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makoさん のコメント

日記と写真、日々楽しみに過ごしております。
さて、今朝、こんな記事を見つけました。「【 前編】そしてCDは株券になった」
https://cakes.mu/posts/2927
いよいよ時事ネタ本の発売ですが、思わぬところで菊地さんのお名前に遭遇しました。
電波祭には参加できませんでしたが、次のDCPRGは是非と楽しみにしております。
個人的にはペペを観たいのですが、新作が出てからでしょうか?

No.1
136ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
  9月11日(水曜 )       いやあブリッコラでシャンパン何本飲んだか解りませんが、気がついたら2日経ってまして(汗)、電波祭の模様をご報告したいと思うんですが、えーその前にですね、コレをお読み頂けているかどうか解らないのですけれども、ブリッコラの我々の近隣で、お一人で閉店まで(つまり、我々が退店するまで)粘っておられたストーカー様(笑・びっくりしましたよ退店しようとしたらいきなりバーンといらっしゃったので)、あれはワタシ個人ならば兎も角、複数関係者の会話の盗み聞きになりますので、以後お止めください。    このメルマガを購読されているか確認出来ていないのですが、もう一度繰り返します。盗み聞きをしてネットに流そうとか、そういう類いの行為ではない事は解っておりますし、あなたの料理店の使用に関して、ワタシが制限する事は出来ません、更に言えば、いかに拡大解釈しようとも、現状でのあなたの行為は、いかに拡大解釈使用にも一切の法に触れません。    なのですが、挙動不審の中年女性が真夜中にたったひとりで一言も喋らず、何時間もトラットリアにいる。というのは、とても不自然な事でですね、今回は思いの余りやってしまわれたと思うのですが、何度もコレが続くと、第一に我々は打ち上げが出来なく成り、第二には今後おすすめの料理店を紹介する事が出来なく成くなり、第三には過去に紹介した料理店に行けなくなります。    第二の方は、まあ、最悪、ですね(本当に最悪の結果ですが)、一生止めてしまえば良い訳ですが、第一の方はちと困ります。「オレ、ストーカーに張られてるかもしれないんで、打ち上げは軽井沢で」という程は儲かっておりませんし(笑)、事務所や自宅でパーティーをする趣味はありません。店を貸し切ってしまえるほどの規模のコンサートはやっておりません(というか、出演者全員の打ち上げは会場で行っており、あれはリラックスした二次会です。なので張られると本当に迷惑です)。第三もかなり困ります「菊地さんが来ると有り難いのだが、変なのも来る」という事になったりしたら、料理店とワタシの関係が悪化します。    ライブにお越し頂くのは何の問題も無い、という言い方も変な話しで、単に通常営業ですので、有り難い限りです。ただ、ああいった、何と言うのでしょうか、課外活動(笑)は、どうかお止め頂きたいです。    ワタシもこの仕事は長く、また、この仕事に就く前からずっと水商売ですから、こうやって私信の様な事を書くのが非常に危険である事は誰よりも良くわかっています。なのですが、敢えてそのリスクを追った上で書いているのは、交換条件を出したいからです。    あなた、「夜電波」のリスナーからですよね?熱烈なラブレターを頂戴しました。つまり、ワタシにとってあなたは、ラジオ番組の産物です。また、長年ワタシはレストランを紹介し、ファンの皆様の中の、飲食を愛でる方々に情報のお裾分けとしてこの行為を続けて来ましたが、店で待たれる事は、過去一度もありませんでした(ワタシが紹介した事で恋人やご友人等と来店している際に偶然バッティングし、といった事は100回や200回ではききませんが)。その事はワタシの大いなる喜びでしたし、誇りでもありました。    ですので、こうさせて頂きます。