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na85さん のコメント

 お久しぶりのna85です。ライジング80号から復帰する予定でしたが、リハビリ的に少し。
 私は、前号からの鷲音モーさんと尻毛屋さんの抗争に心を痛めていたのですが、今号で鷲音さんが尻毛屋さんの「尖った意見も言わない癖に道理を説かれたくない」という批判を根底から覆すような見事な散文的論考や啓発文を次々と上げられ、尻毛屋さんがそれに対して見事に引いて矛を収めて見せました。両者に拍手を送りたいです。
 それにしても鷲音モーさんの>>20>>114>>125は本当に凄いと思いますね。チャンネル掲示板に私が参加し始めた頃から鷲音さん(当時はボードレール鷲音を名乗っていた)は「ボードレールさんは深い!」と大評価していました。ボードさんは全く自分の凄さに無自覚なのがまた凄く、尊敬するところです。そして、褒めると照れて自己卑下に走ります。その卑下した部分しか見ていないと、迂闊に侮ってかかってしまい、その結果強烈な反撃に遭います。
 以下に転載するのは、掲示板でのボードさんの深い問いかけに対して私が応えたものです。1000~2000番台の言霊論、子育て論(今号ライジングテーマにも繋がる)、自死論・テロ論なんかは掲示板の議論の白眉でした。4000番台のボードさんへの評価は今回の騒動にもつながることだと思います。

1687 : na85:2012/04/13(金)
(ボードレール鷲音さんerote)
>小林先生は言葉で世界を変えられると信じている。
くだらないデモ行進などの行動よりも強烈な言葉(ロゴス)一つで世界を変えられると信じているクレイジーな男の放つ論理(ロゴス)には霊性が宿るものなのですぜ。
言葉に体重を乗せ、言葉に魂を込めるからこそ、小林先生の論理は常に熱く息づいているのです。
小林先生の言霊の力は皆様も感じているでしょう?
(na85wrote)
 そのとおりですね。小林師範は論理(ロゴス)に感情(パトス)を乗せて、つまり魂をこめて、自分の心に偽りなく語るから、文章でも漫画の吹き出しでも肉声でも多くの人の魂に直接伝えられるのだと思います。これを言霊というのでしょう。
 論理の前提に感情があるとよく言われます。自分の感情を偽って、取り繕って、人口に膾炙した紋切り型の論理を吐いても空回りするだけでしょう。だから自分の言葉で話せと師範は言います。
 「言葉が世界を変える」。一次大戦後の国連で人種平等決議案を日本の代表が出し、圧倒的多数の賛成がありました。米大統領がこれを潰したわけですが、これなどは世界を変える行為だったと思います。
 こんな大きなことでなくても、例えばある共同体に属す市井の人が真剣に私心なく公のために考え、自分の感情を論理に乗せた言葉を吐くことで人の胸を打ち、共同体を良いほうへ変えていく原動力になる、こんなことがあちこちで起これば世界を変える力になると思うわけです。
 ドラマ「私たちの教科書」で、「あなたは世界を変えることができますか?」というセリフがキーワードでした。いじめ自殺した女子中学生の親である弁護士(菅野美穂)と担任教師(伊藤淳)が葛藤しながら深層に迫っていく物語だったと思います。小さなことでも自分の現場で起こす良い変化は世界を変えることに繋がると思うわけです。
 その共同体が国レベルだと小林師範のような魂と情熱と力が必要になってくるのでしょう。そして、その魂と情熱のレベルで同じものがAKBの真剣さであり、天皇の祈りだから、わしズム復刊号は皇室とAKBが特集されたと私は見ています。

