私もここにはちょくちょく遊びに行っているのですが、先日、ROLLYさんと一緒に行ってきました。
その目的は、Gibsonの原点であり、中心的存在でもあるエレキギター。今年はレス・ポールさん(ギブソン・レスポールの生みの親)の生誕100周年だそうで、生誕100周年記念のデラックスモデルなんていうギターもあるんですね。そして、今年発売されたGibsonのレギュラーラインの製品の大半には、オートチューニング・システムである“G FORCE”というモノが搭載されています。
↑Gibson独自のオートチューニング・システム“G FORCE”。ギターのヘッド部分に搭載される。もちろん、グラフィックボードの“GeForce”とは関係ないですよ。ギターのチューニングを自動的に合わせてくれるという、なんとも不思議なシステムなんです。ROLLYさんに実際に使ってもらったので、まずは以下のビデオをご覧ください。
いかがですか? 使い方は、ROLLYさんの操作からもわかるとおり、まずチューニングの種類を設定したあと、ギターの弦を「ジャラーン」と弾くのです。すると、各弦ごとに取り付けられている6つのペグがキュキキュキッと自動的に動きながらチューニングを行ない、ピッタリ合うとそこで電源が切れる仕掛けになっているんですね。
「チューニングが苦手で、チューニングが狂ったまま演奏したために上達が遅れた……というみなさんも、このオートチューニングを使うとチューナーも何もいらず、スイッチを押してベローンと弾くだけで勝手にペグがチューニングしてくれます」とROLLYさん。「チューニングも演奏のうちだ」と厳しい意見を言う人もいるでしょうが、確かにこれは楽チンですよね。でも、これってどんな仕掛けになっているんでしょうか?
↑チューニングの種類をボタンで設定し、ギターの弦を「ジャラーン」と弾くと、6つのペグが自動で動いてチューニングしてくれる。ギターのヘッド部分に搭載されているG FORCEには、モータードライブ駆動のペグと音程を感知するチューナーが一体化していて、これが弦を自動的に巻き上げたりゆるめたりしてチューニングを合わせてくれるんですね。通常はレギュラーチューニングをすればいいのですが、目的に応じていろいろなチューニングを選べるのもG FORCEのユニークなところです。具体的には“スタンダードチューニング”や“DADGADチューニング”、“一音下げ”、“ドロップD”、“オープンE”、“Dobroチューニング”、“オール4th”など、全12種類。そのほかユーザーバンクとして6つを記録できるので、ユーザー好みのチューニングを設定することも可能になっています。
↑インジケーターの点灯色と位置でチューニングの種類がわかる仕組み。全12種類のプリセットと、ユーザー好みのチューニング6種類を記録して使用できる。ROLLYさんがビデオで「レギュラーチューニングからレッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジがよくやるDADGADチューニングへ一瞬のうちに変化させます!」と言っていましたが、このDADGADチューニングにすると、シタールのようなエスニックな感じの演奏が簡単にできるようになります。さらにはオープンチューニングにすれば、左手で何も抑えないでもコードが鳴らせるなど、スタンダードチューニングとはずいぶん違った演奏が可能になるのです。
↑ちなみに、今回ROLLYさんが弾いていた青いギターは、Gibsonの“Les Paul Deluxe 2015 Pelham Blue Metalic Top”というモデル。ROLLYさん自身も、G FORCEのオートチューニング機能は普段から便利に使っているのだとか。「ビデオのように一瞬で調整してしまうのいいけれど、もっと厳密なチューニングを行なうこともできるんですよ」とROLLYさん。ペグを回すスピードを変えることが可能になっていて、スピードを遅くするとより正確で厳格なチューニングができるので、普段はそのモードを使うのだそうです。いずれにせよ、プロがしっかり使えるレベルの機能になっているんですね。
最後に、おそらく多くの人が気になると思われる「ペグを回すモーターの電力はどうやって供給するの?」という疑問にもお答えしておきましょう。これはG FORCEに挿し込むガム電池を使うかたちになっており、簡単に抜き挿しできる構造です。そしてそのガム電池は、ACアダプターで充電可能です。それほど電力を使うものではないので、ひんぱんに充電する必要はないようです。
↑G FORCEの使用電力は、ACアダプターで充電するガム電池から供給する。このG FORCEシステム、チューニングが苦手、チューニングが難しいという人にとっては、非常に強力な武器になると思いますよ。楽器屋さんに行って、試し弾きをしてみてはいかがでしょうか。
記事の感想はROLLYさんのツイッター(@RollyBocchan)まで。
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