7月20日に「鬼神天武 -VAZIAL SAGA ZIPANG-」を発売したStudioGIWの祇羽さんに、本作の見どころなどを伺いました。


・最初に、StudioGIWさん、また祇羽さんについて教えてください。

某ゲーム会社から独立して、スタジオギウを設立しました。
パソコン用のゲーム制作をメインに、歌(太鼓の達人など)の制作や、声優事務所も運営しています。


このタイトルを開発することにした経緯・狙いなど教えてください。

前作のシリーズ(GIEEVALや至高師団)が上級者向けでしたので、もっと幅広い層に遊んでもらいたいと思い、ヴァジアルサーガ以上に「手軽に戦略を楽しめるゲーム」を目指して制作しました。
タッチパネルのみで遊ぶこともできます。(電車の中とかで是非)


・スタジオギウさんのタイトル初心者の方向けに、見どころなどをお願いします。

全タイトル、サクサク遊べるように作っていまして、例えば、ゲーム中にShiftボタンを押すと、ゲームスピードが速くなります。
ゲームに慣れてきたら、是非ご活用ください。(速いパソコンだと1秒間に500フレームくらいになります)

・日本を舞台にした戦略シミュレーションだと、超大物のタイトルをはじめとしていろいろありますが、それらと比較してこのタイトルならではの部分はどんなところですか?

妖魔や式神(召喚魔法的な)、妖刀といったものが存在し、合戦ではそれらを駆使して戦うことになります。
また、「転生した」という設定の為、毛利元就や服部半蔵が女の子だったりします(笑)

毛利元就服部半蔵


・「ヴァジアルサーガ」をプレイされた方向けに、変更点について伺わせてください。
 搾取率では洗脳率に影響しなくなった分、編成・戦略の回数とトレードオフになるようになりましたが、このようにした経緯など教えてください。

ゲームの全体戦略として「どう国を取っていくか?」ということがメインなんですが、
1年(1ターン)の中でも、小さな戦略的楽しさ(資源管理、未来予測)や、迷う場面があると良いな、ということで行動消費していく形にしました。
また、行動回数があることで、ゲームのテンポも良くなったと思います。

搾取フェイズ


・編成・戦略フェイズでできることが整理されシンプルになって分かりやすくなったように思われます。
こちらの狙いなど教えてください。

そうですね。今回は「合戦と国盗りの楽しさ」に比重を置きましたので、他はなるべく簡略化しました。

・合戦では、陣形の要素はなくなりましたが前衛・後衛を入れ替えて個々の覇気をコントロールするようになりましたね。こちらの狙いなど教えてください。

ヴァジアルサーガの時、「合戦をもっと戦術性のある感じ(操作できる場面を増やす)にしてほしい」等の要望を頂きまして、今回のシステムを考えました。
他にも案があって、例えば「布陣位置だけ指定して、あとは至高師団みたいなリアルタイム型」にする等、試してみたいシステムはいくつかあります。
今後、国盗り系SLGを作る時は、他のシステムも試してみたいですね。

野戦画面

・そのほかシステム面で見どころはありますか?

1度クリアしないと使えませんが、「プレイヤー鬼神」システムがあります。
自身の好みに合わせて成長させられる鬼神(君主)で、ヴァジアルサーガには無かった楽しみ方の1つです。
顔絵も自由に変えられます。
それと、妖刀も(血を吸って)成長しますので、沢山プレイして鍛えていく楽しさもあります。

プレイヤー鬼神

・これまでのスタジオギウさんのタイトルの世界観とは違って、和風の世界になっています。
スタジオギウさんの世界ともまた別世界とのことですが、どのような世界なのでしょう?またこのような世界観にしたのはなぜでしょう?

鬼神天武は修羅道のような世界で、永遠に戦い続ける、他とは切り離された空間です。

異世界にすることで、新しい世界を自由に発想してみたかった、というのが大きいかもしれません。
和風になったのは、元々、戦国時代や和風な世界観(陰陽師、真言密教、里見八犬伝とか)が大好きだからだと思います。
当然、「臨、兵、闘、者・・・」という九字の印を素早く結ぶことができます(笑)

・戦国物のようでいて、鬼神には大昔の卑弥呼から割と新しめの東郷平八郎まで、
 また酒呑童子のような人外まで幅広いですが、どんなふうに鬼神を選んだのか教えてください。

有名で強そうで、鬼神(怨霊)になりそうな人物、あと、ご質問にある通り、幅広くなるよう(それぞれに個性を出しやすいよう)に選びました。
もちろん私の好みも入ってます。

・祇羽さんお気に入りの鬼神は誰ですか?

いろいろ遊んでみて一番面白かったのは、プレイヤー鬼神、デフォルト名「鬼神 天武」さんです。
最初は弱いんですが、成長すると正に鬼神の如き強さになります。この”成長してる感”が堪らないですね。

他には、安倍晴明や宮本武蔵も気に入ってます。
どちらも戦い方に癖があって、晴明は超強力な式神で「圧倒的じゃないか我が軍は」状態。
武蔵は、不利な戦況から一騎打ちによる大軍撃破(一発逆転)が面白いですよ。
安倍晴明宮本武蔵

・鬼神として登場する人物と「戦国の兵法者」とはつながりがありますか?

直接の繋がりは無いですが、戦国の兵法者では今川義元の軍師「太原雪斎」が解説役として登場します。
で、鬼神天武での今川義元は、Web小説化(http://www.studiogiw.com/game/vsz/web_ss.html)しています。
一般的に今川義元は弱将とされていますが、私としては、戦略に長けた強い武将だと考えています。
(太原雪斎のお蔭かもしれませんが)
その想いが(?)、今回も今川義元を重要な立ち位置にしたのかもしれません。
因みに、好きな戦国武将は松平元康(徳川家康)ですが、満足して没したと思うので、鬼神にはなっていません。


・その中で、月人「ムーンムームMK-II」だけが月人です。
 ムーンムームMKIIがこの世界に現れた設定などありますか?
 またヴァジアルサーガに登場した「ムーンムーム」とのつながりは?

一応、偶然、異世界転送の能力を持ってしまい、鬼神天武の世界に飛んできたということになっています。
見た目がムーンムームに似てますし、名前も同じなので、もしかしたら初代ムーンムームを改造したのかもしれないですね。
実際のところは私にも分かりません。ご想像にお任せします。

・今後の拡張パックなどの予定はありますか?

現在、「鬼神天武スペシャルパック」を製作中です。
ゲーム的には、妖刀用の超レア妖術「天照(アマテラス)」を追加したり、妖刀とプレイヤー鬼神のレベルキャップ解放等。
あとは、サントラや鬼神画集、おまけデータが入っています。


・ファンの方、またこれからプレイしようと考えている方にメッセージをお願いします。

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よろしくお願いいたします。

あと、まだ遊んでいない方は、フリー版もありますので是非遊んでみてください!




名作「ヴァジアルサーガ」をベースに、分かりやすく、またキャッチーな要素で初心者向けになっている本作。
インタビューにある通り、サクサク、それでいて奥深いので、気軽に始めてみてください。

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