 ボードレールさんは深いなぁ na85

1694 : na85:2012/04/14(土)
(ボードレールさんwrote)
>、腹を痛めて産んだ分、父親よりも母親の方が子供への愛情が深いという俗説は本当なんスかね?
(na85wrote)
 この俗説は本当らしいです。腹を痛めて産んだことそのものより、母乳を与える、乳首を含ませていることで脳からオキシトシンというホルモンが出て、わが子への愛情が急増するようです。だからかつての武家の奥方は嫡男となるわが子を乳母に取られるので愛情が減り、次男の方を溺愛してお家騒動の原因ともなったわけですね。
(ボードさんwrote)
>おそらく子供が子供として一番可愛い時期というのは自我が芽生え始める2歳から4歳ぐらいまでで、5歳ぐらいから親離れを始め、クソ生意気にも反抗期を迎えやがるでしょ?
>しかし、その一番可愛い時期に懸命に子育てに励むと、その時の愛情が(親の側のみが)一生モンの絶対的な記憶となりて、以降どれほど反抗的なクソガキに成り果てようとも、良くも悪くも見捨てる気など起きなくなるもの
(na85wrote)
 2歳から4歳までは本当に可愛いですが、これは子供のフォルムが丸く造形されているためです。丸くて小さいものを可愛いと感じ、守ろうとする本能が働くことで、父親・母親から叔父・叔母、果ては血の繋がらない他人に至るまでもが愛情をかけられるようになると思います。
 5~6歳ぐらいから造形が幼児のそれから少年少女のそれになるため、それまでに物凄く関わった人意外は本能行動が薄らぐと思います。だので、2~4歳に子の世話に関わることがその後の愛情の濃さに影響するというボードレールさんの見解は正しいと思うわけです。

 鷲音さんは直感力がすごいです na85

2075 : na85:2012/05/02(水)
(ボードレールさんwrote)
>己が酒が呑めなくなったと言って、腹腹時計な爆弾持って国会議事堂に突貫しても私心ムキダシの単なるバカヤロでしかないじゃんスかねぇ。
俺の私憤は公憤の経路を辿れない悲しみ…。
(na85wrote)
 ありますよ。私憤を公憤まで高める経路が。酒が飲めなくなった原因がもし貧困であるなら、その原因を突くのがよいでしょう。
「世界帝国アメリカは公平・公正を装いながら世界中にアメリカ的価値観を押し付けている。世界に自国に有利な自由貿易ルールを押し付けているのが典型である。世界中に拡がる格差と貧困、は米国企業のエゴとそれを実行に移す米国政府に原因があるといっても過言ではない。
 日本に対して仕掛けられているものがTPPであり、この要求を受け入れることは日本人の集団自殺に繋がることはもはや明白である。例外なき関税撤廃だけでも日本人の所得が激減し、失業率も上昇し、その上24もの部会で日本の社会は米国企業が商売しやすいものに造り替える改革が行われ、日本の法律や商慣行・文化もねこそぎにされるだろう。
 これに唯々諾々と従うのが現政権であり、そのような流れを作ってきたのが戦後日本の政治である。アメリカの要求どおりの改革により、現在生きる日本人の生命・財産・家族・社会、かつてこの列島に生きてきた日本人の歴史的英知の結晶である文化を放擲する現政権への反逆を、ここに宣言する」

 こう言って腹マイトで議事堂に突っ込むわけです na85

2081 : na85:2012/05/03(木)
(ボードレールさんwrote)
>今は誰のタマをとったとて、政治家にしろ経団連会長にしろ駐日大使にしろ互換性がきくでしょうから、何にも影響を与えることもなく、新自由主義が世界の、そして日本の多様性を駆逐し続けるのではないでしょうか?
(na85wrote)
 直接の成果ありや、なしや?と問われれば「無」と答えることになりますが、このことが人々の心のうちに与える微妙な変化が後の世に影響するかも知れぬという微かな希望を胸に逝くわけです。もともと絶望してテロを敢行するわけですから。
 「成功するかしないかを考えるのは上方風の思い上がった武士道だ」と山本定朝が『葉隠』で吉良邸討ち入りを批判しています。しかし成功にこだわるから最近右翼のテロが流行らないんでしょうか?そこを考えると9.11はうまくやりましたねぇ。若干ヤバイこと書いているな。

 西部氏の「死ぬ死ぬ詐欺」はやはり成果に囚われている? na85

2082 : na85:2012/05/03(木)
(ボードレールさんwrote)
>では公人にしろ私人にしろ、抗議の自決って余り無い気がしますね。
小学生の自殺でもなんでも結局私事で死んでますね。
(na85wrote)
 生命至上主義の現代日本では、死そのものに意味を持たせることがタブーとなっているのでしょう。「死に価値はない」「死んで花実が咲くものか」「生きていればこそ」「ぬちどぅ宝」と。だから抗議の自殺は放送コードなどにかかって隠されるのかも知れません。
 だからそんな空気の中で育っているから、小中学生の自殺では最期の瞬間にも抗議の言葉が出てこないかもしれません。学校側からすればありがたい時代で、これは為政者からしても抗議の自決が出ないことはありがたいでしょう。

