菊地成孔さん のコメント
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再放送中「となりのシムラ」が、市川準の「会社物語」や、流れ行き着く藤子不二雄の「劇画オバ Q 」のような、意義は認めるが非常に苦いものであるのかどうかずっと考えていて、志村けんのマザコンぶりは、独身貴族という生き方、よりも、母親が亡くなってから(2015年)体調から何からみんなぐずぐずにーーしかも、ゆっくりと時間をかけてーー崩してしまった(「志村 de ナイト」最終回の、アル中的な痛々しさは、母親の三回忌が済んでもなおの、止まらない自滅感として、文字通りの泣き笑いで記憶されるものでしょう)、という点に顕著だと思いますが、再放送中「となりのシムラ」の、母親逝去直前の、心技体揃った絶好調ぶり(結局、あの形態のまま亡くなったので、最終完成形でもあるわけです。因みに、「となりのシムラ」は第一シーズンが2014年の母親死亡直前で、志村けんは2016年、母親を失ってから体調を崩して休養し、「となりのシムラ」ラストシーズンは、復帰後になるので、母の死をブリッジオーヴァーした作品です)と、それをプレゼンテーションする NHK の、ある種のダークなセンス(少年ドラマシリーズとか、サラリーマンネオとかに一貫して流れる)は、一言で言うならば「非常に厄介」で、一言ではなく二言になってしまいましたが、そう言う意味でも非常に厄介です。「志村けんが、メタコントの構えの中で、怒った演技をすると異様にリアルで、本当に怒ってるように見える」と言うのは、「すごいけど、見たくなかったもの」の代表だと思われます。「優等生が悪ぶって見せているだけだと思ったら、思いの外その優等生の気持ち悪いダークサイドが見えてしまって困った」と云う、あの感じです(「優等生が悪ぶっただけで、特に困らない奴」が「ハムラアキラ」でしょう)。
残念っつうか、ホッとしましたけどね笑。リアルの問題はヒップホップだけではなく、人類の根本的なアンビバレンスの一つです。マイメンはそれと格闘していたと思います。警察に捕まるのはおっしゃる通りかなりのリアルですから笑、フロイド的にいうと、内心で逮捕を求めていたと思います。出なかったら立候補したかもしれない笑。
>リアルなニュースばかりが放出される世の中になりますように!
↑これは過去も現在も未来も絶対にないです笑、第一に人間は(マスメディアは、でなく)情報全て残さず全部は伝えられませんし、記憶の改ざんやデータの捏造を、どれだけ真摯な気持ちで生きようと止めることは原理的にできません。ネットでもテレビでも、ニュースは捏造や編集や選別を経た話半分だと思うのが一番健全です笑。マスメディアの最大の罪は、民がそう思えなくしてしまったことですね。
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