村上裕一の(仮)
村上裕一の新米社長日記[ 第5号 ]
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村上裕一の新米社長日記 第5号 4月1日~4月7日
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4月である。
暴力的な低気圧の通過により今年も年初めの花見は台無しにされ
たわけだが、暑くなったり寒くなったりの慌ただしい気候も日曜日
には落ち着きを見せ、春らしい爽やかな日差しが街に注いだ。1年
の計は元旦にありというが、同じ事は年度初めにも言えるのではな
いかと考えるとき、4月1日がエイプリルフールだというのは不幸
なことだとも思われる。他方、エイプリルフールにどれだけ全力を
費やせるかがその後1年を占うのだとも言えなくもないことを考え
ると、これをスルーしてしまったことをいささか後悔せぬでもない
のだが、重要なのは何事も初めが肝心ということだ。そんな中私が
やったことはと言えば「まずは形から入る」という日本人のクリシェ
をなぞるような、ビジネスガジェットを集めることだった……。
4月1日(月)
ネットを制限してから人々の移り気な話題に振り回されることが
なくなったのはいいことだが、流行を全く追わないのも考えものだ。
おかげさまでエイプリルフールのお楽しみにはほとんど遭遇しなかっ
た。しかしながらTYPE-MOONのネタだけは心配していたの
だが、出てきてみてあまりにも素晴らしくてびっくりした。明日に
はもう見れなくなるが、これはノベルスフィアによって提供された
コンテンツである。届いたばかりのiMac27インチを取り出し
て何気なくこれをプレイしたわけだが、全くストレスがない。まる
で普通の美少女ゲームである。しかしながらそれを動かしているの
は特にエミュレーションもしていない純正のMacOSとサファリ
なのであり、これだけ自然なプレイが可能なのであれば今後のゲー
ムは全てこうなるべきであろうと本心から思ったのだった。
4月2日(火)
昨日導入したばかりのiMacはまさに高級なおもちゃであって
触るのが楽しくてしょうがない。遊び以上のものになっていないの
ではないかということが心配だが、圧倒的な27インチの大きさに
は本当に惚れ惚れする。特にエクセルシートを広い画面で一望でき
るのは最高のメリットで、様々な計画を作るのに本当に役立つ。ちょ
うど家の22インチが故障しているのだが、この機会にそちらにも
27インチを導入してしまおうか。今更の話だがキーボードも素晴
らしい。
ある意味パソコン以上のビジネスアイテムであるがスーツを購入
した。今までは一張羅を極希に使いまわすような、無頼気取りをし
ていたのだが、新年度を迎え心機一転するために新調した。会社に
は浪人のような風体で通っているのだが、今後はスーツでパリっと
していこうと思う。概ね。
4月3日(水)
書評とはなんだろうか。どうもこのコンセンサスが社内で取れて
おらず混迷の様相だったため、私は大変教育的なメールを書いた。
といって自分が素晴らしい書評を書けているかどうかは謎なのだが、
それにしても書けると書けないの間にはあまりにも大きな溝が存在
する。そこで書いた文章をどこかで使いまわす機会でもあれば有用
なのだが、社内用なので当分その予定はない。また、あまりにもデ
ジタルガジェットトークをするので「そんなに喋りたければ原稿に
しろ」的な有形無形の圧力に屈服し1万字に及ぶ文章を書いたので
それはそのうちめるまがにでも載ることであろう。それにしても携
帯買ったり背広買ったりですっかり金欠。年度初めから途方に暮れ
ている。社内事務的には私はバリバリと請求書を書くのみであった。
4月4日(木)
某社員が渡仏しすっかり閑静で落ち着いた佇まいとなった梵天オ
フィスであるが、私の今日のイベントはゲンロンカフェである。民
主党幹事長の細野豪志氏が東さんと対談するというのでこれは行か
ねばなるまいと思ったのだ。国会の印象とは異なり頭がいい人で筋
が通っていると感じた。あまりにも東さんが全肯定的な論調だった
ので自分までそんな感じになりそうだったが、自分で質問する機会
を得たので必ずしもそういうことにもならなかった。中小企業の問
題について質問したが、企業に頑張ってもらうという話だったので
いささか失望した。ちょうど経済なんたら会議では解雇規制の問題
が盛り上がっているが、労働者の権利を保護するにしても天から勝
手にお金が降ってくるのではないのだから、それを払う会社をきち
んと保護しなければ無意味なのであって、そういう論理的必然をど
う考えているのか。労働者擁護とは中小企業保護なのであって、ど
こもかしこも無駄な仕事で雇用を作り出せるような大企業なのでは
ない。同一労働同一賃金の話があったが、家に帰ってから考えた結
果これは私が求めていた答えではないという結論に至った。また自
分の個人的な興味であるネトウヨ問題ももっと根が深いと感じた。
読み上げられたメールは明らかに作りメール。笑えた。このイベン
トの後にまた国会質疑を見たが、他の議員と比較して誠実なことを
言っていると感じた。民主党は震災当時の政権担当者であるにもか
かわらず、当時の担当者ではない自民党政権に震災当時の問題につ
いて質疑するという超巨大な矛盾をきちんと消化しなければ、国民
が認める質問にはならないと感じている。
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