 デフレで活力がないことは支配しやすいことを意味する na85

2108 : na85:2012/05/04(金)
(ボードレールさんwrote)
>平時に死ぬ訓練や死の準備をしている者が『公民』たりえるのでは?
(na85wrote)
 これまた深いですねぇ。私は、日本人が公共心を保つには菊を胸に、刀を喉元に当てている時だと考えます。私たちのために祈っていてくださる天皇陛下の存在を感じている時と、死を意識している時です。大震災では両方意識されたから、世界が賞賛する態度を示しえたのだと思うわけです。

 時間的・空間的に離れたら…買占めが起こったり na85

2141 : na85:2012/05/05(土)
(カレー千衛兵さんwrote)
> 自殺者に対する「報復心」もあるのかもしれない。
もちろん、自殺未遂者を【法律】で裁くわけにもいかないと思いますし、
一方では、ちょっとヤバイ言い方ですけど・・・、「自殺は文化」だとも思ってます。
(na85wrote)
 自殺が報復だという自殺者がいて、自殺者への報復心を抱く残されたものもいたら、報復の応酬ですね。
 日本には自殺の文化は確実にありますね。武士の切腹に代表される生き恥を嫌う「恥の文化」に、自殺は罪だと「罪の文化」(自殺はキリスト教では大悪)を押し付けるのもどうよ、と。
(ボードレールさんwrote)
>ちなみに俺は『バックレ自殺』には嫌悪感を持ちますが、その自殺すら肯定しています。
自分の不祥事が発覚して、そのことで締め上げられる前にトンズラー(政治家とか大手企業の幹部とかがよくやるパターン)とか今の自分の境遇に耐えられないけどそれを打破する力もないのでトンズラー(イジメられっ子中学生がよくやるパターン)というのがバックレ自殺。
(na85wrote)
 バックレ自殺とは「責任を取って」とか「死んで詫びる」とかいうものですね。でもこれ共同体を守るための「死人に口なし自殺」も含みますよね。そうなれば公性を持ち始めて美しくすらあるように思います。もう一つの逃避自殺ですが、これも単なる逃げでなく、カレーさんの仰った報復自殺・抗議自殺の意味があるかもしれません。しかし、やはりこれらは主体性のない、対応者の自死かもしれません。
 そして!確かに!大楠公、乃木希典、三島由紀夫は主体的な自殺であり、こちらはカミになれる自死だと思います。

 死の瞬間まで意志の力を極大に保てばカミになれる na85

4717 : national8505:2012/10/22(月)
(ボードレール鷲音さんwrote)
>う~ん、俺は育ちが最底辺の激悪だから口が悪いかもしれんけれども、誰に対しても「出ていけ!!」ということを書いたことはないんスけどね。
(na85wrote)
 もちろん存じております。だから「おちょくり」という手法を用いているということも。
 ただ「おちょくり」は、自己顕示欲という「私」の臭気たっぷりの方には直言よりも厳しいものであるため、余計に狂い方が激しくなり、そのためより強い排斥効果として現れると見ています。「おちょくり」に傷ついて遁走した人も内省ののち復活されることを、ボードさんが望んでおられることも承知しています。
(ボードさんwrote)
>na85さんが凄いのは明らかに知的水準が低い俺のような者の意見すらにも耳を傾け、常に内省されているところです。
童人さんが仰るように俺の愚劣な戯言など余り気にしないで下さい。
俺はna85さんをおちょくったことはないでしょう?
(na85wrote)
 ボードレールさんは知的水準は低くないのです。知情意のうち知よりも感情と意志の力が突出しているから知が目立たないだけなのです。感情の赴くまま「私」周辺のことを書きつつも意志の力で「公」の話題に持っていく、それには深い知性の裏付けが必要だと考えます。知識より知恵、知能より知性です。だから「ボードレールさんは深い」と一貫して言い続けています。
 確かにボードさんは私をおちょくったことはありません。それにボードさんの書き込みは、一見この場の誰かへの批判と受け取れるような内容であっても、別の誰かを擁護するためであったり、全体のバランスを考えてのことであったりする場合が多いので安心しています。
 ゆえに今回私が内省的な書き込みを多くしたのは、本当に少し「内省」してみただけで、ボードさんの書き込みはそのきっかけにすぎないわけです。様々なきっかけをとらえて内省しないと信念でなく心根がゴーマンになってしまいますから。
 (以上転載終わり)また照れて卑下に走らないでくださいね(笑)。

