日の社説で「お粗末な失言であり、撤回したのは当然である」「発言は日本のイメージや国益を損なった。麻生氏は重職にあることを自覚し猛省してほしい」「ナチスの行為を肯定すると受け取られかねない表現を用いたのはあまりに稚拙だった」「『いつの間にか』『誰も気づかないで』憲法が改正されるのが望ましいかのような表現は不適切だ」と批判している。珍しく、実に真っ当な社説である。  ところがこんな麻生の失言まで徹底擁護する、デリカシーの欠けた自称保守言論人がいる。 櫻井よしこ だ。  そもそも麻生の今回の失言は、櫻井が理事長を務める「公益財団法人 国家基本問題研究所(国基研)」のセミナーで飛び出したもので、櫻井はその主催者兼司会者という当事者中の当事者だった。  立場上、擁護しなければならないのかもしれないが、その理屈はあまりにもデタラメだ。 何しろ麻生の発言は正当なもので、朝日新聞が発言を「歪曲」して騒動を起こしたと言い張るのだから!  櫻井は8月5日の産経新聞コラム「美しき勁き国へ」で「 朝日の報道は麻生発言の意味を物の見事に反転させたと言わざるを得ない 」と断じ、「 朝日は前後の発言を省き、全体の文意に目をつぶり、失言部分だけを取り出して、麻生氏だけでなく日本を国際社会の笑い物にしようとした 」と非難している。   完全にネトウヨと同レベル、「都合の悪いことは何でもかんでも朝日新聞の陰謀!」という「朝日新聞陰謀論者」になっている。  しかし今回は産経の社説も朝日とほぼ同じ批判をしているが、産経は「陰謀」じゃないのだろうか?  朝日新聞が過去に政治家の片言隻句を文脈から切り取り、歪曲して「失言」をでっち上げたことがあるのは周知の事実だ。だが今回の麻生の発言は既に全文がネットに上がっていて、正当化しようがないシロモノなのは明白である。  ところが櫻井は「 一連の発言は、結局、『ワイマール体制の崩壊に至った過程からその失敗を学べ』という反語的意味だと私は受けとめた 」と言うのだ。  反語的意味?????  ほとんどガキの言い訳だ。こんな言い逃れが通じるのなら、言いたい放題暴言吐いて、非難されたら「 それは反語的意味で、真意は、逆のことを言いたかったのだ 」と言えば済むことになってしまう。   ところが「国基研」は団体の見解としても、「あれは反語」だと表明しているのだから、あきれ果てる。  音声で聞くと麻生はいかにも冗談・軽口といった口調で「 あの手口、学んだらどうかね 」と言っており、それに対して会場から笑い声が上がっている。   だが一国の副総理が公の場で 「 ナチスの手口、見習ったらどうかね 」 なんて、たとえ冗談でも言えないことくらい常識のはずだ。しかもこの発言は文字に起こすと冗談とは一切伝わらない。  さらにナチス云々を別にしても、 憲法を「誰も気づかない間に変わった」手口に学んで改正しろというのは、あまりにも不謹慎、不適切であり到底正当化できるものではない。  こんなことを軽率に口にできること自体が、憲法改正について真面目に考えていない証拠であり、冗談めかして言いながら実際には「 誰も知らないうちに、こっそり憲法改正できたらいいな~ 」というのが本音だとしか思えない。   これに笑っていた客席の感覚も異常だし、まして、これが「反語的意味」なんて解釈はどうひっくり返ったって不可能である。  麻生の発言は二重にも三重にも無知が絡まり合っていて、もう一点根本的な誤りがある。朝日も産経も社説で指摘し、東京新聞(8月8日)が詳しく解説していたが、 麻生はナチスの台頭に関する世界史の常識を全然知らないのだ。  麻生は日本の憲法改正論議を「狂騒の中でやってほしくない」としたうえで、「 ある日気づいたら、ワイマール憲法がナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった 」と言っている。   まず第1に、「ナチス憲法」なんてものはない。ナチスは「全権委任法」を成立させて、ワイマール憲法を事実上死文化させたのである。   しかもそれは「誰も気づかない間に」行なわれたのではない。それはまさに狂騒の中での出来事だったのである。  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!