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【自然災害メモリアル】第155回:長岡地震(1961)の日 [防災]雪と地震
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【自然災害メモリアル】第155回:長岡地震(1961)の日 [防災]雪と地震

2019-02-02 21:00
    どうも、
    管理者のNDです。

    2月2日は、
    長岡地震から58年です。


    先日紹介したことのある、"小さいマグニチュードでも局地的に被害が出て死者が出た地震"
    の一つですが、この地震は特に珍しい部類の地震でした。
    この地震の規模はM5.2と、日常でも内陸の地震としても1~3ヶ月に1度ぐらいは、
    どこかである頻度の地震です。
    なにより、この地震はその規模にも関わらず、死者は5人もでています。
    1900年以降に残る地震史でも、最も規模の小さい地震で死者が出るという
    異端な被害の発生となりました。
    M7.3の内陸直下型地震でも死者が出なかった鳥取県西部地震と打って変わり、
    この中規模地震で、死者がこれだけ出た理由はおもに2つあります。

    まず1つ目は、この地震が浅い直下型の地震で、新潟県の長岡市のみ甚大な被害となったことです。
    元々新潟県では、特に浅い震源の地震が発生することがあり、そのような地震は規模が小さくても
    時として局地的に非常に強い地震となることがあります。
    最近では、1月3日にあった熊本地方の和水町の地震が記憶に新しいはずです。
    あれもM5.1で震度6弱を記録しましたが、局地的に強い揺れを引き起こしました。
    時々ある純典型的な直下型地震です。和水町以外ではとなりの市町村などは震度5弱があったものの
    ほかの地域はほとんど震度4以下です。

    そして2つ目は、この地震が長期的な豪雪被害中に発生したことです。
    この地震が起きた当時は昭和36年、つまり36豪雪という、三八豪雪には及ばずとも
    大雪の当たり年となった時期で、長岡市も積雪2mある状態でした。
    豪雪地域の降雪期による大地震で、初めは2階部分が地震と雪の重みで倒壊し、
    融雪期で損傷を受けた1階の家屋が支えを失って倒壊に至るという被害もありました。
    最終的に、全壊家屋は220棟に及びました。
    いくら昭和のまだ耐震化が"かなり"がつく程は厳しくない時代とはいえ、
    それでもM5級の地震でこれだけの被害を生じるケースは非常に稀でありますが、
    この地震は、複合災害と豪雪地帯の降雪期における大地震の双方に驚異を感じさせる意味で、
    雪国では、知っておかなければならない地震の一つに感じます。


    今回は、
    「雪と地震」をテーマにお伝えしていきます。

    昨日も紹介しましたが、冬に大地震が襲う可能性は十分にある上、それが運悪く豪雪地帯である
    ということも少なくありません。前述した長岡地震のようにM5前半クラスで大災害になるのは
    流石に稀ですが、日本の内陸直下型地震は特に豪雪地帯かつ冬の降雪期・融雪期は最も
    都合が悪いタイミングのひとつと言えます。

    これまで紹介してきた地震の記事だけでも
    阪神淡路大震災を筆頭に、日本では内陸の地震が冬にも普通に起きています。
    特別多い少ないはないのですが、現代でも雪害+震災は脅威になることを忘れては行けません。
    北陸や東北・北海道のような豪雪地帯はもちろんですが、大雪直後の都市部でこのような
    複合型災害が起きると致命的なのが、ライフラインになります。
    ただでさえ大雪後は路面凍結をはじめとする交通障害を生じて大きな爪痕を残します。
    その直後に運悪く大地震が発生されれば、雪国と違って耐性が不十分な関東の構造物は
    例え震災級にならずとも、複数の家屋が倒壊するなどといった被害が起きる可能性があります。

    しかし、慣れていない地域の人が屋根の雪かきを無理にしても、かえってそちらに命の危険を
    伴うことがありますので、特別大雪後の地震をむやみに警戒するのは逆効果です。
    そこで重要になるのが、ここでも日頃の備えになってきます。せめて寒波が襲来する日には
    凍結を防ぐために風呂に水を残しておくなど、対策を取っておくといざという時に役立ちます。
    追い焚きができない家庭では少々不便な点もありますが、保険をかけていると思うと良いです。