 daiさん、ありがとうございました。歌会の方もそろそろ考えます(プライベートで煩雑な出来事が多すぎて全く詠めていません)。
 出て行った人間が共同体に戻るときは、申し訳なさそうに裏口からとか言っておきながら、天井裏から大風呂敷担いで転がり込んできたような戻り方ですな(笑)

 思いのほか長くなってしまい申し訳ないです na85
No.137
130ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第79号 2014.3.25発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…埼玉県のマンションの一室で、ベビーシッターに預けられていた2歳の男児が遺体で見つかった事件。働く女性が経済的な事情から、ネットで見つけた格安のベビーシッターに子どもを預けるのはやむを得ないのか?責任は福祉制度を整えない国や行政だけにあるのか?ネット以外に「代替案」はないと本当に言えるのか?母親への同情が世論の空気となり誰もが言い辛くなっている中、この事件で浮き彫りとなった現代社会の闇を問う!! ※隠れた名作を紹介している「よしりん漫画宝庫」!“白紙”の天才・よしりん!ヒーローものを見ていて「なんでこの人、顔隠してるの?」という“白紙の疑問”から発想を得て描かれた『学園Z(絶人)』!発表から33年、この作品が扱ったモチーフは、実は当時よりもずっと大きな問題として現われている…!!果たして『学園Z』は何を描いていたのか!? ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!ビキニ姿とスクール水着姿、どちらがより健全?公明党は日本の政治に必要?やっぱりUGN48からあの娘は外した方が良いんじゃない?忘れられない失恋の思い出とは?安倍政権の移民政策、本当のところどうなの?先生を攻撃する一部AKBヲタの真意とは?東京電力には非は無い?よしりんって「受難の才能」を持ってる?…等々、よしりんの回答や如何に! 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第80回「やむを得ないからネットでシッター?」 2. しゃべらせてクリ!・第40回「へぎゃっ!ぽっくんを見捨てんでクリ、沙麻代ちゃん!の巻〈後編〉」 3. よしりん漫画宝庫・第63回「『学園Z(絶人)』匿名の正義という今日的テーマ」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 読者から寄せられた感想・ご要望など 7. 編集後記 第80回「やむを得ないからネットでシッター?」  埼玉県富士見市のマンションで2歳男児の死体が発見され、この部屋で男児を預かっていた26歳のベビーシッターの男が逮捕された。  死亡した男児の母親は横浜県磯子区の22歳、無職のシングルマザー。今月14日、2歳の長男と8カ月の次男の二人を預け、16日に引き取ることになっていたが、その日になっても連絡がとれなかったために警察に通報、事件が発覚した。  死亡した男児は裸にされて口を塞がれたような跡があり、皮膚が変色している部分が数カ所あった。次男も裸にされていて複数のあざのようなものがあり、低体温症になっていて、病院に搬送され入院した。   母親は子供を預ける10日ほど前から少なくとも7回、男とメールで連絡を取り合ってベビーシッターを依頼したが、男の名字とメールアドレスしか知らなかったという。  メールだけのやりとりで、しかも男の名字しか知らない。「信用」の二文字を一切考慮せず、我が子を名字しか知らない、本名かどうかもわからない他人に預けられるものだろうか? 母親は22歳で二児の母、しかもシングルマザーというのが驚くが、ネット依存が普通の世代なのかもしれない。   母親は以前にもインターネットを通じてベビーシッターを依頼していたが、この時、長男の頬が腫れていたことと背中にあざがあったことがあり、支払いでもトラブルがあったため、利用をやめていた。  実は逮捕された男は、このトラブルを起こしたベビーシッターと同一人物だった。 ところが男は偽名を名乗り、出迎えにも別人を使いに出していたため、母親は知らずに同じ危険な男に預けていたのだ。 しかも使いの男は以前に子供を預けたことがあり、問題のなかった人物だったため、安心していたという。  