どうも、
管理者のNDです。

08月17日は、
みどり丸沈没事故(1963)から56年です。

この海難事故は、沖縄県史上で最大と言われた大事故でした。死者・行方不明者は112人を数え、
熱帯的圧の影響による高い横波を受けたことで、船体が傾き浸水、
そのまま僅か10分で沈没する事態となりました。
その沈没の速さと、環境の悪さからSOSの発信も不可能だったため、救助が他の人に伝わるまで
なんと5時間も要してしまう事態となりました。
つまり、事故の発報が無かっただけで、5時間もの間誰にも気づかれることなく、
沈没した現場周辺をさまようこととなったというわけです。



今回は、
「熱帯低気圧と温帯低気圧で対策は変わる」をテーマにお伝えします。

同じ低気圧でも、台風というのは熱帯低気圧の部類に入り、
俗にいう爆弾低気圧などは、寒冷か温帯の低気圧になります。
今時期の日本は、北海道を超えなければ基本的には温帯と思って良いでしょう。

台風については、簡単に言えば熱帯低気圧の凄い版です。
勢力が強くなった熱帯低気圧ということですが、この熱帯低気圧自体も
決して油断はできません。


そもそも熱帯低気圧は暖かい空気の集まりですから、中心がそのまま再発達する
いわば綺麗な典型的なイメージ通りの形を伴っています。

対し、温帯低気圧は全線を帯びていて、
北側が寒気、南側が暖気となっていることが多いです。

そして一番大事なのは、この2つは対策の仕方も微妙に変わってきます。

台風は基本的に中心に近づくほど~ というのが一般的ですが
暖かく湿った空気をもたらすので近くに冷たい空気があるとぶつかる部分、
つまり梅雨前線などが活発化して大雨をもたらすことがあります。
そして台風本体もまた、近付くことで中心に近い程強烈な風も吹くことになります。


一方、温帯低気圧は離れていても全体的に雨が強くなる傾向があります。
熱帯低気圧がピンポイントの直下型地震だとしたら、
温帯低気圧は少し深めの深発地震のようなイメージを持ちます。

ただし、どちらも中心になるほど強くなることに変わりはありませんので、
近付いている時はどっちであれ必ず対策を取りましょう。

ただ、雨の強まる時間帯やピーク時間帯は基本的に熱帯低気圧は局地的で瞬間的にピークを迎える
一方、温帯低気圧はどちらかというと長い時間にわたって、そして広範囲に影響をもたらします。

そして一番大切なのは、台風からその温帯低気圧に変わる時です。
まず、台風→温帯低気圧になると「ああ、衰弱したんだな」と思う人が大半ですが、
必ずしもそうではありません。確かに、弱まるタイミングで日本は温帯低気圧になるのですが、
台風が衰弱したものが温帯低気圧という誤認識だけは避けてほしいのです。

ある台風では、一度温帯低気圧になってから突如として爆弾低気圧化して再発達した
珍しい低気圧による脅威もありました。(それが実は明日紹介する飛騨川豪雨になります)
しかも低気圧の中心よりかは少し離れた所で
被害が大きくなることもあります。基本的には通過すれば台風一過の透き通った晴れ間が
見えてくるようなものですが、温帯低気圧で発達していると過ぎ去った後も風が残ったり、
雨が局所的に強まることが十分考えられます。前線を伴うことでその方向に雨風強まりますので、
決して油断しないことが重要です。

昨今では、どんな異常気象が起きるかわかりません。数十年前の常識が今では通用しなく
なっていることもあります。以前もこうだったから今回も大丈夫という思考は特に
高齢者の方などに多いです。自然はどのように人間の思わない形で脅威を与えるかわかりません。
まずはそこをしっかりと自覚して、低気圧も台風も近づいているならば、
例外なく備えを進めるようにしましょう。それが、防災面として大事なことなのです。

今日の記事は以上です。
皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。

明日もどうぞお楽しみください。
尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。


明日は岐阜県で発生した、飛騨川豪雨・飛騨川バス転落事故の日(1968)を紹介します。