    さて、屋根の雪をどうすればいいのか考えている方もいると思うのですが
    雪の降る前日に屋根に予めブルーシートなどを覆っておいて、雪が降っても落雪しやすい構造に
    してしまえばいいとお考えになる人も多いと思いますが、実はこれは完全までは行きませんが、
    多くの場合はNGなことが多いです。
    まず、都心部は住宅地だと家同士が結構ひしめきあっているために、落雪スペースがありません。
    下手に落雪させると、道路を塞いでしまったり他人の家を巻き込むなどして、トラブルに発展する
    こともある他、場所によっては通行人を巻き込む可能性もあります。若者でしたら良いですが
    高齢者だと大量の雪が埋もれない程度だったとしても直撃すれば大変危険です。
    実際に東京スカイツリーでは、落雪によって周辺は恐れられる事態になったことがあります。

    ブルーシートは避け、どうしてもというのであれば融雪装置を取り付けることをオススメします。
    流石に平均的な給料手取り1ヶ月分の大きな買い物にはなりますが・・・。
    ちなみに縦長のマンションであれば、屋上の雪がマンションを潰すといった事態は都心部では
    数十センチまでなら問題はあまりないと思います。なお、前にも言いましたが熱湯で溶かすのも
    絶対ダメです。雪が再凍結してアイスバーンになりますし余計溶けない事態にもなります。

    また、除雪の際には、避難はしごや避難経路をふさがないよう、安全面の確保をしてください。
    意外と都会では、雪+地震の事態をあまり想定しておらず、
    使うこともないだろうと思い込んだ場所に、
    雪の溜まり場と化した場所が存在していることがあります。それがもし避難経路を塞いでいたら、
    万が一、地震による避難じゃなくても火災などが発生した時にその道が使えなくなります。
    出口が阻まれるなんてことになれば、それこそ"かなりやばい"です。
    雪かきの際は安全面にも配慮し、場所を選んでください。

    ちなみに、私は去年の東京の雪を経験しましたがその際に心配になる雪のたまり場もありました。
    東京だからこそ多いのは、裏通りや小さな細道を使えなくした状態になっています。
    仮に周辺住民の同意があったとしても、その道は住宅密集地の中です。
    もし、火災が発生すればたちまち進路を防ぎかねない状態です。
    他には半分道を確保して残る半分が除雪を断念した状態の場所です。
    一見、労力の限界で断念したように感じはするのですが、ただ道路の片側に寄せただけとしか
    見て取れないようなものがありました。まだ道路の両端に雪をよけるのはまだしも、
    明らかに本を畳んだような隣の雪を積んでいるだけになっているところも見受けられました。
    都心部でしたら、排水口があるので原則としては道の真ん中を確保して、両端に雪をよせた方が
    結果的に早く溶けます。ちなみにまだ陽のあたる場所に―― とかなら納得できたのですが、
    自分の見た奇想天外な雪かきは、全部ほとんどの時間日陰になる大きな建物が南側にある道でした。
    あと、雪だるまを作っている人もいましたが、間違いなく邪魔な場所に雪だるまを置いている
    強者もいましたが、雪だるまは一度作るとかなり長い時間残ります。駐車場の真ん中にでも作ったら
    進路妨害どころか、所有者に訴えられるトラブルに発展することも考えられます。
    子供たちが後先考えずに作らないよう、道路や公共物の近くに作らせぬようにしましょう。
    特に道路の場合、緊急車両が通れなくなるなどしたら一大事ですね。流石に道路の真ん中に
    雪だるまを生み出した猛者はみませんでしたので一安心ですが・・・。

    雪はただでさえ、交通機関を弱らせます。そこに大地震が相まって起きれば、
    甚大な被害を出してしまいます。郊外などの山間部や峠道では、土砂崩れだけでなく、
    落雪による雪崩や融雪型土石流などといったものにも注意が必要になります。
    十分注意してください。

    今日の記事は以上です。
    皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。

    明日もどうぞお楽しみください。
    尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。
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