もう一度こうした事があった場合、番組を途中であろうと降板し、 AM ラジオというマスメディアから撤退します。これはブラフや陽動作戦の類いではありません。ワタシは番組を続けたいですし、終了するにしても、そうした形では終了したくありません。番組を通じてワタシを知って下さった方々からのほとんど総ては、大変有り難く嬉しい事です。よろしくお願い致します。    と、いきなりの私信から始まってしまいまい、そしてそれにほぼ1日分を費やしてしまった訳ですが(笑)、とにかくあのう、有り難い話しでもあります。こんな歳になっても女性にあれほど愛されるという事は。はい。なのですが、ワタシには限界がありまして、どんなに様々に妄想されようとも、実際の演奏を見て頂くのが最高のリアルだと言う事で、つまり、演奏を見て頂いても尚、個人的な狂愛が行動化するのを押さえられなかった場合、こうした具体的な措置をとらなければいけない。という事なのですね。    ここ最近、クリシェの様に「最新の演奏を見て頂かない限り、ワタシの事はびた一文解りません」と書き続けて参りまして、これはウソ偽りない話しで、とにかく、高をくくったり、過剰に夢を見たりするのは人間の特権ですからどなたもやる訳で、アンリアルの世界に生きるのは既得権益です。ですので、それを止めろとは言いません。「俺を誤解しないでくれ。真の俺を解って!」といった真摯な叫びも、そうですねえさほどは無いのですが(笑)、演奏を経験して頂くのがアンリアルを粉砕する一番手っ取り早い方法なんですね。    なんだいアンリアルを粉砕するなんちゃって、やっぱ単にリアリストじゃないか。と言われたらその通りなんですが、ワタシが申し上げたいのは、少なくともワタシの活動に関しては、妄想よりも現実のが優れていると信じているからです。これも狂信ですね。まったく理論的ではない。妄想のが甘い。という可能性もあります。    とはいえワタシは「もっと良いと思ってたけど、実際に演奏を見たら幻滅した」という可能性まで含め、ワタシの表現については現実のが勝っていると思うんですね。これは「やっぱライブ最高」とか「金払え」とか言っているのではなく(原理的に含意してしまっていますが)、かなり個人的な事です。ワタシを妄想する妄想力において、地球人でワタシ以上の人はいない筈で、つまりワタシ以下の妄想しか育めないのであれば、現実を見た方が良いですよ。という話しでもあります。    電波祭にお越し頂いた方でさえ、それを素材に妄想する訳です。しかし、その妄想はもはや純妄想ではなく、リアルを経由した妄想なので、言わば妄想としては傷物であって、言葉がアレですが、一種の健康美があります。演奏というのは本当に恐ろしく、幻滅されたり、自分でも気がつかないトラウマや欠点を見抜かれたり、限界をさらけ出したりしてしまう物ですので、音楽家でありながらライブを恐れる人々もいます。    なのですが、ワタシは、およそこの世の出来事の中で、あらゆるリスクを背負ってでもリターンを取りたい。と純粋に思うのは演奏行為しかありません。つまり、業界用語的に言うと、演奏では(よしんば「何だアレ最悪 w 」という感想を持たれたとしても、それでも尚)火傷は一切負わない。と狂信しているのであります。お越し頂いた総ての方々に感謝します(ストーカー様にも)。それこそ番組でも申し上げましたが、現在の我が国が、強くアイドルを求めている事には何の文句もありません、単なる風向きであり、状況です。しかし、混血という事、インターナショナリズム(インターナショナルなリズムのことです)そしてジャズとヒップホップという物がいかに強く危険で魅力的な音楽であるかを、僅かながらでもプレゼンテーション出来たとすれば、こんなに嬉しい事はありません。13年目にしてアメリカが反復を見せている事に凄まじいリアルを感じつつ、ではまた明日。  
ビュロ菊だより
「ポップ・アナリーゼ」の公開授業(動画)、エッセイ(グルメと映画)、日記「菊地成孔の一週間」など、さまざまなコンテンツがアップロードされる「ビュロ菊だより」は、不定期更新です。