母親は報道陣の取材に対して「子どもに申しわけない。助けられずに『ごめんね』としかいえないです」と涙を流したという。  ベビーシッターを利用した理由については、「 経済的な事情で仕事に出る時もあった。お金のこともあって、すぐに預けられる場所がなかった 」と説明している。  逮捕された男は、「きのうの昼ごろに自分が薬を飲んで寝てしまい、きょうの朝、目が覚めたら死んでしまっていた」と話している。  男は地元の中学を卒業後、調理師の専門学校に進学、卒業後は調理や運送関係の仕事を転々としたがいずれも長続きせず、昨年11月頃からこのマンションでベビーシッターを始めていた。   この男はネットの仲介サイトには5つ以上の偽名を使い分け、ウソだらけの経歴を登録していた。   他にも子供が顔を腫らし、傷を作って戻って来たというケースがあったとか、1~2時間連絡がとれないこともザラだったとか、以前から相当に問題がある人物だったようだ。     ベビーシッターは、国家資格である保育士資格も行政への届け出も必要なく、誰でも開業できる。 そのためにベビーシッターをインターネットで始める事業者も多く、その実態は国も自治体もほとんど把握していない。  また、 もともとベビーシッターは子供の自宅へ訪問するのが基本 で、外で預かるのは本来のベビーシッターとは「別物」なのだが、法定資格ではないので、これでも「ベビーシッター」を名乗れてしまう。  この事件について、19日の日本テレビ系『スッキリ!!』で、コメンテーターのタレントで一児の母である大沢あかねは、こんな発言をした。 「 私は見ず知らずの人に、その人の自宅で預かってもらうっていうことはまず理解できません。(自分が)ベビーシッターさんに預ける時は、必ず信頼できる人の紹介だったり、そのベビーシッターさんに家に来てもらって、5~6回は必ず私も含めてシッティングしてもらうって形でやってます。  今回2歳と8か月のお子さんを見ず知らずの…2歳と8か月だったら自分の思いも言葉にできない年齢じゃないですか。それを見ず知らずの人に、しかもその人の家で預かってもらうっていうことはやっぱり理解できません 」  するとネットでは、こんな非難が殺到したという。 「あなたがちゃんとした人に預けてるのは、お金があるからだよ」 「5~6回も自分も一緒にシッティングとかそんな余裕のある母はそうはいないぞ」 「一般人は芸能人みたいに金持ちじゃないんだから預けるしかない場合もある」 「あなたのようにちゃんとした配偶者もいて、大金持ちでいくらでも預ける相手を選べる人はそうでしょうよ。どうして持たざる者の視点で考えられないのか」  他にも、この事件で母親側の落ち度を指摘したら、たちまち炎上という事態が相次いでいるらしい。  わしも、「ゴー宣道場」ブログ17日付で以下のように書いた。   信頼を担保するものが何もないベビーシッターをネットで見つけて、我が子を預ける母親がいるとは驚きだ。  馬鹿と言うしかない。  誘拐犯だったらどうするのだ?  変質者だったらどうするのだ?  あまりにも無責任だ。  ネットの中の他人を信用してはいけない。  ネットで知り合って、たとえ和気あいあいと話すようになっても、やはり他人だ。  実は変質者かもしれない。  実は殺人鬼かもしれない。  ネットの中の他人との絆なんか信じてはならない。  ネットのせいで知人と他人の区別がつかなくなっている。  まったく恐ろしいことだ。  大沢あかねより過激だから、文句が来るはずだ。ブログやライジングの読者を始め、ゴー宣道場門弟からも反論があった。   いずれも、働かなくては子供を育てられないシングルマザー、それも若くて収入も少ない母親には、ネット以外の手段がないというものだった。  子育て経験のある女性からは、幼い子供はよく突然熱を出すし、発熱した子供は保育所では預かってくれず、助けてくれる身内も近くにいないとなると、本当に途方に暮れるので、ベビーシッターに頼りたくなる気持ちはよくわかるという意見が届いていた。  ネットで見つけるのがダメなら代替案を出せという意見もあった。   この人たちはネットがなかったら、どうしていたのだろう?   子供も含む自分の人生はネットと一蓮托生だと決めているのだろうか?  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!